並び立つ二つの三重塔の秘密(薬師寺) | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮りしながら、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

2023.2.16

おやじの百寺巡礼≪NO28≫ 

薬師寺(やくしじ)

奈良県奈良市西ノ京町

 

薬師寺への導線は

松並木に囲まれた白い石畳だった。

この参道からは、まったく薬師寺の伽藍が見えない。

右に折れ、左に折れると

正面に

二つの塔が現れた。

南門越しに

二つの塔が眺められる。

新旧二つの塔、東塔と西塔だ。

 

左に大きな石塔が建っていた。

拝観料を納め

中門越しに金堂を眺める。

大きな建物だ

昭和51年に再建された金堂は

まだ朱色が鮮やかだった。

特に瓦屋根の上にそびえる

二つの鴟尾(しび)が金色に光っている。

その金堂を正面に、左右に建つ二つの塔。

創建当初から建つのが東塔だ。

そして向かい合って建つ

昭和56年に復興された西塔

曇り空なので、色の違いが判りずらいとおもうが

西塔のほうが明らかに鮮やかである。

 

東塔も2021年に全面解体修理が

行われたという。

 

一見、六重塔にも見えるが

各屋根の下の裳階(もこし)という

飾り屋根があるからだろう。

 

いずれにしても美しい二つの塔である。

 

この対照的な二つの塔には

秘密があるそうだ。

 

実は新しい西塔の軒先を

30㎝ほど高くしたらしい。

 

塔の重みで沈み、

木は縮むことを見越して

千年後に両塔の高さがそろうよう

計算したという。

 

そのために樹齢千年を超すヒノキをさがし、

当時の工法で同じようにつくることで

千三百年建ち続けている東塔と同様に

千年先を見越しているのだという。

 

素晴らしいことだと思う。

火災に合わぬことを願うばかりだった。

 

金堂の裏に建つ

大講堂を拝観した。

平成になって完成した

木造では世界最大級の伽藍だ。

こうして次々に創建当時の大寺院が再興され

創建時の白鳳伽藍がよみがえった薬師寺である。

 

裏手の庭の紅梅、白梅が咲き始めていた。

金堂で行われる法話も

この時季は観光客も少ないので

行われないとの通知もあった。

金堂内の

薬師三尊像も拝観できたし

境内に咲く梅の花も見られた。

 

法話は次回に期待しよう。

また訪れる機会があることを

心に祈りながら

薬師寺の参道をあとにした。

      (2023.2.26記)

 

薬師寺(やくしじ)

【宗 派】法相宗大本山

【所在地】奈良県奈良市西ノ京町457

【電 話】0742-33-6001

【拝観時間】8時半~17時

【拝観料】800円

【交 通】近鉄西ノ京駅から徒歩すぐ