ヤフオクでのお雛様探し 2月の中頃から たくさんのお雛様を目にしました。
今年は 状態の良い 江戸末期や明治時代のお雛様が数多く出品され コレクションに仲間入りさせたいとチャレンジしたものの
結果は全て撃沈。
我が家に今年やって来たのは 小さな小さな吉野雛。
桜の名所 奈良県吉野山周辺で作られる郷土雛です
実は吉野雛と言われるものには2種類あって 5年前から我が家にいるのは 束帯(そくたい)()した男女1対の木彫り雛。
束帯とは・・・《昼(ひの)装束》と呼ばれる 平安以降の天皇や公家の正装
そして もう一つ吉野雛と呼ばれるのは 吉野町産の桜の木を使った木彫の立ち雛で、桜の名所吉野ならではの素朴なお雛様です。
いつかこのお雛様も我が家に仲間入りしていただこうと思い続け 漸くひな祭りの日にやってきてくれました。
ひと回り大きい左のぽっちゃりさんが 女雛のようですね。
アップで撮ると 大きく見えますが 身長2cm 人差し指の第一関節くらいの小さなお雛様です。
後ろを見ると 桜の枝で作られたことがよくわかります。
彫刻刀で切り出すのは 鉛筆を削るように切り取った頭と顔の部分だけ。
共箱には 《吉野山 御神占》の箱書き
《御神占》って何・・・
初めて聞く言葉なので 調べてみました。
神占とは・・・神に祈って 神意を伺い 吉凶を占う事。
亀卜(きぼく)(1)や 年占(としうらない)(2) 御籤(みくじ)などがある
1 亀卜とは・・・古代日本では 太占(ふとまに)と呼ばれ 鹿の肩骨を焼いて占ったが 中国から
亀甲が輸入されるようになると 朝廷はこの方法を採用。
占いをつかさどる神祗(じんぎ)と20人の卜部により 亀の甲羅に線を描いて焼き
現れる縦横の文様で吉凶を占う
2 年占とは・・・綱引き・歩射(ぶしゃ)(歩きながら弓を射る)・石打ち・競馬・競舟(せりふね)・
棒倒し・相撲・粥占・炭占・豆占で その年のよしあしや 農・漁の豊凶・天候など
を占う。
粥占・炭占・豆占は 粥の中に竹筒やわらしべを入れ その筒部分に入ったり
付着した米粒や豆の数や形状で 豊凶を占った。
神占は古代日本の神聖な行事の一つだったんですね。
各地方で様々な方法があったようですが 神奈川県三浦市の間口洞穴からも5世紀の亀卜の遺跡が出てきたそうです。
三浦は近いので 市内の博物館辺りに展示されていないかな・・・
話が広がってしまいましたが 神占としての吉野雛は 占いに使ったというより おみくじの意味合いがあるのかもしれませんね。
吉野雛は 束帯型の物も 桜の一刀彫りの物も 現在も 吉野町にある 太田桜花堂(リンクあり)で現在も製造販売されています。
来年のお雛様シーズンまで またコツコツとお雛様探しをしていきますね