夏至が過ぎると 毎年 平塚駅
の周辺は 七夕祭り
の準備が始まります。(画像は 一昨年の様子です)
長野県松本では 月遅れの8月7日に 七夕人形を飾って 七夕の行事を行ないます。
七夕人形は 初めての子供が産まれた時に 健やかな成長を願い 親戚などから贈られる人形で 江戸時代の中期頃より行われるようになった風習です。
七夕人形には
人型形式
紙雛形式
着物かけ形式
流し雛形式
の4種類がありますが 去年 着物かけ形式の人形を 我が家にお迎えました。
着物かけ形式の人形は 頭部・胴体が木の板で作られ 肩の部分に収納式のえもんかけ(若い方 ハンガーの事ですよ~~
)のようなものが付いています。
これに子供の着物を着せ 虫干し
を兼ね 軒先
に吊るし 着物
に移った穢れ(けがれ)を落とします。
昔は 親兄弟の分まで 20組も飾る家があったそうです。
毎年 のんびり温泉に入りに行く 伊豆片瀬のお雛様
の宿«ひいな» の玄関には 紙雛形式の七夕人形がお出迎えしてくれます。
私もこれ欲しいな・・・と思っていましたが 昨日やっと我が家にやってきてくれました。
普段 自分で作るお雛様も 集めているお雛様
も 10㎝に満たない小さいものが多い中 この紙雛
は まるで巨人
のような 身長80㎝
楽しみにしていましたが、包みを開けて がっかり・・・。
お顔は羽二重で作られ 綺麗なのですが・・・・
衣装がね・・・・・・
。
上半身の着物は ド派手な包装紙、袖口や袴
は 小学校
の工作
でよく使った テカテカのつや紙・・・
。
あ~~~~ ショック
このままだったら 見るのも嫌で しまい込んだまま 2度と出さないかも・・・・。
う~~~ん 地蔵展の準備もあるし 時間はないんだけどな~~~
え~~~い やっちゃえ~~~~
・・・と 大改修の衣替えを決行
まずは お顔は 外して再利用。
着物の土台は 和紙を使います。
でも 身長が80㎝もある人形に着せる着物を作れるだけの 大きな和紙は無い
そこで登場したのが これ。
去年 ぶたのしっぽで行われた «ものつくり達のガレージセール»に 織りの作家さんが 紙糸を作るために 骨董屋さんからまとめ買いしていた明治28年の«當座帳(当座帳)»。
確か 1冊¥500という破格値でした
。
この和紙を広げて 貼り繋いで 着物の土台を作ります。
そして 昔 鎌倉や飛騨高山の和紙屋さんで買っておいた 千代紙を貼り 袖口には 無地の和紙を貼りました。
男雛の 笏は そのままはがして再利用 包装紙で作ってあった女雛の扇は 大ぶりのお雛様用の扇
に交換しました。
さて 問題は テカテカで真っ赤な袴・・・
。
元の持ち主が 折りたたんでしまっていたようで 袴の真ん中には しっかり折り目が付き 中央の紐状の飾りも 包装紙で作られています
手持ちの赤い無地の和紙は 残りわずか・・・。
そこで 再び 当座帳の和紙に登場してもらい 貼りあわせて土台を作り 赤い色には 着物の裏に使う木綿を利用。
この木綿も 未使用の反物を 格安で買って ストックしていたものです。
当座帳の和紙で作った土台に 接着シートで 布を貼り付けて 裏打ちします。
袴の形に折り畳み 紐飾りは 着物を作った時に使った 千代紙の残りを使いました。
中央の花型の飾りも 潰れてしまっていたので
和紙で作り直し 中央に古布で作った花を付けました。
袖口のフリンジは 元の人形に付いていた 紙テープの色が抜け落ち シックな色になっていたので 再利用。
3時間かかり 何とか シックな装いに 衣替えでがきました。
衣替え前
衣替え後
随分イメージが変わって シックな七夕人形になりました。
そういえば 子供が小さい頃は 毎年七夕飾りを作っていましたが もう20年近く 飾っていないな~~~。
七夕直前に我が家にやってきた紙雛は きっと何かの意味があってのこと・・・。
着物かけ人形と並べて 今年は窓辺に飾ってみようかな・・・・。
50年以上生きてきて すっかり身に着いた穢れを落とし 叶うはずがないと 何十年も前に 心の奥底に押し込めてしまった願い
も もしかしたら叶うかもしれないね
・・・。