夢を見ました | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

夜勤勤務が終了して、いつものように二時間くらいお昼寝をしました。
久々に亡くなった大皮の師匠の夢を見ました。

本サイトにも、亡くなった師匠の事を書いているものがありますが、大皮の師匠は今から十数年前に進行性胃癌の為に亡くなられました。
本当に、最後の最後まで仕事を続けられていたので、私にとってはあっという間に師匠を失った感じで、当時は立ち直り不可能な位にショックでした。
「悲しくなるから、もう邦楽はやらない」
そう決心。そして、病気の師匠に何の役に立てなかった私は、その無力感に看護師になろうと決意したわけです。
もともと、芝居がかった思考の人なもので、看護学校に通うという事は出家する。。。そういった意味合いに近かったかもしれません。
けれど、好きだったんですね。どこかでもう一度お囃子をやりたいと願っていたんです。

師匠の口癖は「俺は命がけでやっているんだ」でした。
その言葉通り、妥協という文字が辞書にないくらいに、生半可は許さないし、大変厳しいお稽古でした。
大皮の師匠のお稽古って、師匠の血肉を分けて頂いているという感じでした。
師匠を失って一時の感情で「悲しくなるからもう邦楽はやらない」なんて決意しちゃったけれど、そんなのでいいのかな?・・・
師匠は胃癌で亡くなってしまいましたけれど、私の中には師匠から伝えていただいた「大皮」というものを通して師匠が生きているんですよね。
このまま、お囃子をやめちゃって忘れさってしまうという事は、完全に私の中から師匠が消えてしまうのよね。

師匠は亡くなってから度々私の夢の中に出てきて、お囃子をやめてしまった私を怒っていました。
夢の中でも怒られてばかり。。。
大皮の師匠=怒っている、そんなイメージしか残っていないのかしら?
ははは^m^
でもね、今の師匠に入門してからあまり怒らなくなった。
不思議なんですけれど、入門する以前は良く亡くなった師匠の夢を見たものなんですが、入門してしばらくは、亡くなった師匠の夢を見なくなりました。
もう、他所のお弟子さんになっちゃったから出てこなくなっちゃったのかな?
ところが、昨年の夏「鏡獅子」でお浚いに出る事になって、本番も間近な頃に再び大皮の師匠が夢に出てくるようになりました。
昨年の夏。とにかく本番間近で身も心も「鏡獅子」に成っていた頃、夢に出てきて笑顔で「頑張ったな」と言われたのです。久々に見る師匠の笑顔・・・ああ、師匠はもうこの世にいないんだ・・・そんな感じで褒められたのにとても悲しい感じの夢でした。
そう、今の師匠のもとに入門してから、夢に出てくる大皮の師匠は怒らなくなってしまいました。
なんか、それが以上に淋しく悲しくなる夢で、覚醒する時はいつも涙々なんですけれど。

さて、前置きが以上に長かったですが、本日の夢。
大皮の師匠のお稽古場。当時のお弟子さんのほとんどが集合。で、お稽古しているんです。
でお稽古終了して、お茶の間でティータイム。
あるお弟子さんが「先生はね、一度亡くなったけれど、あれから復活したのよ」と(大皮の師匠はキリスト様?!と冷静になれば思いますけれど、夢ですから)
で私は真面顔で「そうなんですか」と返事している。
ちょっと心の中では複雑でした。
今は違う師匠についているのに。。。どうすればいいのかしら?とか、色々考えちゃっている訳ですよ。
なんとなく、皆でワイワイやっているんですが、大皮の師匠、私には非常にそっけないのです。
他の人には色々教えてあげたりしているのに、私にはちっとも何も教えてくださらないのです。
やっぱり他所の子になっちゃったから?・・・
当然なんですけれど、でもなんか淋しかった。
けれど、さて帰ろうとして師匠に「ありがとうございました」と声を掛けると、とっても優しい笑顔で「今日は悪かったな。。。頑張れよ」と仰ったのです。

何かとても淋しいような嬉しいような、卒業式のような気分でした。

そうそう、昔は昔、今は今です。
今の師匠に集中しなくちゃ。
今は今の師匠の弟子ですから、今の師匠の芸を学び取って行く事が私の大切な務めです。
過去を懐かしんで泣いてばかりはいられません。

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