一人の女性が亡き夫のために建立した寺 | 乗り鉄親爺の寺巡り

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鉄道大好き親爺が列車や車で、写真を撮りしながら、大好きな作家五木寛之さんの「百寺巡礼」のように全国の寺巡りをしています。

2021.7.27

おやじの百寺巡礼≪NO13≫

白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)

福島県いわき市

 

白水阿弥陀堂

福島県いわき市にある。

 

勝常寺拝観の後、高速でいわき湯本ICに向かった。

 

相変わらず蒸し暑い。

 

本坊である願成寺(がんじょうじ)駐車場に車を停め

阿弥陀堂を目指した。

 

阿弥陀堂が見えてきた。

 

庭園の池にかかる赤い太鼓橋は少し色あせていたが、

その先に見える阿弥陀堂はどっしりと重厚な姿を見せていた。

 

 

阿弥陀堂はさすがに国宝である。

方三間単層宝形造り杮葺き

(ほうさんま たんそうほうぎょう づくり こけらぶき)

という造りだそうだ。

 

内陣の天井は宝相華(ほうそうげ)の文様がうっすらと見え、

当時の豪華さが偲ばれた。

 

本尊阿弥陀如来が堂々と正面に鎮座し、

脇に勢至菩薩(せいしぼさつ)、

観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を従えていた。

 

そして、その脇には持国天皇(じこくてんのう)、

多聞天皇立像(たもんてんりゅうぞう)とあり、

すべて国重文とあった。

 

池のほとりに佇む地蔵菩薩

 

 

 

この阿弥陀堂の南面には手入れの行き届いた

浄土庭園が広がっている。

 

蓮華の時季は過ぎてしまっていて残念であったが、

平泉の毛越寺浄土庭園(少し小ぶりだが)をおもわせる。

 

池に配置された石の上にはアオサギが羽を休めていた。

 

 

 

 

背後の経塚山が良い借景となり、

阿弥陀堂と浄土庭園を引き立てていた。

 

白水阿弥陀堂を後に、本坊の願成寺に向かった。

山すそに墓地が広がり、山門も立派な寺院であった。

 

 

阿弥陀堂と本坊と山の坊、

さらには白水常盤神社までを合わせ、

壮大な敷地を持つ

この願成寺は

この地を代表する寺院なのだろう。

 

静かな山間にある寺院を訪ね、

古の隆盛を感じるに充分な場所であった。

                   (2022.7.28記)

 

白水阿弥陀堂(願成寺)

(しらみずあみだどう がんじょうじ)

【宗 派】真言宗智山派 

【寺 号】菩提山無量寿院願成寺

【所在地】福島県いわき市内郷白水町広畑219

【電 話】0246-26-7008

【拝観時間】8時半~16時

【拝観料】500円

【交 通】JRいわき駅または内郷駅から新常盤交通バス

     川平行「あみだ堂」下車徒歩5分

 

 *いわき市の西、経塚山の懐に抱かれて佇む。

  平安末期、藤原氏の一族である徳姫がなき夫の極楽往生を

  願い建立。地名の白水も平泉の泉の文字を二つに分け

  「白水」としたと伝わる。

 *境内は浄土庭園を表現し、

  その中心に阿弥陀如来を祀る阿弥陀堂が建つ。