読者の皆様、
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
今年もこんな当たらない予想と
腹いせの毒舌に、少しの情念を
書きなぐったバクチのブログに
お越しいただき、ありがとうございます。
新年の更新は
①グランプリの振り返り
②第8回「穴屋の競輪大賞」発表
③初打ち・大宮記念初日特選
の順番で送る予定です。
さて……
激闘の立川グランプリを制して
賞金一億三千万円を手にして
昨年度の賞金王に輝いたのは
広島の赤い策士・松浦悠士。
新山と脇本の叩き合いを捲った
深谷の後位から直線で差し切り
5回目の挑戦にして栄光を掴み
来年のグランプリユニフォームを確定。
表彰式では涙をにじませ
「今回で獲れなかったら、
もう獲れないんじゃないか…
と思う時もあったんですけど…。
本当に苦しい一年だったので
嬉しいです。」
もともと、高校や大学での華々しい
実績を持たずに養成所に入所し
デビューしてからS級に上がるまで
4年近くかかった松浦
特別に出場するようになってからも
数年間はただ気が強い競走を
繰り返すだけの選手に見えて
同期のハラケンには脚力で遠く及ばず
1期下の郡司や竹内雄作、
2期下の古性あたりと比べても
身体能力や脚力に恵まれているとは
思えなかった若手時代でしたが
20代後半から徐々に頭角を現し
ライン先頭では自力と自在を使い分け
他のラインを俯瞰で見ているような
レースの組み立てができるようになり
強敵相手には意表をついた自在戦
格下相手にはラインで決める先行で
出し惜しみしない競走を続け
番手戦ではタテヨコを駆使した
捌きの技術と判断を身に付けて
タイトルに手が届くようになり
盟友の清水との最強タッグ
そして瀬戸内の仲間たちとの絆で
別線には悪魔のような競輪頭脳を
駆使した厳しい捌きで立ち向かい
トップクラスの位置を守り続け
そして遂に、頂点の座に輝いた
カープを愛する甘党の策士
決して体力や脚力に恵まれているとは
言えない体格ですが
レースを俯瞰で見る視野
経験により蓄積された状況判断
身につけた数々のテクニック
ベテランの輪友の皆様からも
「今まで見てきた選手の中で
競輪IQがダントツに高い」
と評されるまでに成長
今年は落車による不調が相次いで
本人が語る通りに苦しい1年でしたが
厳しい状態でも正直にコメントし
ファンやマスコミへの対応にも
真摯な態度で臨んだ松浦に
けっこう辛口が多い輪友の皆様も
「松浦がグランプリを獲って
1年間1番車なのは、納得できる」
という意見がほとんど
これからも競輪頭脳と技術を尽くした
競走を見せてほしいと思いますし
また、太田海や犬伏、町田といった
瀬戸内の若手自力との連携によって
ラインの絆を見せて欲しいと思います。
おめでとう!松浦!
