「特別な関係」の二人・静岡グランプリエピローグ | ふぬ競 第二章

ふぬ競 第二章

寛仁親王牌までお休みです。


今年の競輪界の最後を締めくくる
静岡グランプリを制したのは
大阪の古性優作。


打鐘過ぎから先行した脇本の番手から
ゴール前で一気に差し切り
2021年の静岡GP以来2回目の優勝
賞金獲得額は3億8千万円を超えて
史上最高額を更新。


今年は準決で失格した競輪祭を除く
すべてのGⅠ・GⅡで決勝に進出。
窓場の番手から平塚オールスターで優勝
寺崎ー脇本の3番手から寛仁親王牌を
優勝してGⅠは2回獲得
そして今回も盟友と言っていい
脇本の番手からグランプリを制覇



自力でラインを連れ込む先行捲りも
番手での捌きや自在の競走もこなし
バランス感覚抜群のヨコの動きで
「競輪を完成させた男」
と呼ばれる古性ですが
今年は近畿ラインの仲間に助けられた
1年だったと振り返り……


 

「脇本さんが色々な展開での
 作戦を考えていて、
 叩きに行くタイミングなど
 全て作戦通り。
 これまでの脇本さんとの
 作戦会議の中で一番長かった。
 凄い掛かりで、もう誰も
 来れないと思ったし、
 来ても僕の所で止められると。」



 
「昨日、夕方の指定練習で脇本さんが
 この時期では考えられない
 タイムを出していて、
 僕も今年一番の仕上がりを感じていた。
 静岡の相性、走っていて
 本当に気持ちがいい。
 この優勝は脇本さんはもちろん
 近畿の仲間に助けられてのモノ。
 今年は窓場千加頼君と寺崎浩平君の
 2人のおかげでグランプリに
 乗せてもらいました。
 そのおかげで近畿ラインの強さを
 見せられたと思うし、来年は近畿の
 若手がもっと出てきてほしいですね。
 自分も近畿を盛り上げられるよう
 ラインの中で頑張りたい。」


急成長を遂げた窓場千加頼や寺崎浩平を
はじめとする近畿の自力選手に
来年は早期卒業の市田龍生都がデビュー
さらに層が厚くなるんでしょうね。

2月の豊橋全日本選抜に優勝すれば
グランドスラムを達成するワッキー
そしてダービーと競輪祭を2回獲って
ダブルグランドスラムを目指す古性


やはり「特別な関係」と自他ともに
認める、絆ある近畿ツートップの連携が
来年も続いていくのでしょう。




おめでとう!古性!
ありがとう!古性!



本日はサテライトの特観席で
午前中から輪友の皆様との観戦


カイジくん


ヤオちゃん


そして当ブログ特別解説員(無報酬)


灰人さんと筆者との、いつもの4名




今年は配当10万以上の車券を
計6回獲ったらしい、灰人さんとの
ビッグレース決勝恒例の検討会




灰人さん
「で……お前の本命は誰よ?」


筆者
「俺は古性のアタマから。」



「まあ…どんな展開でも3着以内に
 入りそうなのは古性だから

 そりゃそうかなって思うけど
 ワッキーから理由なく切り替える
 ことはできないから、ワッキーが
 立ち遅れた時や8番手になった時は
 ちょっと厳しいだろうな。」


「じゃあ、お前の本命は?」



灰人さん
「…………郡司のアタマ中心。」




「え……
 いつも郡司がヘマするたびに
 めっちゃ辛口の批判をしてて
 古性に番手を取られるたびに

 


 ま〜た、『お笑いグンジ道場』
 始まったって……爆笑している
 あなたが大嫌いな選手の郡司を
 この大一番で軸にするの?」



「いつも言ってんだろ、
 俺は好き嫌いでは車券は買わないし
 大嫌いな郡司でも展開上で来ると
 シュミレートすれば買うし、
 愛する森田でも、来ないと結論すりゃ
 バッサリ切っちまうからな。
 今回は郡司が中心。」


「じゃあ……展開は?」



「まず、南関の二段駆け防止で
 古性がダッシュして近畿が前受けか
 眞杉か平原がしつこくインくれして
 きたら入れるかも…で
 郡司は枠負けしてるからS取れず
 初手は南関が最後尾か、その後ろに
 新山か清水がいるかも。
 新山は位置にこだわらないけど
 清水は切り替えしながら位置取りが
 可能な中団ラインの後ろだろうな。」


「まあ、そこはいちおう同意。」



「で…どんな展開でも北井は赤板で
 上昇して先行態勢に入るから
 その時に眞杉は初手中団なら
 一緒に上がってワッキーを被せて
 前受けならワッキーを牽制して
 ちょっとペースを上げて南関を
 受けて……そのときのペース次第で
 岩本のところかその後ろに飛び付き。
 その展開なら近畿はすんなり下げる。」


