奈良旅 その14 奈良町資料館の木の看板 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

奈良町資料館の古道具には 江戸時代から明治時代に使われていた木製の絵看板も展示されていました。

 

 

 

以前 伊豆下田に行った時 土藤(つちとう)商店の店内に たくさんの看板が展示されているのを見ましたが このジャンルも私のツボラブラブビックリマーク

 

 

 

奈良資料館の絵看板も魅力いっぱいです。

丸い木に《小》の字が書かれた看板は 何のお店・・・?

 

 

 

大きな鉈(なた)の形をかたどったのは 職人道具を扱うお店。

字が読めなくても 一目見れば 何のお店かわかる看板ですね。

 

 

 

たくさん並んだ看板は 薬の看板が中心に並びます。

 

 

 

 

明治時代の 赤い三つ巴が描かれた打ち出の小槌の看板は《如勝堂薬房》《改良製剤 鎮痛液》

 

 

 

舶来品を珍重した明治時代は 看板にもその特徴が現れます。

《松尾健康堂》の看板は シルクハットをかぶった外国の紳士が 腹痛に悩む人の所へ 黄金の馬に乗って駆け付けるという頼もしいもの。

松尾健康堂は 1811年 西洋の新薬を使い 日本初の洋風の名前を付けた売藥を製造していた大阪の製薬会社だそうですよ。

 

 

 

カタカナの名前が付いた薬《ウルユス》は 《空(から)》と言う文字を分解しすると《ウ》《ル》《ユ》《ス》となる事から 《おなかを空にする》という意味合いで 《便秘薬》を直接的な言葉を使わず表現した粋なもの。 

原材料は ギリシャが原産国の大黄だそうです。

 

 

《熊膽木香丸》と書かれた金棒を持った鬼は 腹痛退治ビックリマーク

 

 

 

熊膽木香丸》の中の《膽》の文字は《肝》の旧字体。

去年 富山の藥のタペストリーを作った時に 胃痛腹痛良薬の《熊膽圓》のパッケージも作りましたが これと同じような薬でしょうね。

 

    

 

 

ちなみに《熊膽圓》の中身は こんな不味そう苦そうな薬ですガーン

 

 

 

 

赤い金魚の看板は 《本舗神戸長谷川誠真堂》《小児解熱専門剤 神丸》

 

 

 

ちなみにこの看板と同じものが2年前に福沢さん2枚でヤフオクに出品されていました。

 

 

 

龍が彫られた兜の看板は 何の看板かしら・・・?

 

 

 

食品の看板もありました。

壺型の土台に《赤白味噌》

 

 

 

こちらの壺は 飴屋さん《孝々糖屋》かな・・・

きっと甘~~い水あめでしょうね。

 

 

 

《薄茶》と書かれた壺は 江戸時代の茶舗の看板

かつて日本の茶葉は 木蓋が付いた陶器の壺に入れて封をし 手すきの薄くて丈夫な不透明の紙をかぶせ 麻や絹の紐で首の部分を結んで保存しました。

赤い紐の両脇に描かれている文字から 宇治茶だと解りますね。

 

 

 

こちらの壺もお茶屋さんの看板。

 

 

 

分銅型の看板は 両替商。

 

 

 

お店や商品の名前が書かれていなくても 一目見てわかる実物看板もあります。

 

櫛屋さん

 

 

 

こちらは 明治時代~大正時代に使われていた 算盤屋さんの看板

 

 

 

奈良筆の看板

全国の筆造りは 広島県熊野町が80% 愛知県豊橋市が10% 奈良市が5%。

奈良は全国3位です。

 

 

 

 

 

そしてこちらは時計の修理。

 

 

 

子供の頃は 実家の近くや平塚市内に何軒も時計屋さんがあって 目に丸い拡大鏡を付けた時計屋さんがピンセットを持って時計の修理をしている姿を見ましたが 今ではほとんどが閉店しました。

時計屋さんに限らず 職人さんたちの技術を受け継がれずに 数が減ってしまうのはとても残念なことですね。

 

 

小さな奈良町にある小さな資料館 好きな物 貴重なものがいっぱいっで とても楽しく勉強させていただきました。