日本三大茅葺き屋根の阿岸本誓寺 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮りしながら、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

おやじの百寺巡礼≪NO45≫

 

阿岸本誓寺(あぎしほんせいじ)

(石川県輪島市門前町)

      令和5年9月27日(水)

 

7月に九州は大分の羅漢寺を訪ねた後

この異常な夏の暑さのため

少し間が空いてしまいました。

 

今回は石川県能登半島にある

阿岸本誓寺を訪ねました。

 

能登では最古、そして最大である

真宗大谷派の寺院です。

 

この寺の特徴は

なんといっても

大きな茅葺屋根の本堂がある

真宗寺院であるということです。

 

岩手県の正法寺本堂

山形県の出羽三山神社三神合祭殿

と並び

日本三大茅葺き屋根の本堂が

阿岸本誓寺に向かう道路の

左側の山すそに

突然現れるのを見た時に

 

それは

大変申し訳ないことですが

この静かな集落に

一向一揆の拠点となった

大きな寺が何故あったのかという

なんとも不思議な

気持ちにさせる寺なのです。

 

「お寺のすぐ前に

車が停められますよ」と

道路工事の方に教えられて

狭い道を阿岸本誓寺に向かいます。

 

とても静かな山裾の集落です。

 

車を停めて、石段を上り

山門をくぐり

正面の

大きな茅葺屋根を見上げます。

本当に大きいのです。

この屋根を葺き替えるのには

相当な期間と労力と資金が必要だと

感じました。

拝観料は納めなくても良いようです。

 

本堂を拝観するために

社務所(庫裏)を訪ねましたが

お留守のようでした。

 

しかたなく

本堂の階段を上がり

外陣を見学させていただきました。

 

お祀りで使用するであろう白像の置物

おいてありました。

 

外陣の奥には

本堂を描いた日本画が掲げてありました。

 

そしてその奥にある内陣の障子襖の中は

灯りは灯っていましたが

どこも開く様子はありませんでした。

 

本堂の階段を降り

社務所の方へ向かうと

 

目の前にタクシーが停まり

運転手が降りてきました。

 

「ご住職はお留守なのでしょうかね?」

と運転手さんに尋ねると

「今、お帰りのようですよ。」との返答。

 

やがてご住職らしき方が見えましたので

「本堂の拝観はできますか?」

と尋ねると

「どうぞ入ってお参りしてください」とのこと。

 

「障子襖が締まっている様なのですが」

「いや。開きますよ、ご自由にお詣りください。」

とのことでした。

 

たぶん襖が重かったのでしょう。

再度、本堂に向かい力を入れて

障子襖を開けてみました。

やはりご住職の言ったとおり

開きました。

とても立派な祭壇でした。

内陣はほんのりと灯りがともっていて

重厚な感じがしました。

 

その

静かな本堂内の

中央に座り

当たり前ですが

誰もいない本堂内は

本当に静かで

 

思わず

少し長い間

祭壇に手を合わせることができました。

 

本堂から降りる石段は

苔が生え

長い年月を感じさせる

風情がありました。

 

境内にどっしりと根をおろしている

アギシコギクザクラ」は

来春のために

青い葉を育てていました。

山門を出て

いつものように

振り返り

本堂を眺めました。

堂々とした茅葺き屋根の本堂

北陸の

能登半島で培われた

真宗門徒の

篤い信仰心

見たような気がしました。

     (2023.9.30記)

 

阿岸本誓寺(あぎしほんせいじ)

【宗 派】 真宗大谷派

【寺 号】 新巻山本誓寺(しんまきさん)

【所在地】 石川県輪島市門前町南ヵ26乙

【電 話】 0786-45-1355

【拝観時間】8:30~16:30

【拝観料】 寸志

【交 通】 門残バスターミナルより北鉄バス

      富来行「池田」下車徒歩5分