レースのポイントは概ねこんな感じ
①東北の前受け、3番手に深谷
②ツッパリ先行を貫く新山
③真っ向勝負の脇本のナメカマシ
④捲る深谷、切り替えた松浦
⑤下がる清水と絡んだ眞杉
⑥牽制できなかった古性
ふぬ競輪・特別解説員
伊集院先生の魂を継ぐ漢(自称)
灰人さんの解説で送ります。
まず初手では東北が前受け
中団に中国、近畿は後ろ攻め
「初手で慎太郎がダッシュしたのは
新山から『ツッパリます』って
言われてのS取り、そこの3番手を
誰が取るかってのがポイントで
眞杉も松浦もそこを取りたかったと
思うけど……深谷かぁ。
この動きも含めて、今回の深谷は
気合が全面に出た競走だったな。」
そして赤板で誘導を斬って
前々に踏み上げる新山
「これまでのツッパリの経緯から
やるとは思ってたけど…
しかしまぁ、新山は頑固な奴だな。
ワッキーが叩き合いを嫌がるなら
近畿に前受けさせて清水に斬らせて
単騎を引き連れて先行…っていう
組み立てもあったんだろうけど
最後までツッパリを貫いたのは
ある意味、意地やプライドを
感じるわ。」
ワッキーは1センターで車間をとって
ナメカマシで一気に迫り、慎太郎から
一発喰らうも…そのまま踏み込んで
ホームで出切って先行。
「ワッキーも小細工無しで叩いて
力勝負に持ち込んだのはさすが。
今年は『二段駆けには付き合わない』
みたいな発言があったけど
ここでは新山の意地を受けて
真っ向勝負だったか。
3年前くらいの最強だった頃なら
あのまま古性とゴール前勝負が
できてたんだろうけど……」
そして、ここが勝負のポイント
バックで仕掛けようとする清水に対し
先捲りを打った深谷、清水をシャクって
深谷の後ろに切り替えた松浦
筆者
「松浦の切り替えは
普通に考えりゃ裏切り行為で
ラインで前を任せた選手を
まだサラ脚の状態のバックで
シャクって捨てるってのは
ありえねぇと思うけど……
でもまあ、優勝するには
あの手しか無かっただろうな。」
「まあ、そうなんだけど
松浦はレースの流れを俯瞰で見て
ここで切替えないと優勝のチャンスは
もう無いと思ったからだろうな。
浮かされかかった清水がそのまま
深谷について行ったら、
二人で上位の着は取れるだろうけど
松浦は自身の優勝は無いって
判断だったんだろうな。」
「それに、清水とはこれまでお互いに
獲らせ合ってきてるんだし
これからもお返しをしてやる機会は
何回もあるんだろうから
『清水だから』捨てても許されると
俺は思うし、助け合いだけが
ラインの絆ってわけじゃないって
ことなんだろう。」
「なるほど………。」
シャクられた清水は後退しながら
眞杉に絡んで…眞杉がレース後に
コメントしていた通りに、あそこで
追走に手間取ったのが痛かったですね。
深谷は凄いスピードで前を捉え
古性は牽制できずに乗り越えられ
優勝は深谷か……と思ったところで
直線突き抜けてきたのは松浦。
ピンと背筋が張ったハンドル投げで
深谷を差し切って1着、深谷が2着で
3着は松浦を追走してきた眞杉。
「ワッキーが出切ったときには
古性の優勝かと思ったけど
松浦の上がりタイムが11.0
捲った深谷のタイムが11.1
深谷のスピードが違ったな。
今まではGPに出ても
誰かを勝たすための奴隷みたいな
競走しかしてなかった深谷が
ちゃんと自分の意志で組み立てて
清水や眞杉と被る前に捲ったのは
勝とうとする強い意思を感じたわ。」
「新山はワッキーに抵抗してたけど
最後まで踏んで大差じゃないんで
3番手にハマろうって気持ちも
ちょっとはあったのかもな。
俺はワッキーが出切ったときに
慎太郎が新山を捨てて切り替える
展開も考えていたけど
高速バトルで牽制をしたら
もう脚が限界だったんだろうな。」
「眞杉は展開任せみたいなレースを
しちゃったけど、単騎だったから
仕掛けるならバック捲りなんだけど
清水と被ったのが痛かったかな。
眞杉の動きをアテにして、
バック9番手のケンヤは論外。」
筆者も灰人さんも
本命◎は眞杉に打ってまして
惜しいところで轟沈。
当日は、灰人さんとカイジくん、
ヤオちゃんと4人でサテライトで
