奴さん | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

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「奴さん」と良く言いますが、別称、中間(ちゅうげん)ともいいます。
武家の奉公人で、一番身分が低いのが下男です。武家にお勤めをしていますが、身分は武士ではありません。武士として一番下級なのが足軽。足軽というと戦国時代を思い浮かべますが、江戸時代にもいました。例えば奉行所の同心などは足軽なんた゜そうです。
さて、下男と足軽の中間にいたのが“中間(ちゅうげん)”です。彼らは基本的に武士ではありません。しかし、もし戦争が起きれば、場合によって足軽に昇格して戦場に赴くこともある身分のようです。

さて、奴さんには二通りの人たちがいたようです。
いわゆる常勤の中間と、季節雇いの中間。武家の台所。どこも余裕のあるところはありません。最小限の奉公人で賄って頑張っていました。けれど、参勤交代とか何だかの行事の時は体面ばかりでなく人数が必要となるので、口入屋(今で言う派遣業者)に頼んで奴さんを派遣してもらうのですね。
ある意味、彼らは専門職で中間としてのノウハウが求められる仕事なのだそうです。ノウハウをきちっと取得した中間がいないと、とてもとても参勤交代の大名行列なんてできないのだそうです。
ところで、こんな大事なポジションだというのに、収入は超薄給。常勤の中間で年収二両。当時、一家を十分に養っていくには十両は年間必要だったそうです。十両・・・二両じゃ所帯なんてもてませんね。また、季節雇用の中間は米五合ですって・・・。とても、専門職の給料とは思えませんね。
という事で、中間なんて常識ではなり手がいない仕事なんですね。でも、何だかのメリットがあるからなる人がいるんですね。
メリット・・・
この中間の人たちは、薄給を我慢するかわりに良い待遇で潤っていたのですね。ですから、待遇にちょっとでも不満を持つと辞めちゃって、他所のとらばーゆしちゃうのですね。
ということで、中間を雇う側はかなり中間に対して甘い待遇をしていたらしいです。
例えば博打ですね。江戸時代も賭博は禁止された遊戯です。しかし、中間たちは下屋敷の中間部屋に賭博所なんか開いちゃってお小遣い稼ぎ。まあ、賭け事なので損することも大いにあるんでしょうけれど・・・。胴元ならば損はないですよね。賭博を取り締まっていたのが町奉行所ですが、町奉行所は武家の屋敷には手出しできない。また、雇い主も中間に辞められちゃいけないので賭博所を開いていても見て見ぬ振り。こういったメリットがあるようです。
また、巷で悪さをしても雇われ先の屋敷に入っちゃえば町奉行の手から逃れられますし、武家屋敷に奉公しているという事はかなり大きなメリットだったようです。

まあ、真面目で優しい人もいたでしょうけれど、かなり荒くれのどうしようもない人たちの集まりだったかもですね。
しかし、中間の待遇の悪さ・・・どこかの世界とダブって感じます。