【第3回】マニック・ストリート・プリーチャーズを聴いてみた | ぐれむりんの気ままなブログ

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【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

1993年に発売された

Manic Street Preachersの2ndアルバム

Gold Against The Soulは、僕が最も熱心に聴いたマニックスのアルバム……かもしれません。

解散宣言撤回表明と共に届けられたマニックスのセカンドは、前作の延長線上にある一段と丁寧に作り込まれたポップ・ロック・アルバム。 "解散宣言"などのギミックなしでも、彼らが聴き手の胸を打つパワフルで美しい音楽を鳴らすことのできる集団であることを証明した作品。ジェームスの感傷的なメロディーや艶の増した歌唱力、リッチー&ニッキーの時に内省的、時に叙情的な散文/詩篇は初期マニックスの楽曲制作レベルの高さと繊細さを窺い知ることができる。そんな卓越した才能は音楽だけでなく曲名やアートワーク、自分たちのビジュアルの見せ方まで細部に渡って"美"こだわっていた。本作にはそんなセンスを感じさせる初期の名曲「FROM DESPAIR TO WHERE」「LA TRISTESSE DURERA」「ROSES IN THE HOSPITAL」他収録。92年の初来日に続き、本アルバムを引っさげたジャパン・ツアーも行われ人気を博した。本アルバム発売当時、初回盤には92年に行われた初来日公演の熱狂をおさめた貴重なライヴCD[5曲収録]が付いていた。(ソニー・ミュージックの作品紹介より)

 

今では伝説の「デビューアルバム解散宣言」を撤回して発表された2ndアルバムです。

 

……と言っても、すでに30年以上前の話だし、しかも「デビューアルバム解散宣言」を真面目に受け止めていたのは日本のメディアくらいで、他国では「そりゃあそうだよね」って、意外と軽いノリだったとか?

 

そもそも、デビューアルバム制作時点で、所属レコード会社とはアルバム6枚分(だったと思います)の契約をしてたって話もあったりします。※あくまで個人の記憶です。

 

そんな事もあり?

マニックスの「解散宣言」を真面目に受け止めた日本のメディアだけに向けた長文の「解散撤回宣言」を発表し、届けられたのがこのアルバムです。

 

Gold Against The Soul

 

 

デビュー作のグラム・ハードロック・パンク的なサウンドとはガラリと変わり、無駄をそぎ落としたカッチリとしたUKロック・サウンドです。

 

収録曲も10曲と※デビュー作は18曲入りでした余計な曲は一切収録しない、そんな完成度の高い作品です。※個人の感想です。

 

全英チャートも8位と前作を超える好成績。

……が、

それが裏目に出たようです。

 

あれだけハチャメチャな言動で周囲を掻き回したお騒がせバンドが売れ線に逃げた……と、メディアからの評価は否定的。

 

マニックスのメンバーも素直にそれを認めていたようです。

 

正に、バンドにとっては

黒歴史のようなアルバムなのだとか。

 

実際、2012年から始まった「アルバム発売20周年記念」アニバーサリー企画で、「1st」「3rd」「4th」「5th」アルバムは発売されたのに、この「2nd」アルバムだけはリマスター再発されないままでした。

 

正直、僕は「ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル」のリマスターは出ないと諦めていました。

 

ところが、アルバム発売から約27年後の2020年に、ファン待望のリマスター再発盤が発売されます。

 

まさに、

待望の

リマスター再発です。

 

少なくとも、僕にとっては「待望」でした。

 

デビュー作「ジェネレーション・テロリスト」にあったグラム・ロック感やハード・ロック感はグッと減少し、グランジ&オルタナティブに影響を受けた90年代UKロックって感じが全編に漂っています。※個人の感想です。

いや、多分、そんなの関係無く、アルバムのオープニングを飾ったこの「Sleepflower(嘆きの天使)」のカッコよさにハートを鷲掴みにされた……のだと思います。

 

全曲、捨て曲無しの名盤っ!

 

……と、言いたいところでしたが、個人的に、シングル・カットされた名曲「ローゼス・イン・ザ・ホスピタル~囚われた快楽~」だけはイマイチ好きになれませんでした。

……なぜ?

