白羽織の巡礼者が行きかう結願の寺「華厳寺」 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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おやじ百寺巡礼≪NO36≫

華厳寺(けごんじ)

    岐阜県揖斐郡

   (令和5年4月16日)

 

横蔵寺から車で約15分。

西国三十三観音霊場結願寺

谷汲山(たにぐみさん)華厳寺に着いたのは

13時をまわっていた。

 

簡単なセメント造りの

総門を抜けると

長い参道が待っていた。

 

華厳寺までの距離を聞くと

「972mくらいかな」

と駐車場のおばさん。

約1Kと言わないところがいい。

 

だいぶ空腹なので

「富岡屋」の場所を教えてもらう。

五木寛之氏も食したという

あのニジマスの甘露煮が乗っている

満願蕎麦」を食べるためである。

 

参道はよく整備され

少し登りだけれども

さくらやカエデ、モミジなどの

新緑の木立が続き

木漏れ日の中を歩く

とても気持ちの良い道だった。

 

富岡屋は突き当りの仁王門手前左側に

どっしりと店を構えていた。

 

昼もだいぶ過ぎているので

店内は空いていた。

念願の「満願蕎麦」を完食し

どんぶり底の「満願成就」の印を

見ることができた。

とんぶりの周りには

「いままでは

  親と頼みし笈摺(おいずり)を

   ぬぎて納むる

      美濃の谷汲」

と書いてあった。

 

仁王門はとても立派だった。

 

左右の金剛力士像

大きな目を見開いて迎えてくれた。

参道は整備された石畳に変わり

左右に百八基の石灯篭

整然と並び

南無十一面観世音菩薩」と書かれた

幟が風になびいていた。

 

杉木立が続く参道の最後は

お約束通りの

長く続く石段である。

 

その石段の先に本堂が見える。

 

日曜日とあって

満願の御朱印をいただくための

白羽織の参拝者も多かった。

 

妻が御朱印をいただいている間に

(妻の満願はまだまだ先のようだが)

 

本堂の向かって右奥に鎮座する

「おびんずる様」をなでてみた。

そして

本堂入り口の太い柱に打ち付けてある

銅製の鯉のレリーフにも触れてきた。

俗に「精進落としの鯉」というものだそうだ。

 

この鯉に触れると、

それまでの巡礼の旅の精進生活から

解放されて俗界に帰ることができるのだという。

 

本堂の裏手に周ると

笈摺堂(おいずるどう)や子安堂がある。

笈摺堂とは

笈摺(巡礼に着用する白い羽織)や

金剛杖、菅笠などが

たくさん奉納されているお堂である。

 

西国三十三所観音霊場を巡ってきた

巡礼者がここで身に着けていたものを納め

俗世間へと戻っていく堂なのだという。

 

まさに満願霊場にしか

無い珍しいお堂なのだ。

 

そしてその先に満願堂があることを知り

さらに石段を登ってみた。

ここに十一面観世音菩薩が祀られていると聞いた。

 

振り返ると本堂が見えた。

やはり、歴史ある寺社仏閣は後ろから見ても美しい。

 

私の百寺巡礼はまだまだ先が長い。

私にとっての満願霊場は

どの寺になるかは

まだ決めていない。

 

はたしてその寺で

私は何か変わるのだろうか。

 

白羽織を身に着けた

腰の曲がった巡礼者達を

眺めながら

ふと

そんなことを思った

華厳寺の参拝だった。

     (2023.4.19)

 

華厳寺(けごんじ)

【宗 派】天台宗

【山 号】谷汲山

【所在地】岐阜県揖斐郡揖斐川町

            谷汲徳積23-1

【電 話】0585-55-2020

【拝観時間】8時~17時

【拝観料】無料

【交 通】樽見鉄道谷汲口駅から

        近鉄バス谷汲山行「谷汲山」

          下車徒歩10分