神仏習合そしてお水送りの寺「神宮寺」  | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮ながら、時々計画を立てて、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

おやじの百寺巡礼 ≪NO64≫

神宮寺(じんぐうじ)福井県小浜

        令和6年5月27日(月)

 

約、2ヶ月ぶりの百寺巡礼

今回は福井県、鳥取県の三ヵ寺を巡ります。

自宅を

朝、3時50分の出発は、さすがにきついとは

思いましたが、最初の訪問寺、

若狭神宮寺」までは

車で7時間ほどの距離があります。

また、

高速道路料金の割引も考慮してのことでした。

 

今回の百寺巡礼は息子(次男)も同行してくれています。

 

2日目に訪れる「三佛寺」の奥の院「投入れ堂」が

二人以上でないと参拝の許可が下りないので

仕事を休んで同行してくれたのです。

 

車なので二人で交替しての運転は、

とても助かります。

 

上信越道、長野道、中央道、名神高速、北陸道

そして舞鶴若狭道を経由して

福井県小浜市の「神宮寺」へ向かいました。

 

予定通り、11時頃に「神宮寺」前の駐車場に

到着です。

運の良いことに

途中、降っていた雨もあがりました。

 

 

参道脇の駐車場に車を停め

山門をくぐります。

 

山門から檜皮葺きの本堂が望めます。

 

拝観料を納めると

受付の女性が、まず最初に

お水送りの場所「閼伽井戸(あかいど)」を

教えてくれました。

 

自分としては

まず本堂のお詣りが先だろうと

本堂の正面に立ちました。

全国でも珍しい「神仏習合」の寺です。

本堂に注連縄しめなわが掛かっています。

 

御神体の山を背負い、正面に注連縄。

神社の社を思わせる

寺でありながら

神域でもあるようです。

 

堂内に入ってみました。

もちろん内陣には入れず

写真も禁止のようなので

格子の隙間から覗いてみると

 

正面に本尊の薬師如来

脇に日光、月光菩薩を従えて座し、

さらには

十一面千手観音十二神将不動明王

守るように並んでいます。

 

さらに向かって右には

和加佐比古大神(わかさひこのおがみ)

和加佐姫大神(わかさひめのおおがみ)

額が下がっていました。

 

かつて神宮寺は

若狭彦神社若狭姫神社の「奥の院」の

役割を果していたそうです。

 

 

外陣の天井の四隅には

象や獏の木彫りがありました。

 

本堂の回廊からは

茅葺のとても素敵な

茶屋が見えました。

 

そして裏手には

苔むした樹齢何百年と思える古木が

鬱蒼と繁っていました。

 

境内に三体のお地蔵さんのようですが

多分家族なのでしょう、

ちょっとユニークな石像がありました。

 

最後に受付で教えられた

閼伽井戸」へ行ってみました。

この中の湧き水(香水)を奈良東大寺に届ける神事「お水送り」が

毎年三月二日に行われるそうです。

 

この香水が地底にある水路を通り

東大寺二月堂の「閼伽井屋」に届くといわれています。

 

そして三月十二日

その閼伽井屋から汲んだ水(香水)を

二月堂の本尊に捧げるという儀式、

あの有名な東大寺二月堂で行われる

修二会のお水取り」となるようです。

なんとも不思議な話ですが

とても神秘的なロマンを感じました。

 

その香水を一口

口に含んでみました。

ほんのりと甘く感じる美味しい水でした。

 

再び本堂に向かい

一礼し

山門をくぐりました。

帰りの参道を歩きながら

 

そうだ

神仏習合の寺」だった。

 

神仏習合の寺では

本尊に向かい

柏手(かしわで)を二度打ち

合掌して一礼」という形で拝する

と言うことを忘れてしまったことを

思い出し、

振り返って

その所作を心の中で繰り返し

一礼して

神宮寺を後にしたのでした。

                               (R6.5.31記)

 

神宮寺(じんぐうじ)

【宗 派】 天台宗

【山 号】 霊応山(れいおうざん)

【所在地】 福井県小浜市神宮寺30-4

【電 話】 0770-56-1911

【拝観時間】9:00~16:00

【拝観料】 500円

【交 通】 JR「東小浜駅」から徒歩30分

          または車で10分