「その時の単騎二人の動きは?」


「清水は南関についていくかも…
 だけど新山は自分のタイミングで
 最終ホーム〜バックの間で仕掛けようと
 狙っているからついて行かない。」


「眞杉の狙いは中団から捲り?
 それとも南関の分断?」


「いや、北井が物凄いダッシュで
 3人揃って出切るようなら中団だけど
 岩本のところを狙う可能性のほうが高い。
 郡司のところに行くと長引いて
 ワッキーや新山の捲りが飛んでくるし
 南関の3人を出したところに
 清水がついてきちゃったら面倒だから
 一番ヨコが甘い岩本のところが狙い目。」


「で…北井が先行で郡司が番手捲りか。
 そこは俺も考えたんだけど、北井の
 競輪祭から大垣記念の調子がボロボロで
 駆けてもワッキーに捲られそうな気が
 してるんだよなぁ……。」


「まあ、北井も高松宮杯の決勝で
 格上の郡司に死に駆けしてもらって
 タイトル獲ったわけなんだから
 ここでの自分の役目は解ってるだろ。
 ワッキーと眞杉が相手じゃ、郡司は
 二段駆けしないと勝てないだろうし
 赤板でダッシュして前を叩いて
 バック線をゴールと思って駆けりゃ
 郡司も脚だけはあるんだから
 番手捲りすりゃ勝つだろ。

 ただ…眞杉は賢いし感性があるから
 岩本をどかして郡司の後ろを取って
 ワッキーや単騎勢が捲ってきたときに
 郡司が外に牽制すりゃ内を突くし
 古性あたりが降りてきたら弾いて
 外から追込みで、アタマまでありそう。
 だから郡司=眞杉ー平原古性あたりが
 本線だな。」

 


「なるほど………。」


「郡司と眞杉が直線でヤンググランプリの
 カイヤと中野慎みたいに踏みあったら
 平原にビクトリーロードがポッカリと
 開いちゃうってこともありそうだから
 平原のアタマまで押さえるわ。
 郡司=眞杉はたぶん安いと思うけど
 まとめて買える車券だからな。」


「GPになると仕掛けが早いワッキーが
 一気に叩きに来たり、ホームあたりで
 カマシを打ったりすることは?」


「確かに今年のワッキーはラインの
 競走を覚えてきてるし、古性にだけは
 心を開いてるって言うか…他の選手とは
 ぜんぜん違ったバンク内外での信頼関係が
 あるから、駆けてもおかしくないけど
 北井クラスの選手が死に駆けしたら
 簡単には捲れないんじゃないの?
 
 北井は11月の下旬から大垣記念は
 不調だったみたいだけど、GPに向けて
 追い込んだ練習をし続けていて
 疲労のピークだったらしいからなぁ…。
 
 でも、ワッキーと北井が壮絶な
 叩き合いをしちゃったときには
 内にいそうな眞杉や清水よりは、
 長い距離を踏むのも苦にしない
 新山の単騎ガマシの一発がありそうで
 そこだけ小銭で買っておくわ。」



「う〜ん……能書きには納得だけど
 やっぱり北井の調子がボロボロなのが
 気になるかなぁ…。」


「ボロボロだからこそ、ここは郡司に
 獲らせておきゃ、次回は郡司や松井が
 死に駆けして獲らせてくれるだろうよ。
 逆に郡司は、前は死に駆けしてくれる
 同県の北井がいて、後ろは裏切らない
 お人好しの岩本が固めてくれるから
 こんな大チャンスはもう無いかも
 しれないってことなんだから、
 なんの躊躇もなく番手捲りするだろ。

 



 俺には見えるぜ、ゴール後に
 北井の背中をポンポン叩いて称える
 郡司の姿と、郡司のオヤジの盛夫さんが
 北井の師匠の高木と一緒に観戦してて
 『ありがとう。』って高木に伝えながら
 息子のGP制覇に涙を流す姿が。」
 
 
「相変わらず想像力が豊かだねぇ……。」


「まあ、このあとの忘年会では

 郡司からもらった金でみんなに
 おごってやるから、安心しなさい。」



 「過去4年間はワリカンだけどなッ!」


レースは号砲で古性が前に出るも
平原に前を譲って南関は後方から

関東ー近畿ー清水ー南関ー新山で周回

赤板で眞杉が誘導との間を空けて
やや後方を牽制するところ、北井が
上昇して先頭に立ち、眞杉は岩本の
ところに並走して……





後ろで見ていた灰人さんが激怒
「北井テメェ、なんでチラチラと
 後ろ見てんだッ!早く踏めッ!」







 眞杉がレース後にコメントで


「あまりにペースが遅かったんで
 あーやばい、これじゃ行かれる…と
 思ったところで脇本さんが来た。」

と語る、ジャストタイミングでの
ワッキーのカマシが炸裂して
追走の古性、単騎の清水・新山と
4車でホーム手前で一気に出切って…




郡司は切り替えて追走するかどうか
迷ってしまって踏み出しが遅れて
1センターで味方のはずの北井に
頭突きを食らってしまい

 


「お笑いグンジ道場」は本日も開催

死に駆けしてグランプリに連れてきた

ラインの仲間に頭突されるって

いったいどんな気分なんでしょうか…?



