デスメタルを聴いてみた 第10回目 | ぐれむりんの気ままなブログ

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そもそも、デスメタルって何なのさ?

 

【注意】これは…、メタルを知らないオジさんのひとり言なので、真正メタラーの皆さんは「ふふん」と鼻で笑いながら読んでくださいね。

 

ボーカルは楽器の一部だ。

これは、全国のCDショップ店員が選ぶ「洋楽好きな中学二年生が必ず言う言葉ランキング」で毎回1位に輝く言葉なのですが※もちろん嘘です、そもそも、ボーカルは楽器の一部ってどういうコトよ?

って、そんな風に思っている女子高生&女子大生は多いと思います。

 

ボーカルが楽器の一部なら唄う必要無くね?

確かに、そーゆー風に思っちゃいますよね。

でも違うのです。

ボーカルが楽器の一部というのは…

 

ソイヤソイヤッ!

ソレソレッ!

ソイヤソイヤッ!

ソレソレッ!

 

ってことなのです。

 

 

ほほう、なるほど…

ってことは、アニキやギバちゃんはデスメタラーなの?

は? アニキとギバちゃん?

って……

哀川翔さん柳葉敏郎さんっ!

マジかッ?!

 

…まあ、それは置いといて。

 

「前略、道の上より」で一発屋…もとい、一世を風靡したグループ、一世風靡セピアが唄う楽曲内の掛け声「ソイヤソイヤ、ソレソレ!」ってヤツ。

 

もしくは小室ファミリーやデビュー間もない頃のB'zが歌詞の中に多用していた「WOW WOW、YEAH YEAH」ってフレーズ。

 

昔のthe pillowsの代名詞だった「アウイエイ」というフレーズ。

 

ボーカルは楽器の一部というのは、このように、声を音(楽器)として聴いて楽しむって、そんな聴き方なのです。

これなら歌詞が分からなくても楽しめますよね。

 

【注意】 

は? ナニ言ってんのオッサン、意味分かんねんだけど?

…と、更に意味が分からなくなった皆さんは、何も聞かなかったコトにして先に進んで下さい。

 

ビートルズの代表曲の中に「レット・イット・ビー」という曲があります。

「ビートルズの曲はいつ聴いてもイイよねぇ~」とワイン片手にレコードに針を落とすオジサン…もとい、紳士の皆さんの7割は、そもそもレット・イット・ビーの英歌詞を知らないし和訳も知らないしカラオケで唄うなんてトンデモナイと思っているという統計があります。※ウソです。

 

「レット・イット・ビーってあれやろ? レリビ~ レリビ~ レリ~ビ~ レリッビ~、ふ~ふんふ~ふふ~ふ~、レリビ~…ってヤツ」

 

おいっ!

曲名を「レット・イット・ビー」って言っておきながら「レリビ~」って唄うのはどーゆーことやっ!

そんなツッコミを入れたい気持ちは理解できますが、ここは僕の顔に免じて許してやってください、お願いします。

 

要するに、これが、ボーカルは楽器の一部ってことです。

洋楽好きの皆さんは、曲名が「レット・イット・ビー」だろうがそんなの関係無く、「レリビ~」という音として曲を聴いているのです。

レリビ~って唄うポール・マッカートニーの声とメロディが気持ちいいから英語詞も和訳も発音すらも関係なくイイ曲って言ってるのです。

 

その究極最終形がデスメタルでありデスボイスなのです。

※【注意】根も葉もない僕の自論です。

 

…ふぅ、やっと本題に辿り着きました。

 

前回、前々回のブログで、日本では一般的に「デスメタルは悪魔系のメイクに鉄鋲の付いたゴツイ衣装を着たバンドだと思われている」ということを言ったような言ってないような気がしないでもないのですが。

 

 

実際のデスメタル・バンドは、Tシャツに黒ジーンズというシンプルな格好をしているのが一般的です。

ナゼか?

それは、デスメタルという音楽が、人間離れしたテクニックを駆使して演奏される音楽だからです。

 

オリンピックでコンマ数秒を競うアスリートが、競技に邪魔なド派手なアクセサリーを身に着けないのと同じです。

デスメタル・バンドも、演奏に邪魔な装飾は施しません。

※もともとアングラのB級音楽なので、お金が無くてシンプルな服装しかできなかった……説も有ったり無かったり?

 

そして前回、デスメタルが洋楽の中の洋楽と紹介したのは、そもそも、デスメタルのボーカルは聴き取れない……いや、聴かせる気が無い……いや、歌詞の通りに唄う気すらないからです。

デスメタル界最強(?)と言われるボーカリスト、ロード・ワーム氏の唄を聴いてみてください。

有難いことに「歌詞の字幕つき」です。

 

聴いたら、きっと、「はぁ?」って思うはずです。

僕も「はぁ?」って思いました。

 

歌詞(字幕)意味無しっ!

って言うか、明らかに歌詞を唄ってないよね?

