【第4回】マニック・ストリート・プリーチャーズを聴いてみた | ぐれむりんの気ままなブログ

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【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

正直、僕にはこのアルバムのレビューは書ける気がしません。

 

Manic Street Preachers

THE HOLY BIBLE

 

僕にとってマニックスと言えば、この「R」の文字が全て反転したバンド・ロゴ、です。

曲名も全て「R」の文字が反転しています。

 

1994年に発売された3rdアルバムです。

 

■ソニー・ミュージックの作品紹介より。

マニックス史上、最も内省的な3作目。前作のサウンドから大きな変化を遂げており、英日ともに賛否両論を巻き起こした問題作と呼ばれているが、憂いを超えた悲壮感や疎外感を凄まじいまでのエネルギーに転換/凝縮された楽曲はまさしく"鋭利"であって、その鋭さと傷の深さ故に早すぎた名盤と呼ばれるようになった。「YES」「REVOL」「FASTER」「P.C.P.」「SHE IS SUFFERING」他、魂に触れるマニックスの修辞的世界観が散りばめられている。偽善を嫌い完全なる美や魂の純粋さに拘る、あまりにもピュア過ぎた詩人リッチー・ジェイムスは、本作発表後、自らの無様な自傷行為やアルコール依存などをメディア上に曝け出した後、一時的なバンド復帰を経たが、アメリカツアー出発前夜(95年2月1日)に失踪し、現在に至る。メンバー遺族共に行方不明という扱いでリッチーの復帰を願っている。現時点では、リッチーが参加した最後の作品となっている。(英国司法的には2008年11月24日に死亡宣告はされているが、メンバー遺族ともに依然死亡に関して否定している。)

※ちなみに紹介文でリッチーの名前がリッチー・ジェイムスとなっているのは、リッチーの本名がリチャード・ジェイムス・エドワーズだからです。

 

僕が、初めて聴いたマニックスのアルバムです。

今から……30年も前……の、お話ですね。

 

このアルバム、言葉で表現するなら

 

何が良いのか分からない。

それなのにカッコ良い。

 

静かなる狂気。

 

陰鬱なのにポップ

無機質なのにキャッチー

淡々としているのにメロディアス

 

これは「マニック・ストリート・プリーチャーズを聴いてみた」の第1回で書いた「ホーリー・バイブル」の感想なのですが、多分、僕にはこれ以外に表現のしようが無い……と言うか、僕はこれまでの30年間で「ホーリー・バイブル」と同じ類の作品に出会ったことがありません。※もちろんファンの妄言です。

 

例えば「ビートルズっぽい」とか「ストーンズっぽい」とか、そういう「~っぽい音楽」にはたくさん出会ってきましたが、「ホーリー・バイブルっぽい」音楽は「ホーリー・バイブル」でしか聴いたことがありません。マニックスの他作品でも「ホーリー・バイブル」っぽい楽曲は聴いたことが無いと思います。

 

ええと、ちょっと、言い過ぎたかもしれません。

そこまでスゴイ作品じゃないかもしれません。

 

ただ、1994年当時……

洋楽を聴き始めて3~4年の「洋楽初心者」だった僕には、それくらい衝撃的なアルバムに聴こえたってことです。

前作「ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル」で一般ウケする無難な作品に「逃げた」ことを反省して出来上がった作品……と言うより、バンドの精神的支柱だったリッチーの、鬱やアルコールやドラッグなどの様々なトラブルを抱えた状態がそのまま反映された作品……だと言われています。

 

歌詞の8割をリッチーが手がけたアルバムです。

イギリスの音楽雑誌が選ぶ「最も暗いアルバム、ベスト50」で堂々の第1位に輝いたアルバムです。

 

病みに病んだ鬱アルバムです。

病的なまでの悲壮感が漂うアルバムです。

なのに、ポップでキャッチーなメロディです。

 

……結果、リッチーは精神を病んで失踪し、彼の運転していた車が自殺の名所と言われる橋の近くで発見される……という悲劇的な結末をむかえてしまいます。

……が、

一説によると、リッチーは失踪後にイスラエルに渡った……という証言があるそうです。

 

リッチーは今でもマニックスのメンバー扱いで、バンドの印税はリッチーの銀行口座にも振り込まれているのだとか。

 

……と、「ホーリー・バイブル」は、リッチー・エドワーズの壮絶なエピソード無しには語れない作品なのですが、取りあえず今回は、リッチーの悲劇は置いといて……。

 

この作品を初めて聴いた時に思ったのは、

コンセプト・アルバム?

