就労時間を減らせと、政府は企業に迫る。
どうすれば、収益を落とすことなく、労働時間を短縮できるかの戦略を示さないまま、とにかく時間を削れと政府は企業に迫る。
1日数十分程度の時間削減なら、個人の努力で何とかやりくりのしようもある。
でも、組織の収益を維持したまま、大幅に労働時間を短縮するには、戦略を組み立てる必要がある。
ここでいう「戦略」とは、戦うための策略ではなく、無駄な戦いを省略するための方策。
仕事でいうなら、無駄な仕事を省略するための方策のことだ。
そして、戦略は、何かを学習するときにも極めて重要な機能を果たす。
たとえば、英語を習得するには、数千時間の学習が必要だとよく言われるが、これは戦略のない学習者についての話だ。
日本人の多くが、中高大を通じて英語を学んでも、英語を使えるよにならない理由は、まだまだ学習時間が足りていないからではなく、戦略のない学習を続けてきたからに過ぎない。
だから、この先、小3から英語の授業を始めたところで、日本人が英語を使いこなせるようにはならない。
むしろ、第一言語の日本語の運用能力が落ちることの方がデメリットだ。
学習において重要なのは、学習戦略であり、これまでの日本の英語教育には、第二言語としての英語を短期間に速やかに習得できるように組み立てられてた学習戦略がなかった。
だから、多くの日本人が、英語を学んだにもかかわらず、使いこなせるようにならない。
これは個人の努力の問題ではなく、学習戦略のない教育方針の問題だ。
しかし、今や脳科学や認知言語学の研究が進み、日本人に適した学習戦略と、そのための学習教材も出回り始めている。
その戦略や教材を活かすことなく、小3から英語教育を始めても、日本語さえロクに使いこなせない日本人を増やすだけだ。
お知らせ
3月開催の「英語脳」と「ビジネス脳」をつくれる学習ストラテジー講座の残席が、あと2席になりました。