キリム展 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

週末に大磯の鴫立庵で開催されていたキリム展を見に行ってきました。

 

 

 

 

鴫立庵の入り口にあるシンボルツリーの支えが付けられた太いでは 去年 強風で太い枝が折れてしまい まだそのままの姿で残されていましたが 

 

 

50年前 落雷の被害で幹が裂け 今回太い枝も折れたので このまま朽ちていくのかと思っていたけれど 

 

 

 

満身創痍の姿で この春も青々とした新芽を茂らせました。

自然の底力を見せつけられたようにも思えました。

私も60代の半ばになり あちっこちガタは来ているけれど まだまだ頑張れるかもね。

 

 

 

5月の半ばまで 町中で多くのイベントが開催されていたためか この日は 土曜日というのに  鴫立庵の周辺は 人出も少なく 静かな時間が流れていました。

こんなゆったり流れる時間の中で 遊牧民の手仕事に触れられたのはラッキーだったかも・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回 展示をされているのは 会社員時代から アンティークキリムを集められているコレクターの 酒井忠宣さん。

10年近く前だったか 鴫立庵の隣のギャラリーぶたのしっぽで作品展をしていた時に 大磯に展示会場を捜しに来られ ぶたのしっぽに立ち寄ってくださったのがきっかけで 何度か展示を見させていただくようになりました。

ここ数年は 年に1度鴫立庵で展示をされています。

 

 

展示されているキリムは 100年以上前のアンティークキリムが中心です。

 

 

 

 

 

キリムは 遊牧民が羊の毛を草木染で染めて織った織物で 生活のあらゆる場面で使う日用品ですが デザインや模様の1つ1つに意味もあり 織り上げるまでには膨大な時間がかかる貴重な物。

最近 大磯辺りでも ペルシャ絨毯のお店が出来たり ギャベの展示が開催されたりしていますが ほとんど知識がありません。

今更なんですが 今回 思わず口をついて出た質問は 「キリムとギャベの違いは何ですか?」

と 何度か展示にお邪魔しながら あまりにも勉強不足で失礼なものでした。

丁度 数点のギャベも展示されており 実物を見ながら教えていただきました。

キリムもギャベも 遊牧民が作る物ですが ざっくりわかりやすく言えば キリムは中近東の遊牧民の伝統的な平織り(つづれ織り)のもの

ギャベは 土台に糸を結び付けて行き 仕上がった時に表面を切りそろえる毛足の長いもの。

 

 

今回 会場内に展示されていたギャベは クッションサイズでカラフルな色の物

 

 

 

キリムは 遊牧民が生活のあらゆるシーンで使うものですが 使う目的で 大きさやデザインが異なります。

折り込まれている模様も 身近なものをデザイン化した面白いものがいっぱい。

 

 

 

こちらは 毎日5回行われるイスラム教の礼拝の時に使われる一人用のキリム。

ヤギの角の方向をモスクに向けて座り 部分に手を ヤギの津の部分に額をついてお祈りをするそうです。

 

 

 

こちらも モスク柄をモスクに向けてお祈りします。

 

 

 

 

こちらはテントの入り口に ドア代わりに下げるキリム

 

 

 

こちらのシンプルなデザインのものは テントの中に敷き 食事の時などにテーブル代わりに使うキリム

時に煮炊きした食材を包んで 保温するためにも使うそうです。

 

 

 

キリムは 遊牧民が生活道具として使うので 移動の際に大きな木材の家具等は持ち運べないため テーブルやドアの代わりに 折りたたんで運べるものを作って使う様になったとのお話も伺いました。

 

 

こちらは岩塩を入れる袋。

上部の口部分が細いのは 動物が袋に頭を突っ込んで塩を舐めないよう 取り出し口を細く作っているんだそうです。

 

 

 

キリムは 作られた年代に寄り ニューキリム オールドキリム アンティークキリムに分けられます。

ニューキリムは 化学染料を使い 近年織られたもので 難民として非難した人たちが 仕事として作られていたり 商業ベース用に作られている物も多いそうです。

オールドキリムは 生活必需品として50年以内に作られたもので 天然染料の他 普及し始めた化学染料も使われています。

アンティークキリムは 織られてから100年以上が経過したキリムで デザインや文様のオリジナリティ織りの技術の高さ保存状態によって価値が変わります。

かつては 平均寿命も短かったため 代々受け継がれて使われてきたオールドキリムなので 使い込まれたものも多いですが 状態が良いアンティークキリムは 予備として作られたものが市場に出ている物だとも教えていただきました。

 

今回の展示でも 貴重なアンティークキリムが並び 一つ一つのデザインを見て行くと興味深いものが多く 遊牧民の日常の暮らしが見えてくるようでした。

酒井さんは こよなくキリムを愛するコレクターさんなので 丁寧にキリムの事を教えてくださいます。

 

 

今回のキリム展は終了しましたが 鴫立庵では 年に1度は酒井さんのキリム展が開催され 月に1度は 様々な会場でキリム展を開催されています。

 

直近では 6月と7月に都内でキリム展があるので お近くの方や興味のある方は 是非足を運んでみてください。

 

 

 

 

 

 

また 酒井さんのFBからも情報はいただけるので こちらもご覧くださいね。