前進座の地元で育った私ですが、前進座のお芝居は数える程度しか観ていません。ましてや前進座の歌舞伎は一度も拝見した事がありません。

さて、初代瀬川菊之丞という人は江戸時代中期に活躍した上方出身の女形です。
この人は、歌舞伎の演目に能の「石橋」や「道成寺」を題材としたものを取り入れた役者さんです。
『相生獅子』とか『枕獅子』、『傾城道成寺』などを今に残しています。
さて、同時期に初代中村富十郎という人がいました。彼の方がちょっと年下です。
彼は、初代芳澤あやめの子ども。兄は二代目芳澤あやめ。弟が三代目の芳澤あやめです。
菊之丞が獅子ものを踊れば、
「私も♪」と『英執着獅子』を発表。
菊之丞が道成寺ものを踊れば
「私も♪」と『京鹿の子娘道成寺』を発表。
きっと、ライバルというか、
年齢差もありますから、富十郎は菊之丞にとって小生意気な後輩という感じだったんじゃないですかね。
たぶん、富十郎は
菊之丞に憧れ、彼が目標の役者だったんだろうな。でも、気が強いから「目標を超える」という気持ちを持っていたんじゃないかな。
まあ、二人がどのような関係か今となっては分かりませんが、
どちらかというと、富十郎が残した作品の方が現代受けしていて、
『執着獅子』も『京鹿の子娘道成寺』もヒットナンバーです。
さて、『京鹿子娘道成寺』といえば、引き抜きとか早代わり。まるでファッションショーのように綺麗な着物を何回も変えて、観客の目を楽しませてくれます。
西洋の演劇などにも早代わりという手法はあるようですが、引き抜きのように舞台上であっという間に違う衣裳に変身というのは、日本独特の手法のようです。
日本の演劇の早代わり技術って凄いと私は思います。
お染の七役じゃないですが、一つのお芝居で一人で七役を演じきっちゃうのですもの凄いです。

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