国宝観音堂から見事な庭園が・・、永保寺 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮ながら、時々計画を立てて、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

おやじ百寺巡礼≪NO37≫

永保寺(えいほうじ)

     岐阜県多治見市

     (令和5年4月17日)

 

美濃焼の産地,多治見に

ひっそりと佇む禅寺

虎渓山(こけいざん)永保寺

 

後醍醐天皇や足利尊氏の帰依を受けた

名僧・夢窓疎石により開かれたという。

 

駐車場からの参道は下り坂になっていた。

虎渓山内にある

同じ臨済宗南禅寺派の寺院

続芳院、徳林院、保寿院と続く道を

下っていくと

 

作務衣を着た修行僧が

参道の落ち葉を静かに掃いていた。

 

坂を下り終えると

形の良い檜皮葺き(ひかわぶき)の

建物が新緑の木立の中に現れた。

 

立派な本堂と庫裏が見えてきた。

今まで見てきた寺の本堂や庫裏とは

少し違い

まだ新しい造りの様だ。

 

それもそのはず

本堂と庫裏は

2003年の火災で焼失してしまい

新しく建てられた物だという。

 

本堂前の灯籠は

火災で焼けた跡が

残り色が変わっていた。

 

振り返ると

浄土庭園が広がっていた。

 

本堂前の池「臥竜池(がりょうち)」や

その池にかかる

無際橋(むさいきょう)」という太鼓橋、

そして「観音堂」は目を見張るほど

素晴らしかった。

とくに

無際橋を渡りながら見る観音堂と

清水が岩肌を流れ落ちる岩山

梵音巌(ぼんのんがん)」の

雰囲気が格別だった。

 

 

国宝である観音堂の檜皮葺きの屋根の反りが

天に張り出しているようで素晴らしい。

中には聖観世音菩薩が

祀られているそうだが

年に一度の涅槃会(ねはんえ)の時以外は

ご開帳されないという。

 

 

臥竜池を左に回り込むと、奥まったところに

開山堂が見えてきた。これも国宝である。

この中に夢窓疎石(夢窓国師)の坐像が

安置されているという。

 

無際橋を渡ると梵鐘が見えてきた。

これもなかなか立派である。

 

虎渓山永保寺は

香堂もなく、本堂にも上がれないので

本堂前で静かに手を合わせ礼拝した。

 

振りかえり

再び臥竜池を見渡した。

 

新緑の木立に囲まれ

本当にコンパクトにまとまった

手入れの行き届いた浄土庭園だった。

 

やはり後ろ姿の観音堂も魅力的だ。

 

虎渓山永保寺は

地元の方々に愛されてる寺なのだろう。

 

静かで整然と佇むこの寺の

紅葉に彩られた

秋の風情も見てみたい。

 

帰路の坂道を登り

振り返りながら、

ふとそんなことを思わせる寺だった。

        (2023.4.20記)

 

永保寺(えいほうじ)

【宗 派】臨済宗南禅寺派

【山 号】虎渓山(こけいざん)

【所在地】岐阜県多治見市虎渓山町1-40

【電 話】0572-22-0351

【拝観時間】7時~17時

【拝観料】境内自由

【交 通】JR多治見駅から東鉄バス小名田小滝行

     虎渓山下車徒歩五分