見学しておりましたが・・・・
全員が松浦と眞杉の絡んだ車券は
持っていて、深谷アタマの車券も
押さえていたのに、
深谷の2着がなくて惨敗の結果に。
筆者も眞杉が軸のブログ予想の車券を
買ったあとに、眞杉よりも深谷が
先に仕掛けた場合の、深谷のアタマから
古性松浦眞杉に流した車券を
買い足したんですが…ウラは無いのよ。
グランプリシリーズはいいところなく
メインレース3連敗で終わりまして
負けたときに心に沁みる
押川雲太郎先生の名言を
思い出して終了です。
なので……輪友の皆様との忘年会は
今年も祝勝会ではなく残念会
皆様からのご意見は
「太田海は、YGPの競走を見ても
タイトル獲るだけの力は十分。
オリンピックに出たってたいして
稼げるわけじゃないんだから
さっさと競輪に戻ってきたほうが
高目の人生になりそうだけどなぁ…」
「新田は…金網まで飛ばされてから
捲りきった奈良記念の準決を見たんで
今年はやるかと思ったけど
毎回のようにイン突きコ●キで
もう中野慎や新山が介護しないと
記念でも勝てないかも。」
「平原は今年は怪我をしすぎて
まともに走れなかったけど
人望はあるから周りの選手次第で
記念や特別ではいいトコいきそうだけど
自力の番組になったら7車のF1でも
苦戦しそうな気が………。」
「やっぱり、若手が7車の競走ばかりで
9車を経験しないまま上がってきても
なかなか競走の幅がなくて厳しいな。
自力のタテ脚だけあれば前取って
突っ張れば勝てるのが7車のレース
脚だけで勝ってきた奴は特別のレベルで
戦っても壁にぶつかっちゃうから
それじゃあ競輪頭脳は身につかないわ。」
「ケンヤは特別のレベルで戦える
中部の自力選手が少ないから
来年はSSで番組優遇って言っても
たいして変わらないような気がするし
キツイ捌きや位置取りができないから
別地区はほとんど付けてくれないし
特別の二次や準決になると単騎になって
『ちょっとタテ脚があるノダゲン』
みたいな感じになりそうだなぁ……。」
「まあ、ケンヤはあの地位にふさわしい
実力には達してないわ。
眞杉は関東に若手が多くて
同期や先輩後輩と連携することが
多くなりそうだけど、
センスがあって気も強そうだから
競られても戦うだろうし
獲ったり、獲らせたりする関係を
築いていけそうだな。
俺の愛する森田にも来年は1本
獲らせてやってほしいわ。」
GPでの松浦の切替えについては
「ヤマコウもコラムで書いてたけど
『1着以外は意味がない」のが
グランプリなんだから、あの動きは
非情だとは思うけど…仕方ない。」
「非情になった浅井が獲れて
非情になれなかった平原が獲れない
松浦はその姿を見てきたんだから
清水は可哀想だけど仕方ないだろ」
と、全員一致で肯定的。
そして……地元・九州勢については
「嘉永は確かに強くなったし
SSを狙える位置にいるとは思うけど
もうちょっと自力の層が厚くなって
荒井・井上・園田・中川あたりの
老害がいなくならないと
記念レベルじゃ数と番組で勝てても
特別競輪のレベルに上がったら
厳しいんだろうね。」
「伊藤颯馬や伊藤旭も成長したし
自力の若手は頑張ってるけど
番手に付ける選手がなぁ……
その4人+山田兄弟あたりでも
仕事はしないし位置獲らないし
駆けたら庇わずに踏み込むし
ブッチンする危険も多いから
厳しいよな………。
若手に競輪を教えて育てる
松浦とか平原みたいな選手が
いないのが九州だからね。」
もう4年間SSがいない九州ですが
そろそろ、ひとりくらい……ねぇ。
そして、来年の現地観戦は
5月の武雄記念はダービーの翌週で
土曜スタートのため断念して
リニューアルされた熊本競輪で
10月にある記念に行く予定
11月の小倉競輪祭は当然参加、
あたりまで決定、で残念会は解散
久々に熊本まで行くんだから
手前で寝てるやつ以外は
気合入った競走を見せろよッ!
さて……年が変わって
次回の更新は、筆者の個人的表彰
「穴屋の競輪大賞」
3が日の間に更新の予定です。
皆様、改めて
本年もよろしくお願いいたします。
気が早い方は本日から初打ちを
しちゃうんでしょうけど……
ご健闘をお祈りします。