ってことでした。

 

その理由は、楽曲の冒頭やアウトロに挿入される「朗読詩的SE」の存在です。この「SE」が挿入されることで、楽曲全体に不穏な空気が溢れ出している……みたいな、そんな印象です。

 

とにかく気持ちがザワザワしてきます。

 

雰囲気的には、政治家の声明や哲学者の思想などを、古い録音をそのまま挿入したような、あるいは消え入りそうな悲痛な声でつぶやいたり、サスペンス映画のナレーション風だったり……、そんな感じ。

 

……うん、英語が分からない僕には、実際にこの「SE」が何を言ってるのか理解できないので、あくまで雰囲気の話なのですが。

 

そして楽曲全体を包み込む「無機質」で「冷たい」質感です。

 

デビュー作のグラム・ハードロック・パンク的な煌びやかさは一切無く、2ndアルバムの一般ウケする分かりやすさもなく、ただただ、静かなる怒りに溢れている……

 

静かなる怒り

なんて言うと、まるで楽曲自体が「静」の作品のように思われるかもしれませんが、収録曲自体は、比較的アップテンポな楽曲で占められています。

まさに、

病んだ路上の伝導者

Manic Street Preachersって感じです。

 

ってことで……

う~む、やはり僕には、このアルバムのスゴさは※初めて聴いてから30年経った今もレビューすることはできないようです……。

 

ロックが好きな方には、とにかく一度、聴いてほしい作品。

僕に言えるのはそれだけ……ですね。

 

ちなみに、オープニング曲「YES」がいきなりフェード・アウトで終わって驚かされますが、他の曲はフェード・アウトすることなく終了する楽曲ばかりです。

 

初期3作、アルバム収録曲41曲中フェード・アウトで終わる曲が2曲のみって、まさにロック・バンドの鑑のようなバンドです。

 

 

僕は今までに「ホーリー・バイブル」を4回購入しました。

 

1994年発売のオリジナル盤

評価:★★

全16曲収録。

 

日本国内盤は、オリジナル13曲にライブ音源「ドラッグ・ドラッグ・ドラッギー」「ローゼズ・イン・ザ・ホスピタル」「ユー・ラブ・アス」の3曲入り。再発盤は「ニュー・アート・ライオット」のライブ音源が追加された17曲入りです。

ちなみにこの「Revol」って楽曲、実在の政治家の名前を挙げながら「恋愛(性)」について唄っているのですが……、タイトルを逆にすると「LOVER」になるって、そんな言葉遊びが隠されているのを知った時に、詩人リッチーのスゴさを痛感しました。

 

評価が★2と低いのは、やはり音圧(音量)の低さが理由です。

 

 

2004年発売10周年記念盤

評価:★★★★

全17曲入り。

2004年リマスター盤

 

オリジナル13曲に「ザ・インテンス・ハミング・オブ・イーヴィル」「4st 7lb」「イエス」「オブ・ウォーキング・アポージョン」のライブ音源4曲収録。

ディスク2に「ホーリー・バイブル(US Mix)」のリマスター音源とデモ&ラジオセッション音源5曲、ディスク3はライブDVDの3枚組。

長らくコレクター・アイテムとして高額取引されてきた「ホーリー・バイブル(US Mix)」が再発リリースされました。

オリジナル盤に比べ、厚み(リバーブ等)が増した迫力のある音になっており、その分、繊細さが減少した印象です。

 

個人的には、単独なら「UK Mix」が好きだけど、他のアルバム楽曲とシャッフルして聴くなら「US Mix」の方が違和感なく聴ける気がします。

 

★4評価なのは、アルバム未収録曲が一切収録されていないためです。

 

音圧はかなり高くなっており、現行の20周年記念シリーズとホトンド変わらない音量になっています。

 

 

2009年発売日本独自企画紙ジャケ盤

評価:★★★★★

全17曲入り。

10周年記念盤と同内容のリマスター盤。

10周年記念盤のディスク1と、日本独自企画のレア楽曲収録のディスク2の2枚組。アルバム未収録楽曲2曲とリミックス&ライブ音源の8曲を収録。

 

上記楽曲「4st 7lb」は、拒食症患者に命の危険が迫るリミット体重のことなのだとか……。当時のリッチーの状態がそれだったそうです。

 

やはりこの紙ジャケ・シリーズは「神ジャケ盤」ですね。

今では入手困難なアルバム未収録楽曲が聴けるのは(配信&ダウンロードは知りませんが)この紙ジャケ盤と20周年記念盤のみです。

 

 

2014年発売20周年記念盤

評価:★★★★

全13曲入り。

2014年リマスター盤。

 

ディスク2は「US Mix」2014リマスター。

ディスク3はシングル・カップリング集&レア曲16曲。

ディスク4はアナログ・レコード。

 

アマゾンのレビューでは10周年記念盤との音質の差は僅か……と書かれていますが、僕の愛用するモニターヘッドホンで聴くと明らかに音質の違いが分かります。

全体的にメリハリがあり、高音の抜けが良くなり、細かな音が聴きとりやすくなっています。

 

ただし、この音質の差に10000円以上の価値があるか……と言われると、評価が★4になってしまいます。

 

音圧は10周年記念盤と同レベルですが、高音の抜けが良くなった分、こちらの方が音が大きく迫力を感じます。

 

2024年現在は入手困難で、タワレコやHMVの通販のみ、在庫僅かって感じのようですね。

 

ただし、これもアマゾンのレビューにありますが、輸入盤のみの商品でCDの収納が簡易的なため(しかもCDが裸で収納されています)輸送時にCDが外れる&盤面に傷が付いてい可能性が大。

 

僕が購入したモノもCDのディスク2が外れていて……幸い、盤面に傷が無かったのは運が良かった……って感じです。

 

音質&収録内容は文句なしの内容です。

 

 

と、言うコトで。

価格や入手しやすさを考えると、10周年記念盤がお勧めかな?

10周年記念盤は中古で比較的安価に入手が可能です。

 

興味のある方は、いや、ロックが好きな方は、是非、一度聴いてみて下さいね。