長唄三味線の譜って、いろいろありますよね。
代表的なのが、研精会の譜。
研譜と呼ばれるものと、青柳譜と呼ばれるものと二種類あるみたいです。
これは縦書きの譜で、洋楽の“ドレミ”が数字になったようなもので、表記は音を表しています。
そして、もう一つ代表的なものは文化譜と呼ばれている横書きの譜です。
四世杵家弥七という人が、洋楽の五線譜をヒントに考案したものだそうです。三つの線が弾いてあり、三味線の三本の糸を示していて、そこに数字が書いてあります。ただ、この数字は音を表記するものではなくて、勘所の位置を示したものです。
以上が代表的な長唄の三味線の譜ですが、その他にも色々と流派によって楽譜があるようです。
さて、私は子供の頃の三味線のお稽古で文化譜を使用していました。
研精会の譜を使用した事もありますが、子供の頃に馴染んだ譜なので、やっぱり文化譜が一番読みやすいです。
今のお稽古場では、譜は何を使っても良いみたいです。
という事で、私は文化譜を使用しています。
譜というものは、そもそもその流儀の教材ですから、他流派で使用する場合はところどころ手を直さなくてはなりません。
長唄って、同じ曲でも流派によって手が違うのですよ。
漫然と聴いていると同じに聞こえちゃったりするけれど、よくよく聴いていると細かな部分がかなり違っていたりします。
という事で、私のように違う流派なのに、杵家派の文化譜を使用したり、研精会の研精会譜を使ったりしている人は多いと思いますけれど、みなさん、お稽古で習った手に譜を修正されているのだと思います。
今やっている『松の翁』は合方などの手が非常に細かいです。
その細かいところに限って手が違ったりするんですよね。
赤ペンを使ったりして譜を修正したら、非常に見づらくなっちゃて。。。
私、ゴチャゴチャしているのを読むの非常に苦手だし、嫌いなのです。
全部、手書きで直せば。。。なんて思いましたが、
私。。。非常に字が汚い。
他人が読めないのはまだしも、自分で書いて自分が読めなかったりしちゃったりしますので、それじゃあ書き直す意味なし。
何か良い案はないかと考えていました。
・・・
そういえば、以前ネットを浮遊していたら、三味線の譜を書くためのフリーソフトがあった事を思い出しました。
という事で検索。すぐに見つかりました。
http://hwbb.gyao.ne.jp/bone-a5r/freesoft.html
さっそくインストール。
楽譜作成の作業を開始しました。いやいや、便利なのですが、けっこう手間。
さすが、長唄というだけに長い。気が遠くなってしまいます。
「塵もつもれば」なんとやら。。。とにかくすこしずつ進めていこうと頑張って三日間。やっと夜なべまでした成果、マイ『松の翁』楽譜ができあがりました。
かなり大変な作業でしたが、けっこう楽しい。
「三味線楽譜、清書承ります」なんちゅう看板だして仕事にしたい感じ。いやいや、既存の譜を書き写して商売するなんてたぶん著作権にふれちゃうだろうなぁ。。。たぶん商売は駄目だろうなぁ。
しかし、やっと出来た楽譜。なんか嬉しい(*^。^*)
楽譜はできたけれど、基本的に三味線は暗譜の世界。
なかなか覚えられない。。。
けっこうお囃子は早く覚えられるのに、なんでかなぁ。。。