ハイペースで駆けるワッキーに
新山も清水も自力で捲りを
仕掛けられないまま、追走一杯


ゴール前で古性が差し切り
清水が追走したままの2着
駆けたワッキーが3着に残り決着。


「北井はあの仕掛けでワッキーの
 ダッシュを合わせられると
 思ったのか、そもそも叩きには
 来ないと思ったのか……
 バックではもうメイチ駆けないと
 いけないところなのに、
 チラチラ3回も後ろ見やがって
 しかもそれで叩かれるって……
 これは酷い。」


「ああ、現場にいたら罵詈雑言の
 限りを浴びせてたと思うわ。
 全国の郡司と眞杉から車券を買った
 ファンも、俺と同じ気持ちで

 あの後ろチラ見するグズったれの
 北井を●●したくなっただろうな。」



「俺には見えるぜ、北井の師匠の
 高木が郡司のオヤジに頭を下げて
 『弟子の不始末、スイマセンでした。』
 って、詫びている場面が。」

 
「ああ、北井は明日の早朝に
 高木に道場に呼び出されて、
 『今から街道200km行って来い』
 って通告されてそうな気がするわ。」


古性の一番の勝因は……やはり
抜群のデキだったと思うワッキーが
出し惜しみなく駆けてくれたおかげ

1億4千万円のかかった舞台で
北井がナメくさっていたとはいえ
叩き合い上等、差されても構わない
勝たせる先行をしてくれたのは、
やはりこの両者の「特別な関係」
ゆえなんでしょうねぇ。



古性もワッキーの思いに応えて
最後はちょっと早めの踏み込みで
ワンツーはなりませんでしたが
もし遠慮して誰かに強襲されたら
シャレにならないので当然の行為




清水は……選んだ位置はベストで
南関の後ろにつけたら眞杉や平原と
揉めていたでしょうし
関東の後ろではワッキーの仕掛けに
切り替えられず最後方でしたから
近畿の後ろは大正解でしたが
ムリやり仕掛けても古性に止められて
終わっていたと思いますんで
2着の結果はまあ、健闘したほう

去年みたいに寂しく思わずに

帰路につけたでしょう 



同じく仕掛けられなかった新山は
ラインがあってこそ持ち味が出せる
タイプなだけに、単騎では動きが
難しかったと思いますが…
一度も仕掛けられず終わったのは
悔しいでしょうねぇ。


最後は伸びて3着まであるか?と
思わせた郡司は、調子は良かったと
思いますが、切り替えを迷って
脚を使わされて…北井に張られた
ロスも痛かったですねぇ。


「今年はチャンスだと思っていたし
 獲る準備もしてきたつもりだけど
 まだまだ力が足りていなかったです。
 この悔しい気持ちは
 来年の平塚で晴らしたいと思います。」


深谷、松井、北井…と、南関の先行を
使い放題の身分が約束されてますし
自力でもまだまだトップクラスの郡司
まだ3年くらいは余裕でチャンスがあると
思っておりますが、神山・平原みたいに
ならないように……気をつけようねッ!

まあ……総括すると
ワッキーと北井、先頭を担った
二人と番手選手との関係性が
明暗を分けたんでしょうね。

ドヤ顔のワッキーをチラ見する

北井の顔の寂しそうなことよ……






車券の結果は


古性のアタマで購入して
前回ブログで記載した通り
「神山サイン車券」の1−6
古性ー清水ー流しを購入してまして
3着ワッキーも持ってて
的中をしましたが、1枚だけ


清水が2着の時はワッキーが
着外の可能性が高いかな…と
168倍の古性ー清水ー郡司を3枚
160倍の古性ー清水ー眞杉も3枚
そして本線で買っていた古性軸で
93倍の古性ーワッキーー清水は5枚
96倍のワッキーー古性ー清水も5枚

それぞれ持っていましたんで……
もう直線では獲ったのは間違いなしと
確信して、なかなかアツかったんですが
ゴール前で微妙に配当が下がってしまい
獲ったけど、たいして儲からず
ワリカンの忘年会代が出たくらい


午前中からサテライトにいましたが
負け戦の3Rくらいまでは
まったくわからないので打たず
その後もイマイチでしたが
F1の決勝の10R
アフロの死に駆けでソーマが恵まれて
番手捲りで優勝……の読みで的中



