【FPDI・GD】次世代照明はどのように変化するのか(第3回)
面光源の有機EL、点光源の半導体レーザによる白色光源
白色LEDがこのまま進化すれば、次世代照明の光源は白色LEDだけで済むのか・・・。そう簡単には言い切れない。白色LEDは点光源であり、照明に使うような十分な明るさを得ようとすると、複数個を並べて面を作らねばならない。その一方で、点光源を追求しようとすれば、実は輝度はHIDランプに及ばない。こうした面光源、点光源を追求すると、白色LED以外の光源の重要性が浮かび上がってくる。「Green Deviceフォーラム2010」では、こうした視点からの講演があった。
面光源の観点からは、パナソニック電工の菰田卓哉氏が白色有機EL照明の動向を紹介した。同氏は線光源といえる蛍光管、点光源の白色LEDと並び、面光源として白色有機ELが特徴ある照明の担い手になるとする。同社は2011年に白色有機ELパネルのサンプル出荷を始める予定であり、用途は当初が特殊照明、続いて店舗照明、2014年以降には一般照明に広まるとみる。
白色LEDに比べると白色有機ELは現段階で発光効率は劣るものの、将来的には同等になるとした。白色LEDの発光効率は200lm/W程度でほぼ落ち着く可能性があり、その一方で効率が高いりん光系有機EL材料の開発が進むことで白色有機ELが白色LEDとの差を急速に縮まるとみる。同社が加わるNEDOのプロジェクトの成果が反映されれば、2014年ころに発光効率130lm/Wの製品も夢ではないとした。
■提供 日経ケンプラッツ
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20101118/544304/?ST=led
【FPDI・GD】次世代照明はどのように変化するのか(第2回)
白色LEDの演色性を追求
LEDが照明の主役になるには、エネルギー効率の高さ、十分な明るさ、寿命の長さといた視点(第1回の記事)だけではなく、人間にとって快適な光かどうかも追求する必要があるだろう。こうした考えから白色LEDの開発を進めるのが、三菱化学である。「Green Deviceフォーラム2010」では、演色性や色表現など、白色光の色合いが今後重要になることを三菱化学の折戸文夫氏が解説した。
折戸氏は、白色LEDの演色性の良しあしを判断する数値として用いられる平均演色評価数(Ra)の議論だけでは、十分ではないとの考えを示した。 Raには、鮮やかな赤色といった高彩度の色に対する演色性評価が含まれていないからである。そうした上で、同社が手掛ける赤色蛍光体 CASN(CaAlSiN3;Eu2+)を白色LEDの蛍光体に加えることの良さをアピールした。
折戸氏は、さらに演色性を高めようと考えたときに、近紫外LEDに赤色・緑色・青色の3種類の蛍光体を組み合わせることになるとの見方も示した。同社は発光波長405nmの近紫外LEDを利用する白色LEDを開発している。ストークス効果による効率の低下、発光波長の短さに起因するパッケージ材料の劣化などの課題があるものの、Raが95超、高彩度の赤色の演色性(R9)が90超と高い。こうした白色LEDの発光効率は、色温度2700Kで25lm/W とまだ低い。効率向上に力を入れていきたいとした。
同氏は講演で、15種類の飽和色を色票として用いる演色性の新たな評価Color Quality Scale(CQS)について触れ、Raが低くてもCQSが高ければ照明に当たった物体がきれいに見えることを紹介した。なお、CQSはCIE Technical Committeeで審議中という。
■提供 日経ケンプラッツ
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20101118/544303/?ST=led
【FPDI・GD】次世代照明はどのように変化するのか(第1回)
白色LEDの高効率化、高出力化、長寿命化
創エネや省エネに向けたデバイスの展示会「Green Device 2010」の併設セミナー「Green Device フォーラム2010」では2010年11月10日、照明などに向けたLEDや有機EL、半導体レーザといった固体光源の技術セミナー「次世代照明フォーラム」が開催された。発光効率と明るさ、寿命、演色性、面光源化、点光源化の五つの観点から、固体光源を手掛ける国内外のメーカーが最新動向を講演した。
