誕生日は初生狂言 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

昨日は目出度く新しいageの扉を開ける記念日でした。
今年は、母から狂言の会に招待してもらいました。テレビで何度か狂言は見ていますが、能楽堂できちっとした狂言を見るなんて初体験です。
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千駄ヶ谷の国立能楽堂。以前、生田コレクションという小鼓の胴をコレクションしている方の展示会を観に行ったことがありますが、能楽堂に入るのは初体験です。ドキドキワクワク。未知の扉を開く感じ♪
いやいや、歌舞伎とか長唄とか、同じ古典芸能でもファン層の感じが全然違いますね。
若い方も多いし、お歳を召された方もいらっしゃるし、男性も女性も・・・。ファン層の厚さに吃驚でした。
演目は以下の四つでした。

大蔵流『靱猿』
京都で大人気の茂山千五郎家の方々の楽しい狂言でした。狂言は「猿に始まって狐で終わる」のだそうです。
茂山家の可愛い御曹司が猿を演じていたが、きっと何十年後には『釣狐』をやるような狂言師に成長するのでしょうね。出演者の皆様全員が親戚縁者の家族に囲まれて、一歩一歩お家の芸を取得して行くのですね。素敵だなと思いました。
さて『靱猿』。歌舞伎舞踊でもおなじみの演目ですね。
いやいや、狂言を観てもらい泣きするとは思いませんでした。
子ザルの頃から育て上げ苦楽を共にした猿に印籠を渡す場面。多くの方がもらい泣きしていましたね。
どんでん返しで、猿と大名が一緒に踊っちゃうのですね。猿引きに身に着けているものを何でもかんでもご褒美にあげちゃう大名。その辺が、歌舞伎舞踊と違うところだったかしら。

和泉流『酢薑』
テレビで活躍する野村万斎氏のお父様である野村万作氏がシテをやられていました。
言葉遊びが面白い狂言でした。約20分の短いお話でした。

素囃子『中の舞』
お囃子のみを堪能。なんか自然に「ツハツハイヨオンツホツホトッタン」とトッタンを刻んでいる。病気だな。『汐汲』や『二人猩々』に出て来る中の舞は、このお能の中の舞から来ている。まあ、本業の人が聞けば「中の舞もどき」かもですが、うんうん手組・・・似ています。
お能の大皮は上げたが違うと聞いていますが、芯のある良い音色だなと思いました。

大蔵流『鬮罪人』
大蔵吉次郎氏をはじめとした大蔵流の層々たるメンバーの狂言でした。
狂言とは面白いですね。
本舞台と橋掛りで二つの芝居が同時に行われている。うわっ!どっちを観たらいいのでしょうという感じになってしまう。だって、どっちも面白いお話が進行しているのですもの。
太郎冠者というのは色々なキャラがありますね。
『靱猿』に出て来る太郎冠者は普通の人。どちらかというとクールな人。『鬮罪人』に出て来る太郎冠者は確信犯的なキャラクターで三枚目に見えるけれど、完全なる三枚目とは違う。『棒縛り』に出て来るような太郎冠者はずるがしこい感じ。『末広がり』に出て来る太郎冠者はおっちょこちょいの完全なる三枚目という印象。
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能楽堂初体験。楽しかったです。
中庭もライトアップされていて綺麗でした。本舞台も写真をと思ったのですが、タイミングを逸してしまいました。