1986年にシカゴで開催された学会で
伝統的な来談者中心派と
フォーカシング派と
他の流派との統合派との間で
議論がなされました。
そのとき
カール・ロジャーズは
「私は来談者中心的なやり方を見出したかったのではない。
人々を援助するやり方を見出したかったのだ。」
と言い
ユージン・ジェンドリンは
「いずれのやり方も必要」
と言ったそうです。
ロジャーズもジェンドリンも
こんな議論は馬鹿げている
と感じていたと言います。
さらに
ロジャーズもジェンドリンも
「私の真似をしないでください」
と言っています。
それは
自分以外の誰かが
人を援助する上で有効だから
行っていたやり方ではなく
自分が人を援助する上で
有効なやり方をせよということなんです。
そうそう、そうなんです!
わたしたちは
先人の構築してきた手法を学んで
実際に使っています。
そして
どの手法を使うかは
今目の前にいる人を援助するために
今自分ができることは何か
で選んでいくもの。
今の自分が使えるものの中で
今のこの人に有効なもの
ということが大切なのです。
自分が使えるということに
着目してみると
学びの広さや深さだけでなく
自分が持っている特性によって
使いこなせるかどうかは違ってきます。
ですから
対人援助職としての
独自のスタイル(やり方)が
自然に出来上がっていくんです。
それは、あくまでも
自分のスタイルに過ぎないのです。
このスタイルが
今の自分にできる精一杯の援助
ただ、それだけなんですよね。
〖カウンセリングルーム風舎〗