フィリップス・ルミレッズ・ライティングの神山博幸氏は白色LEDの高効率化に焦点を当て、技術の見通しを紹介した。同氏によれば、一般的な白色 LEDの発光効率向上のペースを考えると、ここ数年で200lm/Wを超えるという。電球色LEDは一般的な白色LEDよりも発光効率が劣るものの、現段階で90~100lm/Wに達しており、いずれ200lm/Wを超えるとする。今後は、こうした効率の良さを、高い電流密度でも達成することが必要になるという。「ドループ」と呼ばれる、電流密度が高くなるほど効率が低下する現象を軽減する取り組みである。
同社はこうした課題を解決するため、白色LEDや電球色LEDの基になる青色LEDチップの構造を変えているという。詳細は公表しないが、青色 LEDチップの発光領域にある量子井戸層と障壁層の界面付近において、電子あるいは正孔が溜まらないような層構造を取り入れ、電子と正孔が再結合しやすい状態を作り出したとする。これにより、1mm角のチップの場合、外部量子効率が350mA投入時に65.5%、1A投入時でも59%と高い値を得られた。
こうした工夫や順方向電圧を低減する技術などにより、将来的には1mm角のチップにおいて2A/mm2の電流密度で発光効率150lm/W、光束1000lmを得たい考えだ。それには、内部量子効率を80%(現在は53%)、外部量子効率を72%(同47%)、蛍光体での変換効率を252lm/Wopt(同228 lm/Wopt)に向上させる必要があるとする。
(一部抜粋)
■提供 日経ケンプラッツ
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20101118/544299/?ST=led
約7万m2にLED照明導入、中之島フェスティバルタワー
朝日新聞社は11月2日、大阪市北区に建設中のテナントオフィスビル「中之島フェスティバルタワー」に、LED照明器具約2万600台を導入すると発表した。対象面積は計約7万m2で、国内で最大規模の導入例となる。また、関西で初の大規模なテナントオフィスビルのLED照明化となる。
中之島フェスティバルタワーは、大阪・中之島の新朝日ビル跡地の再開発で朝日新聞社が建設している地上37階の複合オフィスビル。朝日新聞大阪本社が移転するほか、フェスティバルホールやオフィステナントが入り、2012年秋に完成する予定だ。
LED照明器具を導入するのは、朝日新聞大阪本社が入る9階から12階と、賃貸オフィスの15階から36階。賃貸オフィスは天井高3mの部屋で照度750ルクスを確保するため、約3.3m2当たり1台、計1万7500台のLED照明器具を取り付ける。朝日新聞社フロア分は3100台となる。
■提供 日経ケンプラッツ
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20101115/544233/?ST=led
【続報2】まだまだコスト高の直管形LED、改正省エネ法が普及を後押し
パナソニック電工は2010年11月8日に開催したLED照明器具「直管形LEDランプ搭載ベースライト」の発表会において、今回の製品はLEDを使った従来のベースライト製品に比べて価格を半分程度に引き下げていることを明らかにした。だが、直管形LEDランプの普及を進めるには、ランプのさらなる低価格化が必要なようだ。
同社が今回の製品への代替を想定する蛍光灯器具(蛍光ランプにFLR40形を利用)に比べ、今回の製品は同じ明るさを得るための消費電力が約40%低い。その分、利用者にとって電気料金を低く抑えられるものの、FLR40形を利用する蛍光灯器具に比べて器具の価格(ランプ込み)は3倍程度高い。照明器具の価格差を電気料金の安さで補うのに「10年近く要する」(パナソニック電工)。つまり、10年以上照明器具を使い続けるという条件で、初期費用とランニングコストを合わせた総コストはLEDを用いた方が安くなる計算だ。
ただし、蛍光灯と比較した費用面でLED照明器具がまだ大きなメリットを出せるとは言いにくい状況ではあるものの、直管形LEDランプを求める声は強いという。その背景には、2010年4月に施行した改正省エネ法への対応がある。改正省エネ法によって、省エネの規制対象がこれまでの事業所単位から事業者単位になったことで、対象となる企業が増えた。コスト上昇を招いても、省エネ対策を優先する企業が増えていることが、LED照明器具の引き合いにつながっているようだ。なお、FLR形よりも高効率なHf形の蛍光灯と比較しても、今回の直管形LEDランプによる製品の方が効率は20%程度高いという。
■提供 日経ケンプラッツ
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20101110/544176/?ST=led
