和製リア王 | fuyusunのfree time

fuyusunのfree time

長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

縁あって、鳳扇会という藤間流の舞踊会に行ってきた。
2010-04-16 22;30;39
三部制で、一部は藤間貴雅氏のリサイタル。第二部と第三部はお浚い会という感じでした。
リサイタルは『八面冠者』。
リア王というと、子どもの頃に旧ソ連の映画でグリゴーリー・コージンツェフ監督の映画を観た記憶がある。
荒れた背景。真っ暗なストーリーという印象がとっても強いです。
そのリア王を題材に作った和製ミュージカル??!
まあ、このお話では八面冠者と名づけられているが、位置的には太郎冠者と同等。
太郎冠者は和製クラウンですよね。しかし、太郎冠者が太陽なら、クラウンつまり道化師は月。そんなイメージがあります。
太郎冠者のお話が風刺であったり、皮肉だったり・・・。しかし、それはお話しの結果としてそうであって、太郎冠者という存在はとっても純粋。でもね、道化師の場合は彼自身が皮肉だったり風刺であったりする。ですから、彼らから悲しみとか憎しみとか、冷たさを感ずる事がある。
いやいや、前後二部作。前半ではあまり感じましたが、後編はまさにクラウンでした。八面冠者から冷たさを感じた。
題材がシェークスピアなのだから。。。いやいや、太郎冠者に冷たさは似合わないなぁ。
と思いつつ、新鮮でよかった。

しかし、『リア王』のお話し。
今も昔も同じだ。そして、イギリスも日本も同じだ。
例え肉親どうしでも、金銭が絡むと油断はできないという事だ。
親だから愛して当然。
親だから老後を看て当然。
当然のようで当然の事ではない。自然の流れの何者でもない。
親の老後を看ることを条件に子ども夫婦と同居する。
しかし、老後、役に立たなくなれば老人ホームや老人病院に・・・。
そして、見舞いも来ることなく、看取る事もなく、ご遺体を引き取りに来るだけ。
こういった親子関係・・・
「酷いわね・・・」なんですけれど、けっこうあるお話しです。
結局、その子が生まれて以降の成長に培った親子関係に掛かっているだと思いますよ。
今日もリア王を見ながら、
○○さんのお宅事情と似ているなぁとか思ってみていました。


さて、後半のお浚い会も楽しかったです。
久々の舞踊会。堪能しました。良い休日でした。