自分でもずっと疑問だったのですが、最近になって(リマスター盤を聴き直して)気が付いたのですが、実は「ゴールド・アゲインスト・ザ・ソウル」の収録曲の中で、この曲だけがフェード・アウトで終わる曲だった……。

 

多分、これが理由だと思います。

 

え?

そんな理由で?

 

と、思われるかもしれませんが、いや、僕自身も思いますが、当時はそれくらい音楽に影響を受けていた…ってことでしょうか?

まさに、僕の青春時代の音楽ってコトですね。

 

最近見たネットのレビューには、このアルバムを「メタル的」と紹介している記事もありましたが、個人的にはこのアルバムにヘビメタ感は一切感じたことはありません。

 

オープニング曲「Sleepflower」のイントロに入るギター(だと思います)のフィードバック(残響ノイズ)のせいもあり、僕はずっとオルタナティブ的な作品だと思っていました。

 

でもまあ、言われてみれば……

カッコいいイントロのギターリフやギターソロなど、へヴィメタルの要素が有ると言われれば……そんな気もします。

……が、

やはり、このアルバムに漂うのは、後に「マニックス節」とさえ言われるフックの効いた秀逸なメロディに尽きると思います。

この時点で、すでにマニックスの個性(メロディセンス)は完成されているように思います。

 

ちなみに、マニックスはこのアルバムを「ボン・ジョヴィみたいになった」と評価されたことにショックを受けた……なんて話もありますが※個人の記憶です、僕には一度もボン・ジョヴィに聴こえたことはありません。

 

 

僕はこのアルバムを2回購入しています。

 

先ずは……

1993年のオリジナル盤

評価:★★★

収録曲は全10曲。

 

マニックス史上、日本国内盤にボーナス・トラックが未収録なのはこのアルバムだけじゃないでしょうか?

 

初回限定盤はライブ音源付きの2枚組、リイシュー盤にはボーナス・トラックとしてアルバム収録曲のリミックス音源が追加収録されました。

 

残念なのは……2009年発売の日本独自企画紙ジャケ2枚組を購入しなかったことですね。購入しなかった理由は、僕はこの時期の作品はシングル盤を購入しており、アルバム未収録楽曲をほぼ網羅していたためです。

 

★3と評価が微妙なのは、音圧(音量)が低いためです。

ただし、2020年にリマスター盤が発売されるまで、この盤は★5の最高評価でした。

 

 

2020年発売リマスター・デラックス盤

評価:★★★★★

収録曲は全20曲。

 

デラックス盤はアルバム収録曲全曲のデモ音源&ライブの17曲収録のディスク2付き。完全生産限定盤なので、在庫があるうちに購入をお勧めします。

 

現時点で、僕の中ではこのアルバムのデラックス盤以上の高評価盤は存在しません。

アルバム未収録楽曲9曲もリマスター収録されています。

 

音圧も高く、何より、他の20周年盤とほぼ同じ音量で揃っているのは嬉しい限りです。

 

ただ……オリジナル盤に比べて明らかに中・低音の厚みが増しているので、オリジナル至上主義の方には、2009年の紙ジャケ盤※現在は入手困難の方が良いかも?

2009年の紙ジャケ盤にもアルバム未収録楽曲が5曲と初回盤のディスク2に収録されたライブ音源が付いています。

 

ちなみに、2020年デラックス盤に収録された「ローゼス・イン・ザ・ホスピタル」のデモ音源はフェード・アウトで終わらない完全演奏版が収録されています。う~む、できればこのヴァージョンのスタジオ盤が聴きたかった……。

 

ちなみに②、アルバム未収録楽曲にもフェード・アウトで終わる曲は無く、デビュー作の「ジェネレーション・テロリスト」からここまで(僕が知る限りでは)フェード・アウトで終わる曲は「ローゼス・イン・ザ・ホスピタル」のみ……

 

僕の「フェード・アウトで終わる曲嫌い」※ただしバンド演奏に限るはここから始まったのかもしれません。

 

と、言うコトで。

Manic Street Preachers

Gold Against The Soul

お勧めは2020年リマスター盤一択ですね。

 

興味のある方は、是非、聴いてみて下さい。