秋篠宮家ゆかりの苔庭の美しい寺に出会う。 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮ながら、時々計画を立てて、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

2023.2.16

おやじの百寺巡礼≪NO30≫ 

秋篠寺(あきしのでら)

奈良県奈良市秋篠町

 

奈良市の近鉄大和西大寺駅前を通り

秋篠寺へ向かった。

 

大和西大寺駅といえば、

昨年、安倍前総理が凶弾に倒れた場所だ。

思わず車の中から冥福を祈った。

 

秋篠寺は昔からの家並みが残る

細い路地のような道の奥にあった。

 

無料の駐車場に車を置き、

東門の前に立った

小さな門構えと

手入れが行き届いた参道が続いていた。

雑木林の先にきれいな苔の庭が現れた。

境内の外で行われている道路工事の音も

全く聞こえない静寂の苔庭がここにあった。

この地は「時雨の里」とも呼ばれているそうだ。

 

拝観料を納め、本堂へ向かった。

コンパクトに収まった本堂が見えた。

屋根の形がとても素晴らしい。

この本堂の中に以前から観たかった

あの伎芸天が立っているのだ。

 

本堂の中は写真撮影はできないので

残念だが

薄暗い空間の中に

本尊の薬師如来や数体の御仏と共に

伎芸天が立っていた。

 

かすかに体を傾け首をかしげたお姿が

悩ましい。

芸術の守護神と言われ

日本にはこの一体しかないという。

その微笑にしばし見とれてしまった。

 

本堂の外へ出て境内を歩いた。

 

このちいさなお堂「大元堂」の中にも

秘仏「大元師明王立像(たいげんみょうおうりゅうぞう)」

がおられるらしい。

苔庭や境内の中には、会津八一や川田順等の

著名な方々の歌碑が立っている。

苔庭の中に建っている歌碑は

中に入れないので見ることはできなかったが、

我が故郷の歌人「吉野秀雄」の歌碑ときいて

少しうれしかった。

散策で時を忘れていたが

レンタカー車を返す時間が来たようだ。

 

静寂の雑木林を抜け、

南門の前に着いた。

思い出に残るこの寺を拝観でき

心が洗われたようだった。

秋篠寺は奈良の寺の中でも、

大好きな寺の一つになった。

季節のよい時季に再び訪れることを

願いながら寺を後にした。

 

秋篠寺(あきしのでら)

【宗 派】無宗派

【所在地】奈良県奈良市秋篠町757

【電 話】0742-45-4600

【拝観時間】9時半~16時半

【拝観料】500円

【交 通】近鉄大和西大寺駅から奈良交通バス

     押熊行「秋篠寺」下車すぐ