第244回東音会 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

今日から六月。とっくに暦の上では夏なのだか、六月に入らないと夏という感じがしない。
本日から衣更え・・・なのだが、このところ暑かったので先月と変わらない恰好をしている。

さて、本日は新宿御苑にある通称「御苑劇場」(正式には四谷区民ホール)で東音会が開催された。
師匠がご出演かと思ったのですが、本日はご出演でなかった。残念・・・。
『舌出し三番叟』
『五条橋』
『花の友』
『角兵衛』
『瓢箪鯰』
『石橋』
けっこう番数が多くてお腹いっぱいの演奏会でした。

『舌出し三番叟』は何気に重かったな。明るくて元気でとっても穏やか。日本昔話のような雰囲気なんだけれど、でも下品じゃなく・・・。そんな勝手なイメージをこの曲に持っている。それが基準で「どうの」と評するわけですが、今日のは何か分からないけれど堅苦しいというか、重いと言うかそんな感じだった。
でも、タテ三味線の方。我が世界に入りながらの演奏で気持ちよさそうでした。が、「トモシラ」のあとの「チン」という音がイメージと外れちゃったのかな?!一瞬、世界が途切れていた。ちょっと残念。
あと、「藤内次郎」さんの前の合方。もうちょっと透明感欲しかったな。
まあ、私の好みですから。好みが云々なければ、安定した良い演奏でした。
『舌出し三番叟』大好きな一曲の一つです。

『五条橋』。二挺二枚だったためか、お囃子なしで私的にはつまらなかった。まあ、大薩摩ものだから、長唄愛好家の観客の方々はお囃子がなくても面白いのでしょうね。
青い毛氈は本当に顔色を悪く見せますね。
タテ三味線の方と唄のお二人は色白の方なので・・・本当に幕が開いて、ホーンデッドマンションさながら。ちょいと怖かった。

『花の友』。美しく綺麗にまとまっていました。良い曲ですね。

『角兵衛』。人間国宝の方のお唄でした。ダイエットをされてから高音も何のそのという感じ。ご高齢なのに凄いですね。小股が切れ上がった粋な雰囲気の唄に聞きほれました。四挺四枚。唄の四番目に座られていた方は、本来はこの位置に座られる方ではないのに吃驚でした。少し御痩せになった感じもしますし、声に力がなかった。御病気をされていらしたのでしょうか。
『角兵衛』の太鼓をお稽古した時に、
この曲はプレーヤーによって色々で「これが正解とかない」という曲と教わりました。「教えにくい曲」その一だそうです。
確かに、本日の演奏を拝聴していてもベースは一緒なんですが違っていました。
自分が習った「手」をベースとして、色々な演奏を聴いて「違い」を聞き分けるのも、面白い鑑賞法かも知れません。

『瓢箪鯰』。二挺二枚の演奏。大好きな三味線弾きの方がワキ三味線を務められていました。いつもながら淡々と・・・素敵だ♪

『石橋』。連獅子などと違ってこの曲は渋いですね。大ベテランの演奏でとても味わいがありました。
今日は演奏中に私語をするお客様がいなくていい感じと思っていたのですが・・・。
幕が開いて、しばらく続く名乗り笛。その間にペラペラと喋る二人の奥様。本当に演奏されている方々に失礼じゃない(怒)


そうそう、大薩摩等でタテ三味線以外は三味線を置いて、自分の弾く順番が来たら三味線を取るという所作を時々見る。今日、ある演奏家さんがゴリラみたいに三味線を取ったので笑えました。
きっと、いかにカッコよく威厳あるが如く三味線を取れるか研究したと思うのですが・・・あれ、良くないです。いただません。「さりげなく」の方が絶対によいと思います。