團十郎と海老蔵 | fuyusunのfree time

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團十郎と海老蔵 (学研新書) 團十郎と海老蔵 (学研新書)
(2011/07/20)
江宮隆之

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「江戸の氏神」と呼ばれた代々の市川団十郎たち。
歌舞伎役者のトップを走り続けていた。けれど、けっして華々しいだけじゃないのですね。
舞台の上で、初代は役者仲間に刺殺されちゃうし、
自殺しちゃう者もいれば、江戸所払いになるものもいる。
超有名な大事件。「絵島生島事件」の真相は・・・そうだったんだ。とか・・・
単に市川団十郎というお家の歴史を知るだけでなく、それぞれの時代の背景などがこの本から垣間見る事ができるおすすめです。

そもそも、市川団十郎というお家は甲斐の武田家の家臣だったのですね。
戦国時代、もし武田が天下を取っていたら、
この世の中に市川団十郎という名前はなかったかも知れないのですね。
絵島生島事件。もしかしたら、絵島団十郎事件になったかも知れない。
時代の流れ、時の流れ、
その流れの中で偶然(?)に作りあげられる「今」という出来事。
幸運もあれば不運もあるんだな。またまた、当時の人々の「恩義」とか「感謝」とか、そういった人情のあつさ。今失いつつあるもの・・・。本当は日本人として絶対無くしてほしくないものなんですけれどね。
出るのはため息ばかりなり。