
あれよあれよと言う間におひな祭りですね。
雛人形の一夜飾りは良くないという事で、うちも先日の大安にお雛様を出しました。
さてさて、お雛様の小話色々。
まずは、お内裏様の刀のさし方。
ご存知のように、お雛様は天皇と皇后を象った人形です。
つまり宮中トップの方ですね。
お内裏様の刀は刃が下を向くように差す。つまりUの字になるように差す。
刃が上を向くように差すようになったのは武士の時代からと聞いた事があります。
武士は、宮中・・・つまり帝の護衛を司る仕事。闘うというのがお仕事です。
貴族は身を守る為の道具として刀を持っていますが、武士は身を守るだけでなく、敵と戦う為に刀を持っているわけですね。
つまり、実戦向きに刃が上を向くように腰に刀を差しているわけですよ。
刃が上を向くように差してあると、抜いてすぐに構えて闘える体勢になるのですね。
そうそう、余談ですが、
ちゅっと古いですが、徳川吉宗が主人公の時代劇ありましたね。
あれで、カチャッっと刃をひっくり返すのは、ご存知“みね打ち”の為ですね。
刀は武士の魂です。
武士のトップである偉い将軍の魂を汚れた血で汚すなんて、という事で彼は刃を返すのです。
別に、自分に飛び掛ってくる悪者の家来が可哀想だからみね打ちにするわけではありません。
先日、お雛様を出しながら、母にこんな薀蓄を・・・。
そんなの知っているわよ(怒)という反応でした。
さてさて、
京都と東京ではお雛様の並びが逆だってご存知ですか?
上の写真のように、向かって右がお内裏様というのが京都です。東京は、向かって左がお内裏様・・・。
何故、そうなんでしょ。
京都御所の紫宸殿は南向きに建てられていていました。
日が昇る東側は天皇にとって左側・・・という事で左の方が位が高いとされています。
右大臣よりも、左大臣の方が偉いとかね。。。。左が偉いのです。
でもね、大正に入って天皇陛下は西洋式に向かって左側に立つようになられたのだそうで、それで関東ではお内裏様は向かって左というのが定着したようです。
そうそう、
三人官女の小話も一つ。
まあ、立っているかいなかの違いぐらいは気が付いているかもしれませんが、お顔も三者三様の表情をしているのをご存知ですか。
左の官女はちょこっとお口を開けた笑顔。
真ん中は眉毛が無くて、お口が開いている場合はお歯黒。
右の官女はおすまし顔。
真ん中の官女は既婚者という事ですね。
お雛様を出して、並びに???になったら、このブログを思い出して下さいね。
ちなみに、五人囃子の並びは
お能や歌舞伎の並びと一緒。
向かって右から、太鼓・大鼓・小鼓・笛・・・そして、左隅が謡いです。