ミイラ(即身成仏)が眠る寺〈横蔵寺〉 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮ながら、時々計画を立てて、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

おやじの百寺巡礼≪NO35≫

 横蔵寺(よこくらじ)

     岐阜県揖斐郡

                               (令和5年4月16日)

 

高速道路を乗り継いで約6時間

ようやく揖斐川(いびがわ)の上流に

ひっそりと佇む

山号を両界山という

横蔵寺に到着した。

 

伝教大師最澄が自作の薬師如来を祀った寺である。

 

飛鳥川にかかる朱塗りの橋(医王橋)が

新緑の中に映えている。

 

橋をわたると

まるで城壁のような石塀が迫ってくる。

 

その石塀からにょっきりと幹を出すモミジを見つけた。

かなりのど根性モミジである。

 

視線を前に向けると

重厚な仁王門が迫ってくる。

 

仁王門の両サイドには

大きなワラジが出迎えてくれていた。

門の両側でにらみを利かす仁王像

保存のため瑠璃殿に移されているそうだ。

 

その

仁王門をくぐると

右手、石垣の上に三重塔がドーンとのしかかってきた。

 

軒先のとがった

均整のとれた、きれいな塔である。

 

境内の中央にある香堂の向こうに

本堂が見える

 

本堂の内陣の奥には

本尊の薬師如来が安置されているという。

秘仏で60年に一度、開扉されるそうだ。

 

本堂にお参りし、香堂に線香をあげ、

亡き息子のために手を合わせた。

 

本堂裏手にある

新しい立派な鐘楼堂

観音堂を眺めながら舎利堂を目指した。

 

 

再び飛鳥川にかかる石橋を渡り

白いシャガの花が咲き乱れる坂道を登り

舎利堂にむかった。

この舎利堂内に

妙心上人の舎利仏(即身是仏)である

ミイラが安置されているのだ。

 

この谷汲(たにぐみ)で生まれた妙心という僧は

即身是仏を志し、修行に励んだ。

 

そしてついに祈願を果たし

ミイラ(即身是仏)となったという。

 

目を見開き、大きな口を開けた

妙心上人の即身是仏を拝ませていただき

そっと手を合わせた。

 

次に隣の瑠璃殿に向かう。

仁王門にあったという

迫力ある二体の仁王像

十二神将を拝観しながら

 

正面左の

深沙大将立像(じんじゃたいしょうりゅうぞう)前に立つ。

楠の一本造り、頭髪は逆立ち、飛び出た目、

ふんどしのような腰巻からは少女が飛び出している。

恐ろしいようでもありユーモラスなようでもある

なんとも不思議な立像だ。

西遊記の沙悟浄のモデルとも言われているという。

 

横蔵寺は美濃の正倉院とも称されている。

 

いささか大げさではあるが

重文の像が多いためだろう。

 

静かな山間の新緑の中で

数々の仏像を拝観できた。

 

ミイラといい、深沙大将といい、

他の寺ではめったに拝むことのできない

仏様にも出会えた。

 

季節が良かったのかもしれない。

そして好天にも恵まれた。

 

新緑の山間に

ひっそりと佇む神秘の寺

両界山横蔵寺に出会えた幸せを

つくづく感じる

百寺巡礼の旅であった。

        (2023.4.18記)

 

横蔵寺(よこくらじ)

【宗 派】天台宗

【山 号】両界山

【所在地】岐阜県揖斐郡揖斐川町

     谷汲神原(たにぐみかんばら)1160

【電 話】0585-55-2811

【拝観時間】10時~16時

【拝観料】境内は自由。

     瑠璃殿・舎利堂共通200円

【駐車場】無料

【交 通】養老鉄道揖斐駅より車で15分