毎年、夏真っ盛りに開催される会。例年のお楽しみです。
一般的には、男性は男性。女性は女性でチーム編成を組むのですが、この会は、男性の演奏家さん、女性の演奏家さんと混合のチーム編成で演奏されます。けっこう珍しいかもです。
さて、今回の演目は
『正札附』
曽我ものの長唄ですね。華やかでパワフルな曲を見事カッコよく演奏されていました。
この曲の大皮を担当された方は、私の『鏡獅子』や『蜘蛛の拍子舞』の舞台で大皮を演奏してくださった方です。
彼女の大皮はパワフルで大好きですね♪
昨日も、この暑さを吹っ飛ばしてくれるような気持ちの良い大皮でした。
この曲は、荒事系なのでパワフルが一番なのですね。この長唄の登場人物は、五郎時宗と小林朝比奈の二人です。舞踊の設定によっては朝比奈が和田舞鶴という女性という設定に変わる事もあります。歌詞も非常に艶っぽい感じのところもありまして、ただパワフルで言い訳ではなく、はんなりした艶っぽさも表現として求められると思うのですよね。
また、曽我ものと申しますと、歌舞伎ではかならずお正月の演目として出されるような演目ですから、華やかというのも要素の一つではないでしょうか。
つまり、力強く勇壮で華やかで色気があるという三つが表現のポイントになると私は思っています。
いやいや、みごとに三ポイントクリアされていました。
拍手喝采ですね(*^。^*)
『高砂丹前』
丹前ものの長唄ですね。
この曲は、丹前ものの中でも非常に品の良い曲だと思います。
品が良いけれど、くだけて華やかという曲は難しいと思います。何せ、登場人物に奴さん出てきますからね。豪快じゃなくちゃね。
今日は女性のお囃子さんがタテ小鼓をされていました。彼女は女優さんもされている方でとっても線の細くて綺麗な方なんですね(*^。^*)
そんな彼女が見事に品良く、豪快な雰囲気の小鼓の演奏をされていました。
本当にプロってすごいなぁと思います。
私のように、素質として体力のある人間は努力しなくても豪快さの表現って、けっこう容易いのですが、線の細い女性というのは、なかなか豪快さを出すというのは難しいと思います。
品の良さと豪快さって、けっこう相反するものがありますので難しいと思うのですね。
たぶん、品良く演奏するって難しいと思うのですね。か弱さとも違うし、淋しいも違いますしね。
けっこう、品が良いというのはレベル高い技術(?)だと思います。
そうそう、私はこの曲の太鼓地(踊り地)が大好きです。
以前、太鼓でこの曲をお稽古しましたが、なかなか表現が難しくて苦労した覚えがあります。
今日の演奏を観て、すごっく勉強になりました。
最後は
『静と知盛』
船弁慶のダイジェスト版ですね。
今日の小鼓は、ちょっとキムタクに似ている、今となっては若手を脱して中堅に位置している方。大皮は憧れの女流のお囃子さんでした。彼女が二十代の頃から応援していましたもの。彼女のファン歴はけっこう長いです。彼女は太鼓・小鼓・大皮と様々な楽器をそつなくこなしてしまう天才的な方なのですが、私は彼女の大皮が一番好きです。
『静と知盛』みたいな曲。つまり大曲に分類されるような曲の大皮って、女性には厳しそうという感じですが、なんのそのでしたね。
素晴らしかったです。
演奏後も曲の余韻が残って、頭がボーとしていました。
この会は、毎年暑い真夏に開催されるのですが、暑気払いにうってつけ。暑さを吹き飛ばすようなパワーを頂戴できました。

ランキング参加中♪ご協力宜しく^^