映画にのこる日本の精神風土 | 非二元|目覚めを生きる

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私は最近、イノダコーヒ三条店のカウンター席が気に入っている。

円形のゆったりとしたカウンター席でアイスカフェオレを飲みながら新聞や禅の本を読んでいると、避暑地のホテルのラウンジで夏休みを過ごしているような気分にさせてくれる。

3日前、三条店で支払いをすませて、自動ドアの前に立つと、ドアが3分の1ほど開いた瞬間に突風が吹き、ガタっと音がして自動ドアが店内側に押し込まれ、ドアが開かなくなった。

「こういうこと、よくあるんですか?」と聞いてみると、「初めてだ」という返事がかえってきた。

そして、今日、三条店に行ってみるとドアが開けっぱなしになっていて、まだ完全に直っていないことがわかった。

イノダコーヒー三条店の自動ドアを破壊した男。
それが私なのかと思いながら、同時に、3日前のその後の出来事の記憶が頭に浮かんできた。

3日前、三条店を出た後、家の方に向かっていると、京都文化博物館に貼られた一枚のポスターに目が止まった。

小津安二郎監督の東京物語の画像の横に「映画にのこる日本の精神風土」と書かれていた。
古い映画を上映していることがわかり、館内に入って、今日は何を上映しているのかを聞くと、「王将」だとわかった。

王将は、大阪の天王寺で暮らしていた将棋棋士、坂田三吉の奔放ぶりを描いた映画で、監督は伊藤大輔。

私と同じ「大輔」という名前の映画監督が、昔、京都の大映にいたわけだが、実は私の名前は、映画好きの父が、私が生まれた直後に、伊藤大輔の名前を新聞で見かけて、「大輔」と名付けたことを父から聞かされていた。

その後、私は縁あって、映画のポスターのキャッチフレーズを書く仕事をしていた。

しかし、自分の名前の命名のきっかけとなった伊藤大輔監督の映画を観たことは、一度もなかった。

それが1ヶ月前に東京から京都に引っ越してきたことで、しかも偶然、文化博物館の前を通りかかり、ポスターに目が止まったことで、今回、初めて伊藤大輔監督の作品を観ることができ、閉ざされていたこちらの扉は見事に開いた。

そして、王将を見て感じたことは、明治時代の日本人が、仏教とは精神的に切っても切り離せない暮らしをしていた、ということ。

「映画にのこる日本の精神風土」

まさにこの言葉通りの企画展であり、実に的を射たキャッチフレーズだと思った。

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