フォイル・バルーンの萎み方 | バルーン・ショップの日々

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日本ではまだ珍しい存在の風船専門店。

その日々の格闘の様子や、バルーン・デコレーションの現場風景をお届けします。

先日はゴム風船がなぜ萎むのかをお話しました。

今回はフォイル・バルーンについてです。

 

フォイルバルーン。

UFOバルーン、マイラーバルーン、アルミバルーンなど色々な呼び方がありますが、商標であったり地域性によって違ったりします。

 

また使用されているフィルムにもさまざまな種類があり、

それによってガスバリア性が変わります。

 

今回は前回のように抜けるところを見てもらう実験ではなく、日数による見た目の違いをご覧ください。

 

大きなサイズのバルーンと、透明なフィルムバルーン、そして一番種類の豊富な18インチというバルーンで検証しました。

 

まず初日。こんな姿で検証開始です。

 

 

6日め。

 

 

8日め。

 

 

最後に14日めです。

 

 

左のラージシェイプに比べて右の18インチハートはかなり萎んでいますね。

この2つ、実は同じメーカー製でフィルムも同じものです。

それなのにこんなに違うのは何故でしょう?

 

それは大きさの違いからくるガスの量。

左のラージシェイプは45リットルのヘリウムガスを使用しますが、右の18インチは14リットルです。

絶対量が多いため萎み方が「見えにくい」という事。

 

真ん中の透明バルーンは外側の透明フィルムはあまり変わっていないように見えますね。中のハートが小さくなっているほうに目が留まります。

この透明バルーンは、若干ですがゴム風船のように生地が伸びながら膨らんでいきます。そのため縮んでいくときの形の変化が出にくいまま、全体が小さくなっていくので分かりにくいのですね。

 

左右にフォイルの生地はまったく伸びません。

そのため内容量が減れば表面の変化が見えやすくなる訳です。

 

よくお客様に「どの位持ちますか?」と聞かれますが、当店では「大体1週間位」とお答えしています。

実際にはこのように浮いているだけならもっと浮いているのですが、それ以上経つと見栄え的な商品価値が無くなっていると思うからです。

 

ところで、左右のバルーンはアルミのようなバルーンに見えますね?

これは本当にアルミなんです。

透明なフィルムに金属のアルミを加熱・蒸発させて表面に付着させているんです。これをアルミ蒸着といいます。

 

何故こんなことをするかと言うと、ひとつは印刷のため。

もうひとつは「ガスバリア性」です。

金属は気体を通しません。ですからアルミ蒸着してしてしまえば、ヘリウムガスは通り抜けられなくなります。

 

じゃあ萎まないじゃん!

と、なるのですが、実際には表面には目に見えないほど細かいヒビが入ってしまい、そこから抜けていくんですね。

ですからシワくちゃになったり、何度も再補充しているとフィルムバルーンは萎むのが早くなります。