『橡の木』
この曲は、室生犀星氏作詞、山田抄太郎氏作曲。昭和二十七年に発表された長唄だそうです。
とっても綺麗な旋律で、私はけっこう好きな一曲です。
しかし、昭和に入って作られた長唄って、けっこう幻想的で美しいものが多い感じがする。
今日の舞台。お囃子さんが後ろで色々な楽器を演奏。前でやって欲しかったなぁ。いやいや、西洋音楽のオーケストラ風?の並びなのかしら?
『神田祭』
長唄さんも、お囃子も全て女流という華やかな舞台でした。
清元にも『神田祭』があって、私はどっちかというと清元の方が好きかも知れません。
けれど、今日は長唄の『神田祭』もけっこう良いじゃんという印象を持ちました。
お囃子方に、先日のお浚いで大皮を打って下さった方が小鼓でご出演。
そして、亡くなった前の師匠のところでの姉弟子が大皮と桶胴でご出演。
女性のお囃子さんで、この方の太鼓大好きという憧れの方が締め太鼓でご出演。
以前より、迫力あるお囃子をされる事で、私の中で憧れを持っている方が締め太鼓と大太鼓。
同じく、大ファンで憧れている女流のお囃子さんが当り鉦を打たれて、本当にお囃子だけでも、目が忙しい舞台でした。
いやいや、お囃子がとっても素敵でした。
特に心を奪われたのが当り鉦でした。当り鉦ってこんなに素敵な楽器なんだ。踊りの会なんかに行って、当り鉦なんてしょっちゅう耳にしているんですけれど、こんなに素敵と思ったのは・・・初めて。
新しい発見があった良い舞台でした。
『松・竹・梅』
梅津勝一朗氏作詞で中島勝祐氏作曲。昭和四十二年に発表された長唄です。
この曲も初めて聴きました。
三部構成。私的には『松』が一番好き。『竹』も『梅』もとても綺麗でしたけれど。
東音会はこういった新曲も聴けるので楽しいです。
『綱館』
天皇陛下ご夫妻が鑑賞された長唄です。
私が子どもの頃から大好きな演奏家さんが小鼓を打たれました。
素晴らしいの一言です。
芸に深みがあって、私にとっては神様のような方です。
人間は死ぬまで成長し続けるものと、看護学校で習いましたが、この演奏者の芸はまさに成長し続けていると言う感じで、何時までも何時までも私たち観客を感動させ、心に残る舞台をプレゼントしてくださいます。
そうそう、良く演奏会で見るお囃子さん。
なんか、顔や芸はその方なのに何かが違うと思ったら、髪の毛が黒くなっていました。
ずっと前から、ごま塩のヘアで渋かったのですが、吃驚です。
もしかして、天覧だから・・・。
長唄交響曲『鶴亀』
長唄『鶴亀』にオーケストラでコラポしたものです。
山田耕作氏(『赤とんぼ』や『この道』などを作曲した人)が作曲したオーケストラハーモニー。
『鶴亀』は良く知っている曲なのですが、ぜんぜん雰囲気が変わって素敵でした。
ただ、ちょっと私の中では不評。
バランスが今ひとつ。
楽器の性質上、どうしてもオーケストラの音楽の方が勝ってしまいます。
例えば、オーケストラのハーモニーに漣の如く三味線音楽が奏でているというバランスならば綺麗かなと思いましたが。
オーケストラが奏でる『鶴亀』のハーモニーはとても綺麗でした。いい音楽だなぁと思いました。
また、東音会の会員全員が出演の『鶴亀』は迫力もあり素敵でした。
ただ、良いものが二つ調和して必ずしも感動二倍ではないのですね。
なんか、オーケストラはオーケストラで聴くと本当に感動したと思いますし、長唄は長唄で鑑賞すれば本当に「ブラボー♪」と感動だったと思いますが・・・。
うーん、、、何か感動度がマイナスになっちゃった感じがします。
劇場のせいなのかしら?
聴いている場所が悪かったのかもしれません。
何せ、下手の一番隅で観ていたからなぁ。。。