山門が夕日に映えて輝く瑞龍寺 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮りしながら、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

10月25日(火)

おやじの百寺巡礼≪NO18≫ 

瑞龍寺(ずいりゅうじ)

富山県高岡市

 

数日前に息子が亡くなった。

突然の事故だった。

 

葬儀を何とか済ませ、

いまだ呆然としながらも

 

息子が一人で住んでいた

数百キロ離れた土地にある

アパートの

部屋の整理を

泣きながら済ませた。

 

何もなくなった部屋を

ながめながら

 

ふと思った。

 

ここは富山県である。

そして奇しくも息子のアパートから

歩いて数分のところに

瑞龍寺(ずいりゅうじ)がある。

 

明日までの日程で滞在しているので

夕方少し時間が取れた。

 

瑞龍寺へ行ってみよう。

妻と相談して出かけてみた。

気を紛らわす意味もあった。

 

瑞龍寺の長い参道は石灯篭が整然と続いている。

 

車を降り、瑞龍寺と彫られた石塔を見る。

 

小学生の下校時間なのだろう。門前を走って帰る

ランドセルの子どもたちが、目の前を通り過ぎた。

 

拝観料を払い、堂々たる構えの総門の前に立った。

 

総門をくぐり、正面の山門を仰いだ。

 

重厚な山門である。そして左右に回廊が張り巡らされている。

圧倒されながら山門をくぐると左に禅堂、右に大庫裏が見えた。

 

正面に仏殿。素晴らしい眺めである。

大庫裏(右側)

禅堂

 

 

正面の仏殿の瓦は鉛瓦(なまりがわら)だという。

陽を浴びて黒光りしている。

 

金沢城の石川門にも使われている重厚な瓦で、

いざというときには

鉛を溶かし鉄砲の玉にするという一説があると聞いた。

 

仏殿の中に入ると釈迦・文殊・普賢の三尊が鎮座している。

内部は総ケヤキづくりと聞いている。

 

柱の太さにも感激した。

使用した大木はこの柱の4倍あったという。

 

さらに先へ進んだ

 

仏殿の奥には大きな法堂がある。

重厚なそして壮大な建物である。

総ヒノキ造りとなっていて、

中央奥の内陣には

二代藩主前田利長の御位牌が安置されている。

 

そう、この寺は加賀二代藩主前田利長公の菩提を弔うため

三代藩主利常公が建立した曹洞宗の寺院である。

この寺の山門、仏殿、法堂

平成9年に国宝となっている。

 

他の建造物もすべて重要文化財であり、

江戸初期の禅宗寺院建築として

高い評価を受けているそうである。

 

時は夕刻となっていた。

 

法堂の前では、成人式の前撮りであろうか

若い女性の和服姿がとてもよく映えていた。

 

夕日を浴び、さらに荘厳さを増した仏殿が見えた。

 

山門も夕日に映えて重厚な姿を見せていた。

 

 

ほんの少しだが、妻も気がまぎれたようだ。

 

そうだ明日の帰路の途中で、もう一つ寺院訪れてみよう。

 

南砺市井波の瑞泉寺である。

 

息子の弔いでもある。

 

明日も天気が良さそうでよかった、

空を見上げふと思った。

                (2022.11.2記)

 

瑞龍寺(ずいりゅうじ)

【宗 派】 曹洞宗

【山 号】 高岡山

【所在地】 富山県高岡市関本町35

【電 話】 0766-22-0179

【拝観時間】9時~16時30分

【拝観料】 500円

【交 通】 高岡駅から徒歩10分