実りの秋……を過ぎて新春を迎えた庭に、まだまだ実りの風情を楽しませてくれる木々があります。
冬の庭もまた楽しいですね。
< イチゴノキ >
・分類:ツツジ科 イチゴノキ属
・学名:Arbutus unedo
・分布:地中海~欧州西部~アイルランド
・特性:樹高≦約3m。石灰質のアルカリ性土壌を好む。
・開花期:晩秋~初冬
実 花
春~夏に房状のつぼみを付け、晩秋頃からスズランのような白花を咲かせ始め、初冬頃には結実し始め、翌年の晩秋~冬に赤く熟す。
従って、冬場には前年結実の赤い実と、今年咲き結実し始めた若い花と実との共存が当たり前の樹姿…
でも、1年前と今年の開花~結実現象が同時に確認できるって植物界では珍しい…ですよねぇ。
実は、表面がザラザラで、赤く結実した実の形状がイチゴそっくり…
熟した実は食用可だけど、食べてもザラついた果皮で食感が悪く、甘みも微か…
とある外国ではこれをジャムとかの食用にしているようです。
不味くてもヒヨドリには好物らしく、頻繁に訪れます。
ところが今冬はほとんど姿を見せません……
今冬は、野鳥の世界では鳥インフルエンザが大流行とか…
琵琶湖畔で何種類ものミズドリの死骸が幾羽も打ち上げられています。
我が家の庭のお客サンの世界でも鳥インフルエンザの洗礼を受けているのでしょうか…
< センリョウ > (千両)
・分類:センリョウ科 センリョウ属
・学名:Sarcandra glabra
・分布:日本、東~東南アジア
・開花期:7~9月 果熟期:12~2月
地植えです。
正月用の生花材料に使っています。 残念ながら、黄実種は昨年の異常気象で枯死しました。
< マンリョウ > (万両)
・分類:サクラソウ科 ヤブコウジ属
・学名:Ardisia crenata
・分布:日本、東~東南アジア、インド
・特性:樹高≦1m。 開花期:7月。 鑑賞期:11~1月。
赤実種、白実種、葉が赤紫色の変異種を地植えしていて、正月用の生花材料にも使っています。
一年で10cmも伸びないマンリョウ… 以前に数本ほど高さが1mを超えていたのですが、寿命が尽きたのか、1本、また1本…と枯れ、その子孫が庭のあちらこちらで勝手に生き延びています。
実は野鳥の好物で、野鳥が撒き散らした種からの自然生え株が庭のあちらこちらで好き勝手に生えています。
< ナンテン >
・分類:メギ科 ナンテン属 (1属1種)
・学名:Nandina domestica
・分布:日本、中国、東南アジア
・特性:樹高は1~3m。
赤実種、白実種を地植えしています。
「難を転ず」の意で、厄除けを願って鬼門によく植えられますが、我家でも、敷地の表鬼門に赤実ナンテンを、裏鬼門に白実ナンテンを地植えしています。庭のアチコチから地生え種が伸びてきます。
ナンテンの実はヒヨドリの大好物… だけど今冬は飛来が少なく、今でも赤い実が沢山付いています。
< チェッカーベリー >
・分類:ツツジ科 シラタマノキ属
・学名:Gaultheria procumbens
・分布:北米 東北部
・特性:樹高≦20cm。 樹高に比してマンリョウやナンテンよりも実がずっと大きい。
鉢植えがひと株。 もう少し樹高に高さが欲しいけれど、低さが特徴なので仕方なし…
< 富有柿 >
・分類:カキノキ科 カキノキ属
・学名:Diospyros kaki
・分布:東アジア
国内では、最も普及している甘柿らしい。
日本の甘柿、今では海外でも「Kaki」で通用するようですね。
古来より、「柿が赤くなれば、医者は青くなる」と言われるほど柿は栄養価が高く、ビタミンC(ミカンの約2倍)、タンニン、ビタミンK、B1、B2、カロチン等が豊富に含まれ、柿を食べれば風邪を引かないとも言われる。
岐阜県瑞穂市居倉(旧巣南町)には富有柿の原木があり、指定天然記念物として石碑もあるそうな…
庭の隅に地植えしている。樹齢は半世紀になろうかと…
株元は他の植物を植えたいので樹高はなるべく高く…
でも、梯子や側の物置の屋根に乗って手が届く範囲の高さに抑えている。
やや晩生の種なので、収穫は落葉盛ん~完全落葉の頃から。
色付き始めると、野鳥脅しの仕掛けを数種類ほど設置します。
数日前に、最後の収穫を終えました。
毎年、カキノヘタムシやカメムシとの戦いがタイヘンです。 今季は何とか判定勝ち…でした。
そうそう、実が熟す頃からは野鳥との知恵比べや戦いも勃発します。
でも今年は野鳥の飛来が少なく、野鳥用の脅しの仕掛けが効いたのか、被害はほぼゼロ…でした。
< 老鴉柿 > (ロウヤガキ)
・分類:カキノキ科 カキノキ属
・学名:Diospyros rhombifolia
・原産:中国 中東部
・特性:雌雄異株。渋柿。果肉が少なく、渋くて食用不可。樹高≒5~8m。実は幅約2cmの楕円形。
盆栽仕立ての鉢植えです。雌雄異株で、毎年実が付くのでこれは雌株。
でも我家には雄株はナシ。でも毎年実ができる……? Why……? 不思議です。
近くの富有柿から花粉が風に乗ってくるのかなぁ…
艶のある赤い実がぶら下がった冬の樹形はなかなか風流感がいっぱいです。
< オモト > (万年青)
・分類:キジカクシ科 オモト属
・学名:Rohdea japonica
・原産:日本
地植え、鉢植えで、葉の変異種、斑入り葉種等を数株育てています。
地植えと鉢植えの2株に赤い実が付いています。
赤い実は野鳥が好むそうだけど、現在まで無傷で無事です。
園芸の世界では、縁起の良い目出度い観葉植物として知られていますよね。
< クチナシ >
・分類:アカネ科 クチナシ属
・学名:Gardenia jasminoides
・分布:東アジア、インドシナ半島
・特性:樹高≦3m。花は芳香性。
(ピンボケ…ですが)
通常の一重咲き種を地植えで、八重咲き種と斑入り葉一才種を鉢植えで育てている。
赤い実を付けるのは一重咲き種のみ。
他の種類のクチナシは実を付けないとされている。
実は食用可。
クチナシは、ジンチョウゲ、キンモクセイと共に「三大芳香花」としても知られる。
真冬の庭でも、花だけではなく、このように果実も季節感を楽しませてくれます。
野鳥の世界では鳥インフルエンザが猛威を振るっているらしく、例年に比べて、庭に訪れる野鳥の頻度がとても少なく感じます。
悪戯の度が過ぎて嫌われ者のカラスやヒヨドリも、姿や美声が素晴らしいメジロも、見慣れたスズメも、冬の使者のジョウビタキ等も、今冬は、これらのお客サン達の飛来頻度が極端に少なくなっています。
そのためか、これらの冬場の実が長く楽しめています。