このクセは、私に限らず、多くの人にも習慣化されているので、繁盛店はクセづけられてしまった人たちで、いつも繁盛状態にある。
たとえば、私の場合、週に最低一度は必ず通っている地元の飲み屋さんがある。
この店に知り合いを連れていくと、かなり高確率で、多くの人が「あの店にまた行ってみたい」という。
つまり、この店には、他の店にはない「何か」がある。
でも、多くの人は、この何かが何であるかを、よく調べようとしない。
だから、なぜ、繁盛する店とそうでない店があるかがわからず、知らず知らずのうちに、繁盛しない状況をつくりだしてしまっている。
具体的にいうと、私は今日、この店で「こだわり酒場のレモンサワー」を飲んだ。
このサワーは、サントリーの商品だが、この店で、このサワーを飲んで以来、私は他の店でも「こだわり酒場のレモンサワー」を注文してしまうクセがついてしまった。
そして、ある日、あることに気がついた。
それは、他の店で「こだわり酒場のレモンサワー」を飲んでも、ぜんぜん、おいしく感じられないという事実だ。
だから、今日、いつもの店に行った時、「なぜ、この店のサワーはよその店のサワーよりおいしいのか」を聞いてみた。
すると、店主はこう答えた。
このサワーを売りはじめた頃、お客さんから「このサワー、味が物足りないんだよな」といわれたので、マニュアルの配分通りにつくらず、味を調整してみたら、おいしくなった…と。
また、恵比寿にも、私が頻繁に通っているバーがあり、そこでは、サントリーの角ハイを頼むと、他の店で飲める角ハイとはまったく違う爽快感を味わえる。
つまり、繁盛店は、同じメーカーの同じ名前の商品を売っていても、同じものを提供してはいない。
だから、人は意表をつかれる。
人は、ブランド名や商品名に信頼を置いて、買い物をしているように見えるけれど、実際には「経験」の違いに価値を感じて、お金を使い続けている。
このことがわかると、繁盛店に通うのがとても楽しくなる。
お知らせ
人は何に驚きを感じ、お金を出してでも同じ店に通い続けるのか?
そんなことを3月開催のこの講座で話そうと思います。
・渋谷禅