子供の頃、私は親に愛されなかった。
そんな悩みを持っている人に、時々、出会う。
「どうして、そう思ったの?」と聞くと、その時の状況を詳しく話してもらえる。
そして、会話の最後に、私はたいてい、こんなことを伝えている。
「その当時、あなたの親は忙しかったのかもね。
子供をかまってられないくらいたいへんな時期も、親にはあったりするからねぇ。
でも、どうしてもそのことが気になるなら、親にその当時のことを話して、真相を確かめてみたら?」
実は、私自身、心に引っかかっていたことがあって、以前、そのときの真相を母親に確かめてみたことがあるのだが、母からかえってきたのは、こんな言葉だった。
「そんなこと、あったかいなぁ?」
「えーっ、あの時のこと、覚えてないんかいな」
当時の母親は、子供の私が想像していた以上に、忙しすぎたのだ。
子供がどう感じているかに、気を回せないほど、余裕がなかったのだ。
つまり、愛があるとかないとかではなく、ただ、そういう状況だったということ。
でも、親がそうでも、子供にはそう思えない。
他の家族の親が子供に接する様子などと比較して、「私は愛されてないんだ」と勝手に悲劇の物語をつくりこんでしまう。
自分を悲劇のヒロイン、ヒーローにしたてあげてしまう。
これがマインド(思考)の働きだ。
誰のマインドも、このようにして、もっともらしい物語を無意識のうちにつくりあげてしまうのだ。
マインドの働きがそういうものであることを、私が見抜けるようになったのは、私も親になり、それどころではない状況というものがあるの経験してからだった。
「親の愛がなかった」なんて、甘っちょろいことを言って、誰かの愛を求めている限り、人はマインドがつくりあげた悲劇の物語のヒロイン、ヒーローを演じ続けることになる。
それを終わらせるには、ただ、目を覚ませばいい。
朝、目を覚ませば、たちまち夢が消えるように。
矢沢大輔
追伸
マインドがつくりあげた物語から抜け出し、目覚めて生きたい方は、来月からはじまる奇跡学校 にお越しください。
追伸2
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