《six》9 | すーぱーじゅにあ ウネがかわいいっ 月子のブログ

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ドンヘだ
ドンヘだ

やっと会えた



「ドンヘだ…よな?」


「ぴゅん…」



ああ…やっぱり、ドンヘだ。
「うん」を「ぴゅん」とか言う奴なんて
ドンヘしかいないもん



どうしよう
抱きしめてやりたい


そう思っていたらドンヘの方から胸に飛び込んできた。



「ドンヘ…」



もう、二度とオレの側から離れていってしまわないように
もう、二度とオレの前から消えてしまったりしないように

オレの大切な《宝物》を懐に閉じ込めるように抱きしめた。



「ひょぐっえぐっ ひょぐんごど おいでぎで
ごべんでぇ ふげほげっ」


「この、おバカ!オレが、どんだけ心配したと思ってるんだよ!?」


「ふぇぇ〜んっ」


「でも、良かった….やっと、やっと会えた…ドン「ミナミサン!」



うおっ!?
びっくりした!


ちょっとマスター急におっきな声出さないでよ



って
え?ミナミサン?て、なに?

キョロキョロしているとさっきドンヘが出てきたドアから、いかにも(YAKUZA)というような男が出てきた。


マスターと男が日本語で話をはじめたので
何を言っているかわからなかったから



「誰?」



ドンヘに聞いてみた。



「うーっとね?あのひとは、オオトモイッカの若頭」


「オオトモイッカの若頭?オオトモイッカって
ボスを入れても6人しかいんだろ?それでも、若頭とかいるんだ?」


「良い人だよ。あ、それとオオトモイッカのボスの事を街の人たちは『オヤビンぷん』て呼ぶよ」


「オヤビンプン?」


「あー間違えたあ〜 『オヤビンぽん』だったかも〜」


「、、、ドンヘ…多分それ「オヤブンサン」じゃないかな?たしか日本のYAKUZAは組長の事をオヤブンて呼んだりするって書いてあったし、それと「サン」が敬称だったような気がするもん」


「ヒョクって天才だなあ〜…もう日本語ペラペラじゃんか」


「これを、ペラペラって言う?」


「やっぱりお前、オオトモイッカにお世話になってたんだな」



とか話してたら



「ヒョクチェさん」



若頭と話が終わったらしいマスターが声をかけてきた。

やっぱり、「サン」は敬称だ
って事は「オヤブンサン」が正解だったみたい。



「あ、はい」


「紹介しておくよ。彼は大友一家の若頭で、、、」


「@#€$☆*〆%」



え?なんて?
日本語だし ゴニョゴニョ喋るしで
全く 聞き取れない。



「ワシャア、ミナミ・タツオジャ だって」



え?ドンヘが通訳してくれんの?
ワシャアミナミタツオジャってなに?
ヨジャなの?ナムジャなの?
それ、通訳にはなってないけど



「あ、『俺は南辰雄といいます』って自己紹介だよ」



マスターがちゃんと通訳してくれる
自己紹介だったんだ



「えっと、オレはイ.ヒョクチェといいます。ドンヘがお世話になってます」



頭を下げたのにミナミさんという人は無反応

感じ悪っ!

と、思ったけど
オレが韓国語で挨拶しちゃったから何を言ってるのか分からなかったのかもしれないわ



「今から、南のカシラと一緒に大友一家の事務所に行って貰えるか?大友組長が話をしたいって言ってるらしいから」



マスターにそう言われた



「ドンヘは?」


「勿論、一緒だよ」


「オレがオオトモイッカの事務所に案内シチャルケェ」



訳の分からん事を言いながらドンヘがオレの手を取る


シチャルケェ?って何?



「シチャ…ルケ?なに?日本語?」


「ヒロシマの言葉だよ!」



あ、そうなんだ。
随分、この国に慣れたんだな。



「マスターは一緒に来てくれないんですか?」


「オレは店があるから」


「でも、オヤブンサンと話すなら通訳をしてくれる人がいないと、、、」


「ドンヘにしてもらえばいい。」


「いや、無理でしょ?」



ドンヘの「案内シチャルケェ」とか訳の分からない通訳じゃ困るんだよ。



「俺も店を閉めたらすぐに行くから、取り敢えず先に行って」


「、、、わかりました」



後から来てくれるなら
それまで、オレの一夜漬けの日本語で、なんとか凌ぐしかないな。


、、、てのは、無理か。





「ヒョク行こう」


「うん」



店の裏口を出てミナミサンを先頭に細い山道を歩き出した。



「この道を少し行ったところにオオトモイッカの事務所があるんだ」



本当に近くにいたんだな



「ドンヘ、お前に聞きたいことが沢山あるんだよ」


「オレも話したいことが沢山ある」


「お前、組の金はどうした?」


「あれは、ひとにあげちゃったんだ。だから日本に来るときは一文無しだった」


「他人に?あげたって…」



やっぱり、自分のために持ち逃げした訳じゃなかったんだな。



「あ、一文無しは、ちょっと盛った。10万ウォンは持ってた」



「10万…ウォン?それだけの金しか持ってなくて、どうやってこの国に来れたんだよ?」


「オオトモイッカのひとが飛行機のチケットくれた」



???


なんで、そこにオオトモイッカが出てくる?
それに組から持ち出した金を誰に渡したんだ?



「オレの大切なひとの分もちょうだいって言ったら、それは後でって」


「大切な、、、ひと?それって…オレの…事?」


「オレの大切なひとはヒョクしかいないじゃん!」



めちゃくちゃ嬉しい
けど、ドンヘの話は全く要領を得ない。



何故、そこにオオトモイッカの人間が居たのか
何故、ドンヘの窮地を知ったのか
ドンヘが金を渡したという人間がどこの誰なのか

一番、謎なのは
何故、ドンヘをヒロシマに連れてきたのか。





オオトモイッカの事務所は、街を見守るように高台に建ていた。
外観はYAKUZAの事務所というより、少し大きめの普通の民家のように見えた。


一階の大きな引き戸を開けると広めの土間があり
その奥に畳敷きの座敷、この土間と畳敷の部屋が事務所として使われているらしい。

若頭に案内されて
二階にある部屋の一室へ入ると

その中央に60代後半くらいかの初老の男性が座っていた。



「よう、よく来たな、あんちゃん。まあ、座んなよ」



男は韓国語で そう言って
優しそうな笑顔をオレに向けた。




この人が

オオトモイッカのオヤブンサン


大友武だった。



































つづく