中将姫に会いに。(當麻寺) | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮ながら、時々計画を立てて、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

2023.2.15

おやじの百寺巡礼≪NO26≫ 

當麻寺(たいまでら) 

奈良県葛城市

 

本日、五か所目の寺 當麻寺に着いたのは

午後3時をまわっていた。

寺前の駐車場には数台の車しかない。

 

料金も時季外れの平日ということで

無料のようだ。

 

當麻寺の正式名称は「禅林寺」というらしい。

立派な仁王門には

大きなわらじと

両側の仁王像がにらみをきかせていた。

一礼し仁王門をくぐる。

正面に梵鐘が見えた。

 

そして左に中之坊

奥に曼荼羅堂(本堂)が見えている。

この中に

中将姫が鎮座しているらしい。

そして

左手には金堂、右手には講堂が建っている。

迷わず曼荼羅堂へ。

拝観料を納め中に入った。

 

當麻寺の本尊は「當麻曼荼羅」と呼ばれる織物だった。

 

内陣を本尊に向かって右へ進み左に折れたすぐ横に

中将姫の像が静かに座していた。

「オオ~ッ、これだ」

思ったより大きく、

白い頭巾をかぶった像に

少しドキッとした。

 

中将姫は奈良時代の右大臣

藤原豊成の娘だと伝わる。

 

幼くして母を亡くし

16歳の時に出家を決意、

現世の浄土を求めて

當麻寺へたどり着いた。

 

当時 當麻寺は女人禁制だったという。

しかし、一心に念仏を唱え出家を許された。

 

姫の信仰は厚く、

阿弥陀如来と観音菩薩の加護を受け

蓮の糸で

一夜にして「當麻曼荼羅」を

織りあげた。

 

これが寺の本尊「當麻曼荼羅」だという。

本尊が曼荼羅の織物というのは日本でも

この寺だけらしい。

 

中将姫はこの曼荼羅を使い

浄土の教えを説いた。

 

そして29歳の時に阿弥陀二十五菩薩の迎えで

浄土へ往生したと伝えられている。

 

曼荼羅堂を出て講堂へ向かった。

 

係の人が付いてきて、

それぞれの重文である仏像の

 

案内をしてくれた。

 

金堂にも同行してくれ

様々な仏像の説明を聴いた。

 

この寺は浄土宗と真言宗

二つの宗派で成り立っている

不思議な寺だ。

 

例えば中之坊は真言宗、

奥の院は浄土宗であり、

 

二つの寺が交替に

この伽藍と宝物たちを

お守りしているらしい。

 

ちなみに今年は

浄土宗の僧侶たちが

お守りしていると聞いた。

 

面白い寺である。

また寺庭の裏山に借景のように

三重塔が東西に

二塔建っているのが見える。

 

東塔西塔

奈良時代の創建当時のまま

残っているのも

日本では

ここだけと聞いた。

伽藍の屋根の上に少しだけ見える

左右、二つの塔。

 

近くまで行けなかったが

歴史ある重厚な塔だとわかる。

本当に素晴らしい景色、

良いものを見ることができた。

4時をまわった。

 

レンタカーの返却時間が迫っている。

 

同行している妻の

西国三十三観音巡りの岡寺も含め

今日は5ヵ寺を巡ることができた。

 

奈良郊外の趣のある寺は

まだまだたくさんある。

 

明日は、奈良市近郊の

寺を巡る。

 

風花が舞う寒い一日だったので

ホテルに戻り

近くの居酒屋で一献🍶。

 

ゆっくりと風呂🛀に入り

明日、巡る寺を思い浮かべながら

休むことにしよう。

        (2023.2.22記)

 

當麻寺(たいまでら)

【宗 派】真言宗と浄土宗の両宗並列

【寺 号】二条山禅林寺(通称 當麻寺)

【所在地】奈良県葛城市當麻1263

【電 話】0745-48-2008

                   又は48-2001

【拝観時間】9時~17時

【拝観料】本堂・講堂・金堂

              共通500円 奥の院300円

【交 通】近鉄当麻寺駅から徒歩15分