六郷満山の色濃く残る寺 ≪富貴寺≫ | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮ながら、時々計画を立てて、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

おやじの百寺巡礼≪NO43≫

 

富貴寺(ふきじ)

    大分県豊後高田市

     (令和5年7月5日)

 

大分の国東半島(くにさきはんとう)は

仏の里」とよばれています。

 

この地に広がる六つの里(六郷)では

多くの寺院が建立され、

宇佐神宮を中心とした

独特の神仏習合の信仰が栄えました。

 

富貴寺は「六郷満山(ろくごうまんざん)」と

称された、それらの寺の一つです。

 

国宝の大堂(阿弥陀堂)は流れるような

美しい屋根を持つ

九州唯一そして最古の弥陀堂です。

 

それを楽しみに

石段を上り、山門の下に来ましたら

以下のようなお知らせが

貼ってありました。

本日は「拝観停止」だそうです。

 

ガッカリだなと思いながら

山門両端の

阿吽の石造りの仁王像を眺めました。

 

阿弥陀堂は確かに美しい建物でした。

 

一回りすべく裏へ廻ってみます。

いろいろな苔むした石仏が

静かに建っていました。

 

宝塔(国東塔)です。

 

 

裏側にある この石段を上ると

奥の院 薬師堂(薬師岩屋)があるそうですが

雨で滑りやすい石段は残念ながら

パスしました。

 

そして阿弥陀堂の隣にある本堂は大改修中でした。

 

庫裏の隣の倉庫らしきところが

仮の本堂になっているようです。

ご住職の奥さんが出てこられて

本堂大改修の話や

この蕗谷のことや

六郷満山、神仏習合

お話をたくさん聴かせてくれました。

本堂の完成は

一応3年後となっていましたが

お金のことや檀家さんが少ないこともあり

「いつになることやら」と

嘆いていました。

 

そして

お暇を願うと

神仏習合の寺でもあるので

神社も見て帰ってくださいとのこと。

 

富貴寺も阿弥陀堂のすぐ横の

木々の中に

「大権現」と書かれた

石の鳥居が建っていました。

「白山神社」です。

この神社を管理しているのも

富貴寺のご住職だそうです。

 

帰りしなに

背後から見る阿弥陀堂が

また素晴らしく

小雨降る中、若葉に包まれたお堂は

とてもきれいでした。

 

お堂の中に入り

本尊阿弥陀如来を拝めなかったのが

とても残念でした。

 

帰りの道すがら

摩崖仏を見つけました。

「元宮摩崖仏(もとみやまがいぶつ)」です。

道路わきにある摩崖仏なので

「熊野摩崖仏」のように

大きくはありませんが

今回、ただ一つだけ

国東半島の摩崖仏

観ることができました。

やはり

この梅雨の時季は残念なことが

多いようです。

国宝の弥陀三尊像

拝むことはできませんでしたが

 

ご住職の奥様と

だいぶお話ができ

貴重な体験ができました。

 

それにしても

雨が上がってくれないかな

空を仰ぎながら

次の羅漢寺を目指しました。

       【2023.7.9記】

 

富貴寺【ふきじ】

【宗 派】天台宗山門派

【山 号】蓮華山(れんげさん)

【所在地】大分県豊後高田市田染蕗2395

【電 話】0978-26-3189

【拝観時間】8時半~16時半

【拝観料】境内自由、阿弥陀堂500円

【交 通】JR宇佐駅から車で30分