来年の二月に舞台で『老松』の小鼓を演奏します。
という事で、
すっかり忘れているので、現在、掘り起こし作業をしています。
前々から気になっているんですが、
「これは老い木の」に続く歌詞。なんか、どっかで聴いたような・・・。
そうなんですね。日本国国歌の『君が代』の歌詞そのものです。
こり曲は江戸時代後期のものですので、たぶん、君が代よりも早く誕生しているはずです。
じゃあ・・・
君が代がこの老松の歌詞をパクっているのか?
なわけがないですね。
調べてみたら、『君が代』の歌詞は古今和歌集の歌を使っているんですね。
「我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌(いわお)となりて 苔のむすまで」
詠み人知らず・・・すなわち、作者不明という事ですね。
こういうのを調べるのが好きな方って沢山いらっしゃいますよね。ネットで検索すると本当に、いろいろなサイトがヒットします。
題名も作者もわからないとなっていますが、実は古今和歌集をまとめた人は誰が作ったか知っていたはずという人がいました。
「君」=大王・天皇という意味。「我が君」・・・ですものね。普通の人が「君」なんて使いませんものね。
ある人は、大和朝廷以外の人が作った詞。まとめた人たちの利益を考え、わざと「題名も作者もわからない」としたのではないか。という人がいました。
この詞は、“我が君”の長寿を願った祝賀の会で詠まれたものらしい。
という事で、大変、お目出度い詞なのですね。
『老松』は作曲者杵屋六三郎のお母さまの八十歳のお誕生日プレゼントとして作曲されたものだそうですが、長寿を祝うにはピッタリの歌詞ですね。
しかし、
「君が代」について深く考えたことがありません。
歌詞の意味、よく分からないけれど・・・
入学式とか卒業式に唄うもの・・・
そんな感覚。
改めて、めでたい内容なんだなと確認しました。
厳かといえばそういう曲想なんですが、どうも国歌として華々しさがないというか・・・地味というか・・・暗いというか・・・
そんな目出度い内容を唄っているなんて、今日まで知りませんでした。