ソーマくん、毎日のように
ライフを補充してくれてありがとう。
来年は記念1本くらいは獲ってくれ。

現地での声援代行を依頼した

「ホトケのゴロー」さん

たいへんありがとうございます。



で……大勝ちを狙ったGPでは
チョイ勝ち程度で終了しまして
今年の競輪勝負はフィニッシュ





一緒に打っていたヤオちゃんは
3,400円ついた2車単を10枚
カイジくんは3連単を1枚
それぞれ的中しましたが
どっちも本線は別で購入していて
やはりチョイ勝ち程度の結果


今年の忘年会も、誰もおごれず
5年連続のワリカンとなりました。
北井のせいで、あまりにしょっぱい
グランプリになったんで、
あまり盛り上がることはなく
特に郡司を本命にしていた灰人さんは

グチの量も酒の量もハイピッチ


「力を出し切って駆けて捲られたなら
 まだ納得するけど、ナメくさって
 ごっそり別線に行かれるとか……
 こんなにつまらないグランプリは
 長●が平原と後閑を騙して
 何もせずに流れ込んだクソレースで
 金子師匠が優勝したとき以来だわ。」




「おいおい、●塚とかSS11の話は
 無かったことにしておこうぜ。
 でもやっぱり、車券が当たっても
 見ててツマラナイGPだったし
 昨年は新山とワッキーの叩き合いを
 捲る深谷、松浦の追込でいい勝負だし
 その前は松浦の超絶な頭脳プレイで
 東北4車が壊滅したのは、ヤラれたけど
 なかなかおもしろかっただけに
 今年の北井にはマジでガッカリ。」



「やっぱりグランプリには松浦が
 いてほしいな。来年1年間
 赤パンじゃないから、持ち味の出ない
 7車立てのF1で自力や単騎で
 戦うのは辛そうだけど…。」



「市田の息子はすでに怪物クラスに
 強いって評判だから、
 来年のヤンググランプリに出ても
 十分に戦えそうだな。
 ワッキーや古性も、これでだいぶ
 SSの寿命が伸びるだろうし
 寺崎やチカヨリも30歳過ぎてるし
 市田バブルに乗って、早いうちに
 タイトル獲りたいだろうなぁ……」



「リニューアルしてきた防府に
 行ってきたけど、客席のキャパが
 少なすぎて、券売機も足りなくて
 ビッグレースの開催は難しいな。
 もう、みんなネットで買うのを前提に
 競輪場の施設を作ってるんだろうけど
 現場に行ったときに不便だと
 やっぱり楽しさが半減するな。」


「熊本もなぁ…施設はまだまだこれから
 なんだろうけど、食堂が1箇所とか
 新聞はコンドルしか売ってなくて
 スポーツ紙を特観席でも買えないって
 場内の利権の闇が深すぎるだろ。」



「来年は武雄記念の決勝が日曜日で
 準決・決勝は現地に行けるわ。
 ここ数年は平日が決勝だったから
 行けなかったけど、
 やっと願いが通じたわ。」


「神山は引退したけど、ここ数年
 セミリタイヤみたいな感じで
 別に神山の車券も買ってなかったし
 村上兄のときとは違って、特に
 寂しいとか衝撃は無かったな。
 解説はそんなに上手くなさそうだし
 滝沢さんの後を継いで養成所の
 校長になるのがイイんじゃないの?」



「来年の後期くらいになったら
 レジェンド小野さんの引退レースが
 あるだろうから、みんなで別府に
 花束を持って見に行こうぜ。」


そんな感じで進みまして……
17時過ぎから飲み始めまして
2時間ほどで忘年会は終了



で……
なんとなく不完全燃焼だったんで
帰宅途中にスマホを取り出して
残業した武雄ナイターの特選で


グランプリシリーズのメインで
優勝し続けたゴリラ顔狙いが的中
松谷ー笠松のゴリラ顔ワンツー




これにて筆者の打ち納めは終了
(後出しご無礼)


筆者が選出する今年のMVP
そして灰人さんの心に残った競走を
した「灰人さん賞」は、次回ブログ
<穴屋の競輪大賞2024>で
発表いたします。



打ち初めは立川記念の特選か決勝に
しようと思っていましたが
特選のある1月4日は仕事始め
決勝のある1月7日は平日なんで
ちょっと記事更新はムリかも……



和歌山記念の準決・決勝は連休なんで
そこから始めるか考え中


さて……もう少しで今年も終わり
2024年は、特に後半は
「特別な関係」の二人である
古性と脇本が活躍した年でしたが
2025年はどんな年でしょうか。

皆様、良いお年を。

GPで頂いた多くのコメントは

コツコツ返してまいります。