九尾の狐 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

『那須野』は九尾の狐の話だ。
残虐で人を惑わし、国を滅ぼす悪い妖怪。
九尾の狐は日本だけじゃない。中国、インドと暴れていた。

って言うけれど、
「九尾の狐」=悪い妖怪というのは
『封神演義』以来の事らしい。それまでは吉兆をもたらす幸運の狐だったらしい。
さてさて、『封神演義』において、悪役となっている妲己(九尾の狐)だけれど、でもよくよく読むと妲己は本当に悪い奴とは言い切れない。
商の名君である紂王が女媧廟に訪れ女媧に目通りを願った。ところが女媧は留守だった。
紂王は、
「女媧は人間界のどの人間より美しい、この女媧が私のものであったらいいのに」という歌を残し去っていく。
さてさて、女媧というのは人間の創造主である最高権力の地位にいる神である。神と人間では格が違う。それなのに(怒)
紂王のこの非礼に女媧は怒り狂った。で九尾の狐(千年九尾狐狸精)に紂王を惑わし、殷周革命を実現させるように命じ人間界に送り出した。
九尾の狐をはじめとした動物の精霊たちは仙界に住む事に憧れを持っている。天界もけっこう身分制度がある世界。人間は修行を積めば仙人になる。しかし、動物たちは修行しても仙界に住む事のできない身分なんですね。
が、女媧は九尾の狐に「ことが上手く行ったら、妖怪から仙界の住人としましょう」とか美味しい条件で彼女を人間界に放ったんだよね。そりゃ頑張ると思うけれど。

女媧が妲己を放った訳は。。。
人間には生まれ持った天命があって、命の炎が消える日が決まっている。どのようにその日を迎えるかはその人次第。女媧は名君であった紂王を堕落させ人々に恨まれとにかく苦しんでその天命を全うさせる罰を下したのだ。
名君を悪い殿様に変身させる道具に妲己を選んだわけです。頼まれただけなのだから、けっして極悪な悪狐ではないと思うのだが・・・。
まあ、ボスの命令を全うするために極悪非道な所業をする見返りに、天界の争いごとに巻き込まれ、人間界の争いごとに巻き込まれ、散々の最期(太公望に退治される)を迎える。女媧はばっちり妲己の運命も把握していて利用したという感じ。

インドの華陽夫人→妲己→玉藻前というのが私の認識だけれど、ある人は妲己→華陽夫人→中国の傾城の美女→玉藻前と言っている人がいた。
時代の前後がよく分からない。遣唐使の吉備真備が中国から美しい幼子を連れ帰った。それがいつしか玉藻前になったらしい。吉備真備・・・超古いのですが・・・玉藻前は平安時代後期の人でしょ?!
まあ妖怪だから・・・


さてさて、那須野という曲。
最初は超お祭りのように浮かれているのですが・・・。とても妖怪ものに感じないな。
楽しそうな曲だけれど・・・難しそうだなぁ。