開成町の瀬戸屋敷で開催されていひなまつりでは つるし飾りの他に 開成町に残っていたたくさんの段飾りのお雛様が展示されています。
土間から上がった板の間に展示された三棟式の御殿雛。
この御殿は 雛の会で展示したものと同じ形のものですね。
中の間に飾られている段飾りの下段には 一棟仕立ての御殿飾りが5つ。
ボケボケ写真がほとんどで アップできたのは こちらの一棟だけですが このきらびやかさは 昭和30年前後のものだと思います。
かつて 瀬戸屋敷が接客に使っていた床の間に並ぶのは 江戸時代から伝わる雛飾り。
3組のお雛様や道具類がが飾られています。
中央のお雛様に合わせて誂えられたお道具は 大きくて立派なものです。
孔雀が描かれた朱塗りのお重箱
磁器のお茶道具
お篭や長持ち
三面揃えの双六盤(すごろくばん)
碁盤の碁石や将棋盤の駒も揃っています。
盤は 縦横とも20cmくらいの大きなものです。
こちらは 室町時代に生まれた《指樽(さしだる)》と呼ばれる 指物技術を用いて作られた箱型の酒樽です。
書見台に添えられている和綴じ本には 伊勢物語が書かれているそうですが
達筆すぎて私には読めない・・・
これらの調度品は 小田原藩主 大久保家にお輿入れがあった際に持ち込まれたもので 上がり藤の中に 《大》の字が書かれた大久保家の家紋 《大久保藤》(下記の画像の右側)が刻まれています。
もう一つ 《丸に酢漿草(かたばみ)》(左)の紋が刻まれています。
調べてみてもわからなかったのですが これは お輿入れされた方の実家の家紋でしょうか。
酢漿草は 葉を財布に入れておくと いくら使っても お金が減らないという迷信から 《黄金草》と呼ばれたり 一度根付くと根絶できないことから 《家が絶えない》として 家紋に用いられるようになったと言われています。
こちらの貝合わせに添えられている家紋は 《抱き茗荷(だきみょうが)》(左)と《葵巴(あおいどもえ)》なので 別の家のものかもしれませんね。
小さな文机と本箱は この大きなお雛様のお道具ではなさそうです。
北側の部屋 女部屋や お寝間に展示されているのは 開成町内で見つかったという 享保雛と お雛様に添えて飾られるお人形が展示されています。
米蔵に続く 渡り廊下には 可愛い木目込みのお雛様
大きなつるし飾りと一緒に 市松人形や這い子人形も・・・
米蔵の2階にも 段飾りとつるし雛。
雪洞の代わりに 灯篭型の灯りが飾られているのは 初めて見るものでした。
瀬戸屋敷は 名主さんの御屋敷。
大名家などが飾る緻密で繊細なお雛道具とは異なりますが 豪農の御屋敷のお雛様にふさわしい 見かけは質素ながら 贅を凝らしたお雛様ですよ。