あやめ | fuyusunのfree time

fuyusunのfree time

長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

ayame
そういえば、今この名前を襲名している人がいないなぁ。
芳澤あやめ
江戸時代の名女形の家柄。
初代は元禄から享保にかけて活躍した名女形。
『あやめ草』という女形の心得のような本を書いた人です。演劇史上では超有名な人です。

調べたところによりますと、この人の次男が中村富十郎の初代なのですね。
へえ~♪

長唄に『あやめ浴衣』という曲があります。
一説によりますと、ある呉服屋さんのコマーシャルソングなのだそうです。
イメージモデルは、何代目か分かりませんが安政六年に活躍した芳澤あやめさん。
江戸のセレブなお嬢様たちはこぞって菖蒲柄の浴衣を着たそうですよ。
宣伝効果抜群♪
今のコマーシャルというと、一分とか長くて三分の世界ですがる・・・。
当時は、約十五分の世界ですよ。美しき芳澤あやめが踊って、すっかり目か♡マークになったお嬢様方が「私もあやめのようになりたい」とこぞって菖蒲柄の浴衣を仕立てたそうで・・・すごい♪

さて、そろそろあやめの季節ですね。
次回のお稽古曲のきまっていない私。さて、何を練習しまいか・・・。
課題がないけど何もやらないと、今までの努力が水の泡になってしまいます。
ですから、課題が無くても、自分自身に課題を持って何だかを稽古しなければ。
自分自身にこれだけはできなければならないという課題があるので、それをサラサラと稽古して、いやいや手の練習ばかりじゃ楽しくないので、曲を自習してみた。
季節ですからね。ふと『菖蒲浴衣』の附けを出してやってみました。
小鼓ではこの曲のお稽古していますが、太鼓はやっていません。
最初は序の舞・・・どんな感じかしら。
そうそう、先日の『春秋』に出てきた、宮神楽の出てきます。
フムフム、こんな感じか。宮神楽・・・。
『春秋』だと超スピードなのですが・・・、この曲はすごっくゆったりしている。
・・・どうもはじめスピーディーで習うと、ゆったりしたノリの場合、リズムに乗り難いなぁ。。。
はあ。。。自分のリズム感のなさに幻滅・・・・。

けっこう、あやめを主題にした邦楽ってありますよね。
『菖蒲浴衣』はさすがにCMソングだけあって、旋律が美しく楽しい曲です。
大和楽に『あやめ』という曲がありますが、しっとりと情感的。ぜんぜん、同じ花を主題としていますが、曲想が全然ちがいます。
面白いですね。
また、あやめをみて・・・
どちらの曲想も感じますね。
けっして、桜のようにハッピーな感じではありませんが、長唄の『菖蒲浴衣』の曲想のように、透明感あって、花街の賑やかさか遠くで感じられるような粋な雰囲気もありますし、心情重々しく切なを感じる花でもあります。

まあ、どちらにしても。。。少女というより、女を感じる花ですよね。

芳澤あやめという人は遊女を演じさせると天下一品だつたようです。
なるほど。。。菖蒲の如しですね。
けっして、あやめに少女らしさは感じない。

さて、あやめ・・・花の菖蒲にかけて、「殺める」「危める」という言葉を掛ける事があるそうです。

五月の節句はしょうぶですがね。。。「勝負」をその名前に掛けたりしますよね。
しょうぶの葉は刀に見立てられ邪気を払うと言われています。
という事で、昔の男の子の遊びで、菖蒲うちというのがあるそうです。今で言うチャンバラごっこと鬼ごっこが合わさった遊びだそうです。
「しょうぶ」となると勇ましいですが、
やっぱり、あやめは「殺める」なんでしょうね。なんか、重々しい響きを感じます。


さてさて、明日から二連休。菖蒲浴衣の太鼓でも勉強しようかな(*^。^*)