ヘリウムガスについてのよくある質問 | バルーン・ショップの日々

バルーン・ショップの日々

日本ではまだ珍しい存在の風船専門店。

その日々の格闘の様子や、バルーン・デコレーションの現場風景をお届けします。

お客様からのよくある質問のひとつに、

 

 

「この缶1本で風船いくつ膨らませられるのですか?」というものがあります。

お答えとしては「ひとつも膨らみません」になりますね。

※一部例外はあります。

 

この写真の缶は9.5リットルのものですが、当店では他に11.6リットルのものもあります。

でもどちらも答えは同じです。

 

ちなみに、

この幅約35cmタイプのバルーンを膨らませるためには15リットル必要になります。先ほどの9.5缶だと1本半必要になりますね。

 

 

先ほど例外があると申しましたが、

 

こちらのお散歩ベビーペンギンは10リットルです。

11.6リットルのほうをご利用いただけば、1缶で膨らませる事ができます。

 

そしてもうひとつよくある質問に、

 

こういうゴム風船を膨らませるのに使いたいというものもありますね。

 

結論から言うと、「膨らみません」<(_ _)>

 

10インチというサイズのゴム風船はガス量が約10リットルです。

※クオラテックス製の場合。メーカーによって異なります。

 

容量的には11.6リットルで間に合いますね。

でも膨らみません。何故でしょう・・・・

 

答えは「ゴムを伸ばしながら膨らませていける圧力が無いから」です。

ちょっと想像してみてください。

ゴム風船を口で膨らませた事がある方は、以外と大変な事をご存じだと思います。やった事のない方は機会があればやってみてくださいね。

 

それを思い出した上で、例えばヘアスプレーのような噴射式の缶で膨らませられると思いますか?

スプレー缶から出るガスが風船のゴムを伸ばしながら膨らませていけるとは感じないでしょう。もしできたとしたら、かなりの圧力で噴射されていますから怖くて髪に吹き付けたり出来ないでしょうね。

ヘアスタイルが酷い事になりますね。

 

圧力をかけて充填されていないため、缶入りヘリウムの容量はとても少なく、力もありません。

補充可能なバルーンが萎んだ際に使用するという商品ですね。

もちろんフィルム風船ならゼロから充填できますが、とても高いものについてしまいます。

 

 

余談ですが、缶の中にそれだけの圧力をかけてガスを充填すれば、缶の強度をあげないと危険ですよね。

 

そのためにはこんな容器になります。

 

 

または

 

 

こんな感じのボンベを使用して「高圧ガス」という状態にする必要があります。

 

「高圧ガス」とは、高圧ガスという種類のガスが存在する訳ではありません。

ある気体に一定以上の圧力をかけて容器に詰め込んだものを高圧ガスと言います。

 

ですから同じヘリウムガスでもボンベに入っているときには高圧ガスですが、風船に入れた状態では高圧ガスではなくなります。

 

その境界線は法律上「1Mps」(メガパスカル」となり、それ以上が高圧ガスと定義されます。

 

先ほどの9.5リットル缶が手元にあれば見てください。

「圧力 0.98Mps(もしくは0.94Mps)」と表記されていますから。

 

かなりざっくり言うと地上の大気圧は1気圧=0.1Mpsですから、10倍以上に圧縮された状態が高圧ガスとなりますね。

 

そして灰色の重そうな灰色のボンベは14.7Mpsという圧力で充填されています。

大気圧の147倍です。もし容器に破損などがあった場合、あの重い容器がロケット弾のように飛んでいくかも知れません ((((;´゚Д゚))) 

 

ずいぶん昔にダイビング用のボンベがそんな状態になった事故があったように思います。

 

そしてその重量も40kg~70kgと大変重いため、取扱いには十分注意が必要ですね。