魂を継ぐ男の364日間・静岡グランプリの結果 | ふぬ競 第二章

ふぬ競 第二章

小倉競輪祭は、現地観戦予定です。


平成最後の静岡グランプリを制したのは
皆様ご存知の通り、三谷竜生。

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先行する脇本の番手から最終回2センターで
一気に追込み、グランプリ初優勝。

2016年のグランプリの時点では
記念優勝さえも果たしていなくて
特別初優出した名古屋ダービーでは
川村-村上兄を連れて赤板から先行
見事な死に駆けでしたが大差の9着
「地脚怪物」だけの評価しかなく
多数いる近畿の若手自力の一人でしたが……

そこから急成長を遂げて
2017年はダービー制覇
2018年はダービー、宮杯の2冠に
このグランプリのタイトルを獲り
記念も3回制覇と堂々の実績。

来年はグランプリユニフォームで
競輪界を代表することになりますが
今年のタイトルをすべて番手から獲った
脇本が競輪競走には出ませんし
近畿のラインをどう折り合いをつけて
まとめていくかという難しさがあるので
苦闘の1年となるかもしれませんが
強いハートで乗り越えて欲しいと思います。


インタビューで逝去されたお母様への
思いを語った姿はファンの心に残るもので
ありましたが、
来年はもっともっと、ファンの心に残る
魂と情念の競走を見せて欲しいと思います。

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そして今回の優勝で、実績としても
村上義弘の後継者として近畿のボスに
なったことは間違いないでしょう。


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おめでとう、竜生!


グランプリの前に……S級シリーズの決勝を
優勝したのは、地元の岡村潤。
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力ずくで先行した渡辺雄太、竹内のカマシを
必死でブロックした晴智の師弟の気魄もあり
そして3番手から外を追い込んだ岡村も
いい競走だったと思います。

タテヨコの鋭さを持つ実力者ながら
南関の連携の中ではなかなか好位置を
回る機会の少ない岡村ですが、
練習仲間で師匠格だった村本慎吾さんが
実況の解説として久々に姿を見せて見守る中
ラインの競走をしっかり見せたうえで
優勝を決められたのは、嬉しかったでしょう。

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「命」とか、やって欲しかったんですが
ごくごく普通の解説でしたね。




そしてグランプリなんですが……
ポイントは以下の通りでしょうか。

①前を取らなかった脇本、取った新田
②脇本の踏み出しへの浅井の牽制
③気合の入った競走を見せた清水

まず①なんですが……逃げイチであることを
考えると、脇本がSを取るのかと思いましたが
号砲の後に誘導を追っかけたのは新田。

過去2年は前を取ることができずに
後ろ攻めから脚を使って前を斬りに行き、
また次々と被されて……勝負所では最後方という
しょっぱい組み立て(2016年は誘導の
早期追い抜きで失格)だったので
単騎でも前を取る作戦だったのでしょうか。


そして②ですが……脇本が踏み出した瞬間に
けっこう厳しくヨコに牽制したので
あそこでもし脇本が落車していれば後続の
近畿ラインを全部巻き込んで4人が落車し
5車立てのグランプリ、しかも浅井失格
みたいな惨劇だったかも…………

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脇本は立て直してからホーム辺りで
カマシに行くこともできたと思いますが
崩れた体勢からムリヤリ踏み出して先行。
脇本のコメントでは
「バランスを崩して焦ってしまった。
 立て直して上昇すると確実に
 粘られるので、自分のタイミングでは
 ないけどそのまま踏んだ」

だそうで……浅井としてはあの牽制で
誰かが近畿の後ろを狙いに行く混戦を
演出したかったのかもしれません。



そして脇本がライン4車でなかば強引に
出切って……近畿で独占と思いましたが
捲りに行った清水の気合が良かったですね。
自分から青板で誘導を斬りに行って前に立ち
レースを作ったうえで、最後はバックで
渾身の捲りを放つ気合
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「何もできずに終わりたくない」と
戦前にはコメントしていましたが
レースを壊すことなく強敵に立ち向かい
今の自分の力を出し尽くしたうえで
見せ場を作ることができたのは
大変立派だったと思います。

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来年のSSとしての戦いに期待が持てる
良い内容で、初の大舞台を終えましたね。



しかしながら……横まで来た清水の捲りを
村上兄が牽制した瞬間に、平原が内に差して
村上兄の後輪と接触して両者落車………

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これだけは正直ムカつきましたね。
あれなら最初から飛び付きをすればいいし
あそこで村上一車をしゃくっても
いいとこ3着くらいにしかなれないのに
平原のあさましい着拾いにガッカリ。
そういうのは諸橋とか香川先生が準決で
やるコトだろぉぉぉお?

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清水の捲りと落車で隊列が短くなった所を
8・9番手から浅井と新田が凄い捲りで
迫るも微差の2・3着まで。
この両者については道中でほぼムダ脚を使わず
展開がもつれたときのみを狙っての捲り一発
と思ってましたので……落車がなかったら
どうなっていたか判りませんが………
凄い捲りの二人を微差押さえた三谷が優勝。


勝った三谷には何の文句のつけようもありません。
競走自体は単に脇本の番手で特に仕事もせず
4コーナーから踏んで差しただけなんですが……

昨年のグランプリからの一年間で大きく成長し
自分の地位を上げて脇本の番手を回ることを
近畿の先輩たちに認めさせて特別2冠を獲得し
ラインを先導するときには死に駆けも
厭わぬ気持の入った先行を見せたり
番手を狙われた時も気魄で戦う……と
この濃密な364日を過ごしてきたことが
1年間で一番大事な1日での優勝に
つながったと思います。


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この4人でラインを組んで、残り3人に
優勝に一番近い位置を回ることを認めさせた
364日の戦いの過程こそが、
三谷の一番の勝因だったのでしょう。

お兄ちゃんも出てきたので重傷ではない様子
ホッとしました。

来年の三谷は、魂を継ぐものとして1番車の
グランプリユニフォームを背負いますので
責任も重圧も大きいことと思いますが
それを乗り越えてさらに成長した姿を
また次回のGPで見せて欲しいと思っております。






…………ただなぁ……………

ただなぁ………車券は結局
逃げでも捲りでも脇本の残りは無いとみて
三谷=村上兄-流しで勝負して、もつれた場合の
新田と浅井のアタマ流しだったので…………
ねぇよコノヤロー!

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平原……てめぇが余計な事しなきゃ
普通に三谷と兄のゴール前勝負で
決着してただろこの着拾いコ●キ野郎!

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S級の決勝も岡村から買ったんだけど
もっと変なのが3着には入らないと
ダメなんだよコノヤロー!
晴智も雄太ももっとタレろよコノヤロー!

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あ………新年早々取り乱しました。
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どーもスイマセン。



しかし、一年間を通じて負けまくりましたね。
収支表を見て、たいへん虚しくなりました。


…………………………

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また今年も、まやかしだらけの錬金術に
ときどき情念や感動や怒りを感じながら
楽しんでいこうと思っております。


読者の皆様、遅ればせながら
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。


次回は「穴屋の競輪大賞」発表です。
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