【全国・ニュース】不登校生17万人以上 訪問専門員制度で改善を | 不登校でもイイじゃん

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~あべのブログ~

※産経新聞


全国で小、中、高校あわせて17万人以上いるとされる不登校の児童・生徒。近年は徐々に減少傾向にあるが、対応方法や解決策が見いだせない家庭も多く、依然として教育現場に横たわる大きな問題となっている。解決策を探って保護者らを支援しようと、引きこもりや不登校の問題を抱えた経験をもつ保護者らでつくる協議会が、「不登校訪問専門員」の資格制度を昨年創設した。専門員は家庭を訪問するなどして問題解決の手助けをする。専門員の活動が不登校で悩む家庭の支えになるか、今後の活動に注目が集まっている。



文部科学省によると、平成21年度の不登校の児童・生徒数は小学生で約2万2千人、中学生で約10万人、高校生で約5万1千人で、いずれも前年より減少している。ただ、21年度の小学生は3年度の不登校児童数よりも約1万人多く、中学生にいたっては3年度の約2倍になっている。

 不登校になったきっかけは、原因がはっきりしないが極度の不安や緊張、無気力になっている「その他本人にかかわる問題」が最も多く計約7万2千人。これに続き、「いじめを除く友人との人間関係」の計約2万7千人、「学業の不振」の約1万9千人と続いている。

 文科省は15年に不登校に関する報告書をまとめ、保護者や関係機関への情報共有を指示するなど、不登校問題の改善に取り組んできた。その成果もあって、不登校の人数自体は減少傾向にあるが、同省担当者は「依然として大きな課題であり、今後も問題改善に取り組みたい」としている。23年度には不登校問題の現状について再度調査することを検討しているという。

 ただ、改善に向けて動き出したようにみえる不登校問題だが、保護者からは学校現場に対して不安や不満の声も上がっている。

 4年前に当時小学6年の長女が不登校になった北海道内に住む40代の会社役員の男性は、「学校の先生も忙しいためか、いじめに気付いていなかった。先生から『いつから学校に来られますか』と聞かれたこともある」と学校の対応に失望した。

 男性は学校の教職員らも不登校の児童に対する対応が十分に分かっていないと指摘した上で、「教師が分からないのだから、まして保護者はどうしていいか全く分からない。情報の共有などは十分とはいえない」と話した。

こうした課題の解決に民間レベルでも取り組もうとする動きが現れている。引きこもりの子供らを持つ家族などでつくる一般社団法人「ひきこもり支援相談士認定協議会」(北海道千歳市、奥山雅久会長)が、不登校問題を抱える家庭を支援する「不登校訪問専門員」の資格制度を昨年創設した。この資格制度は問題への対応方法や医学的知識を持つ専門員を育成し、家庭訪問などを通じて支援する取り組みだ。

 専門員の資格取得を目指す受講者は、同会が作成したDVDなどの教材で不登校問題への対応を学習。教材には実際の事例をもとにした対応方法や、不登校とかかわりの深い鬱病、発達性障害などの病気の解説もある。教材で不登校児童・生徒への対応方法などを学んだ受講者はリポートを作成し、それを同会が採点して合否が決まる。同会は昨年11月中旬に募集を開始しており、2年以内に3千人の専門員を誕生させるのが目標だ。

 同協議会によると、現在、資格取得を目指しているのは約280人。受講者の多くは、自分の家族が不登校になった経験を持つ人や、学校の関係者だという。長女が不登校になった経験がある東京都調布市の技術コンサルタント、恒川吉文さん(53)もそのうちの1人だ。

 恒川さんの長女も数年前、中学時代のいじめをきっかけに、高校で出席する日数が減っていった。恒川さんは当時、対応方法が分からず、妻も体調を崩しがちになり、恒川さんは当時務めていた会社を辞めざるを得なくなった。

 長女は現在、同じ悩みを共有する保護者の会などの支えもあり、介護ヘルパーの資格を取得。社会復帰の道を歩んでいるが、恒川さんは当時、「がんばれ」など親としての考えを押しつけ、精神的に追い込んでしまっていたという。

 学校にはスクールカウンセラーなども配置されているが、恒川さんは「いじめが原因だった長女は学校に相談することをあまり望まなかった。第三者の専門員だから相談してもらえるケースもあるはず」と話している。

 恒川さんは先月、リポート試験に合格し、専門員の資格を取得。「専門員としての知識を活用し、不登校に悩む子供たちや保護者らを少しでも多く救いたい」と意欲をみせている。

 すでに恒川さんを含め、約10人の専門員が誕生。今後順次、リポート試験に合格した専門員が誕生し、できるだけ早いうちに問題を抱える家庭への派遣を始めるという。同協議会の木村栄治理事長は「子供の不登校にどう対応していいか分からない保護者は多い。専門員の活動を通じて問題を抱える家庭を救うことができれば」と話している。

 学校でも保護者でもない第三者として不登校問題の解決に取り組む訪問専門員。この活動が広がりをみせ、問題の改善につながるのか。今後の活動に期待が集まっている。

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