敬遠 と 蔑近
以前自責点について英語と日本語の違いを書きました『防御率は高いほうが いいのだ』野球中継で耳にする不思議な言葉その弐 野球用語には英語の直訳も多く、その一つに補殺というのがありますね。捕殺と誤記されることが多いけど補殺、assist …ameblo.jp今回は敬遠英語だとintentional walk文字通り『意図的に』歩かせるそのまんまこれを本邦は『敬遠』と訳したんですね面白いですよね相手を尊敬して遠ざけるんですね。でも実際にはintentional walk意図的に歩かせるのですから尊敬して遠ざけるとは限りません塁を詰めて守りやすくするためのこともありますがそれ以上に次打者を見て、軽蔑して近づける『蔑近』のほうがむしろ多かったりするんですね。タイガースで言えば確かに最強打者佐藤輝明の敬遠は9ですが坂本が6、小幡が3100打席以上で打点たった2の梅野が4彼らの合計数が佐藤の9を上回りますがこれは彼らが主として8番の下位打者で次打者の投手を近づけるため、敬遠ではなく典型的『蔑近』でしょう。申し訳ないが今年の梅野に関しては敬遠4はあり得ない、むしろ彼で切って次の回を近本ではなく投手から始める流れwを拵えた方がよほどタイガースを苦しめたんじゃないですか。さて先日、MLBのWSで大谷翔平選手4打数4安打2本塁打2ツーベースで圧倒した後何と5四球、4連続申告敬遠うち3回はランナーなしでした。ドジャースのロバーツ監督は「気持ちは理解出来る大谷へのリスペクトだろう」とコメントしたそうですが事の是非はともかくこれぞまさしく『敬遠』でしょう。翻り本邦のワールドシリーズです。第4戦6回表2-0でホークスリード1ダウンランナー1塁これをわざわざ送って2アウトランナー2塁にして小久保監督は代打近藤健介選手を起用。これに対しタイガースは申告敬遠を選択しなかった。いわゆるセンモンカでも次打者が柳田悠岐ですから勝負も止むなしとする人もいました。違うんじゃないかな『敬遠』なんですよ。『蔑近』じゃないのです。普段「蔑近」に慣れすぎているんじゃないですか。ヒットを打つことに関してはNPBダントツの近藤選手です。普通のプレ-ヤーではないのです。ましてや相手から再三チャンスをもらいながらまるで風呂で屁を放るような味気ないスカ攻撃の連続で崖っぷちのタイガースですよ。他の打者は完璧な配球や投球で討ち取れる可能性が高いですしタイガースのブルペンはそれに応えられる高い能力を保有する非常にレベルの高い投手陣ですが近藤選手ではその確率がガクンと下がるのです。この局面では『敬遠』が最も相応しいプレーヤーではありませんか。次打者が誰であろうが関係がない近藤をリスペクトして敬遠。どっかの55号を維持するためとかタイトル争いの敬遠は最低ですがこれは違うのですね。かつて松井のタイトル保守のためあの長嶋茂雄監督にペタジーニ敬遠を命じられて悔し涙を流した上原浩治さんもこの采配には疑義を呈しておられましたね。でもね、藤川監督はそう思われなかったのでしょうね。小久保監督が好投の大津投手を降ろしてまで勝負手を打ってきた。こっちは風呂の中で屁を放りっぱなしだからいっそのこと徹底して相手の勝負手を「すかして」切り抜けることが突破口を開く雰囲気を変える最善手である(私はそう思いましたw)しかし『面白い野球』なんて口に出すくらいですからまずは応じるのが筋だってことなんでしょうね。タイガースバッテリーは歩かせ上等、ボール球を投じましたがそれでも彼はヒットにしました。佐藤選手もゾーンに入っていて8回裏に同じようなヒットを放ちましたがまったく意味が違うと思いますね。まぁ色々と面白いです。ただ敬遠と蔑近をもっと意識した方がより面白くなるとは思うのですね。近藤を歩かせたって観客の興味を完全にそぐわけではなく次打者が柳田だからこそ「面白い」と私は思うけどね。この場合の敬遠は立派な戦術。柳田というリスクを背負うのですからこれも勝負手です。あそこの1失点はゲームの展開上大きな意味を持つのでそれを防ぐため確率を少しでも下げるため最善手を打つ、普段流れwを安易に使うNPBですがこうした駆け引きも醍醐味何とかして敵にダメージを与えどんより停滞したチームに活気を与える戦術、風呂の中ではなく死に馬に屁を放らせるための荒療治、充分「面白い」と私は思うのですがね。風呂で屁を放るような攻撃とは例えば第三戦7回裏タイガースの支柱いざという時最も頼りになるはずのあの近本光司でさえ相手の2つの拙守でもらった1死3塁絶好の同点チャンスで厄介なフォークボールの使い手藤井が3ボールナッシング唯一ストレートを投げ込んでくるカウントで見送ってセルフで歩こうとしたんだよ。このプレーそのものがノースリーから打ちに行くのではなく安全運転、どこか蔑近と通じるものがあると私は思うけどね。こうした超消極性をぶっ壊すために刺激は必要だったのにそれがダラダラと続いてしまったんですね。