本当はですね……
2005年に発売された彼らの4thアルバム
ブリード・ライク・ミーの
20周年記念エディションを紹介をする予定だったのですが……
どうなってんのよ
Amazonさんっ!
商品の発売日から20日近く経ってるのに、未だに入荷時期は未定のままって……。予約した意味無いじゃんっ!
※このブログを書いている2024年4月25日現在。
ってことで、
今回は予定を変更して、
2022年に発売された彼らのベスト・アルバムの紹介です。
ガービッジは
1995年にデビューしたアメリカのオルタナティブ・ロック・バンドです。
ニルヴァーナの登場で世界中にグランジ/オルタナティブ旋風が吹き荒れ……その後、カート・コバーンの自殺という衝撃的な結末でグランジ/オルタナティブ・シーンが終焉に向かい始めた、そんな最中に登場したバンドです。
このバンドが、当時、ニルヴァーナ旋風に便乗して登場した二番煎じバンドと違ったのは、やはり何と言っても、バンドの中心人物であるブッチ・ヴィグ氏(ドラムス)の存在でした。
ブッチ・ヴィグは、ニルヴァーナの「ネヴァーマインド」、スマッシング・パンプキンズの「ギッシュ」をプロデュースした人物で、言わば、グランジ/オルタナティブのサウンドを確立した人物のひとりです。
そんなブッチが、カート亡き後に結成したバンド。
それがガービッジでした。
……と、偉そうに紹介してしまいましたが、スミマセン。
実は僕がリアル・タイムでガービッジを聴いていた1995~2005年頃は、今のように「何でもかんでもネットで検索する」時代ではありません。
当時の僕が持っていた「ガービッジ情報」はあくまで、日本国内盤CDに付属されたライナーノーツがホトンドでした。
って言うか、僕の記憶によれば……
リアル・タイムで聴いていたガービッジは、ニルヴァーナの名を騙った詐欺バンドって印象だったはずです。
※あくまで個人の意見です。
もちろん、ガービッジはデビュー作が全世界で500万枚を売るヒット作でしたし、2ndアルバムは600万枚の売り上げが~とウィキペディアに書かれている人気のバンドです。
……が、当時の僕は「グランジ/オルタナティブ」ロックは、80年代の煌びやかで作り込まれたサウンドに唾を吐きつけるような、まるでバンド仲間がガレージに集まって録音したような生々しいサウンドが特徴だと思っていました。
※もちろん個人の意見です。
当時の僕には、ガービッジのサウンドはその真逆のような音に聴こえてしまいました。
作り込まれたノイジーなサウンド。
それがガービッジに感じた当時の印象です。
そんなガービッジが、2022年に発売したベスト・アルバムが、今回ご紹介する
ANTHOLOGYです。
デビュー作「G」から、2024年の現時点での最新7thアルバム「NO GODS NO MASTERS」までを網羅した35曲入りのオール・タイム・ベスト(2CD/輸入盤のみ)です。
作り込まれたノイジーなサウンド
そんなガービッジの印象が、僕の中でガラリと変わったのは、2015年に彼らのデビュー作「G」の20周年記念盤を購入して聴いたのが切っ掛けでした。
実はガービッジは、2005年の4thアルバム「ブリード・ライク・ミー」発表後、メンバーの体調不良や意見の対立などが重なり、活動休止を宣言していました。
僕はてっきり、ガービッジは解散したと思っていたのです。
2015年に「G」の20周年記念盤が発売された際、ネットでちょいちょいと調べてみたら、あれれ、ガービッジ、2012年に新作を発表してる……って言うか、再始動してるやんっ!
で、その後、2ndアルバム「ヴァージョン2.0」の20周年記念盤も発売され、購入して聴いたのですが……
むちゃくちゃカッコイイッ!
当時は「ニルヴァーナを騙ったポップス」と思っていたサウンドが、実はむちゃくちゃ殺伐とした「音」だったと言うコトに気が付かされました。
ただ、僕は、当時から「ガービッジのポップさ」には否定的、という言い方をすると語弊がありますが、洋楽の「ポップ」と邦楽の「ポップ」は別物と思っていました。
洋楽の「ポップさ」って、スゴク分かり難い……
邦楽の「ポップさ」みたいな親しみやすさや分かりやすさが無い……とって思っていたのです。
ガービッジも、アルバムを聴くと、ポップさより「捻くれ感」の方を強く感じます。ガービッジって「捻くれポップ」だなって思っていたのです。
まあ、簡単に言うなら「聴く人を選ぶポップさ」です。
これは決して邦楽を軽く見ているとか、邦楽ポップスをバカにしているというコトではありません。
例えば、邦楽好きの友人に「ガービッジはポップで聴きやすいよ」と説明した時、サザンやスピッツのようなポップさを想像されてしまうと、ガービッジは「ポップ?」と首を傾げたくなるようなポップさだってことです。
は? 何を言ってんの?
と思ったかもしれませんが、僕も自分で何を言ってるのか分かりません……。
要は、ガービッジのポップさは邦楽とは違うそーゆー類のポップさなのです。……と、思っていたのですが、この「アンソロジー」を聴いて驚きました。
ガービッジ
むちゃくちゃポップだった
これはもう、選曲と曲順のなせる技です。
ガービッジ特有のダークでメロウでポップな捻くれ感満載のオリジナル・アルバムの中から「代表曲」や「人気曲」だけを抜き出してマトメると、ここまで印象が変わるとは……。
これは、ビートルズのアルバム「リボルバー」の中から代表曲として「エリナー・リグビー」と「イエロー・サブマリン」と「フォー・ノー・ワン」を抜き出して、「ビートルズ(リボルバー)はポップでしょ?」と言ってるようなものです。
アルバム通して聴いた印象と「代表曲」だけを聴いた印象はかなり違うと思います。
そんなガービッジの「代表曲」が35曲。
これでもかって詰まっているのが
「ANTHOLOGY」なのです。
……え?
そーゆーのを、
ベスト盤詐欺って言う?
ベスト盤は名曲揃いなのにオリジナルは雰囲気が違う詐欺?
いえいえ、決して詐欺ではありません。
あくまで「代表曲」を集めた聴きやすく分かりやすい選曲です。
だってほら、ビートルズも最初に聴くのは「レット・イット・ビー」や「イエスタデイ」で、気に入ったら、そこからグッと踏み込んで「ロッキー・ラクーン」や「ヘルター・スケルター」に行くでしょ? それと同じです……うん、きっと、そのはず。
ってことで、
ガービッジのベスト盤詐g……じゃなかった、魅力が詰まったベスト・アルバム「ANTHOLOGY」は、これからガービッジを聴いてみようというリスナーに超・お勧め1枚です。
興味のある方は、是非、聴いてみて下さいね。