 

正直、洋楽を聴きなれた僕の耳でも、「コレはダメでしょ……」って思ったくらいボーカルとして成立してません……。

 

もしも、デスメタルを聴いてみたなんて言って、最初に聴いたのがロード・ワーム氏(バンド名:クリプトプシー)だったら、僕はデスメタルという音楽を二度と聴くことは無かったと思います。

※ちなみにロード・ワーム氏は国語の教員免許を持つインテリです。

 

百科事典聴きの良いトコロです。

僕の場合、デスメタルを聴き始めたのは、デスメタルが誕生して30年近く経ってからでした。

デスメタルという音楽が誕生し、様々なバンドが登場し、進化&変化を繰り返し、ひとつの音楽ジャンルとして完成した後に、成功したバンドの作品をちょいと摘まんで聴いていく。それが百科事典聴きです。

 

何が良いって?

選択肢が多いのです。

僕が最初に聴いたデスメタルは、メロディック・デスメタルと呼ばれるジャンルでした。

デスメタルにメロディアスな演奏を付け、デスメタルが苦手な人でも聴きやすいように進化させたジャンル

それがメロディック・デスメタルです。

 

激辛本格インドカレーを食べる勇気はないけど、日本人向けに辛さを抑えたインドカレーなら食べてみたい。

そんな感じです。

 

そーゆー聴き方ができるのが百科事典聴きの良いトコロなのです。

※ただし、そーゆー聴き方は、ガチのデスメタラーには嫌われると思うので、もし、デスメタラーを名乗るなら「なんちゃってデスメタラー」を名乗るコトをオススメします。

 

ってことで。

始まりました!

ぐれむりんの「正しいデスメタルの聴き方講座」※今考えたです。

サブタイトルは……

~僕はこの順番でデスメタルにハマりました~

ってトコロでしょうか。

 

 

 

正しいデスメタルの聴き方講座

~僕はこの順番でデスメタルにハマりました~

 

①メロディック・デスメタル

僕が最初に聴いたのは、日本でも人気の高いメロディック・デスメタル・バンド「アーチ・エネミー」でした。

女性ボーカリスト、アリッサ・ホワイト=グラズ嬢のドスの効いたデスボイス、メロディアスなギター、デスメタル特有のブラスト・ビート(ドラムスの連打)、高度な演奏を行うスウェーデンのバンドです。

※女性ボーカルのバンドゆえか、ボーカルは衣装がド派手ですね。

 

僕が最初に「アーチ・エネミー」を聴いた理由は、単純に、「初心者向け デスメタル オススメ」って感じでweb検索した際に、常に上位に名前が登場するバンドだからです。

※更に言うと、中古でほとんどの作品が買えるバンドだったからです。デスメタル・バンドの作品は廃盤のモノが多く、人気バンド以外はアマゾンでも買えないモノが多いです。

 

このバンドを聴いて、生理的に無理だったらデスメタルは聴かないでおこう……なんて、そんな気持ちで中古CDを購入しました。

問題は、デスボイスが好きになれるかどうかです。

だって、デスボイスって……初体験なんだもの。

※実際、アーチ・エネミーを「ウルサイ」とか「声が苦手」と思った方はデスメタルは聴かない方が良いと思います。

 

その結果……

デスメタルっ!

むちゃくちゃカッコいいっ!

 

ただし、ガチ・デスメタラーの中にはメロディック・デスメタルはデスメタルとは認めないって意見もチラホラ。

 

確かに、本格的なデスメタルを聴いた後にアーチ・エネミーを聴くと、デスメタルというよりはスラッシュメタルに近い演奏って感じます。

※スラッシュメタルは、1980年代に登場したメタルのジャンルで、「メタル+パンク=高速メタル」って感じの、速さとテクニックを追求した演奏を行うメタルです。メタリカやメガデスなどが有名ですね。

スラッシュメタルにデスボイスを合体、そんな印象です。

 

ちなみに、デスボイスの特徴は「音階の無い汚声」です。音階が無いから唄ってもメロディになりません。

もはや、ボーカルである意味が分かりません。

デスメタルのボーカルはリズム楽器の一種だと思ってください。

 

そんなリズム楽器であるボーカルの代わりにメロディアスなフレーズを奏でるのがギターです。

それがメロディック・デスメタルです。

 

僕はその後、本格的なデスメタルは聴かずに、1年近くアーチ・エネミーばかり聴いていました。

 

……と言うより、アリッサ・ホワイト=グラズ嬢の美貌とデスボイスのギャップにKOされた感じでした。

ここで、デスボイスは地声ではなく「歌唱法」だってことを知りました。

アリッサ嬢はデスボイスだけじゃなく、クリーン・トーンの美声(しかも上手い)でも唄うことができます。

※アリッサ・ホワイト=グラズ嬢は「メロディを唄えるデスボイスの持ち主」だそうで、デスボイス歌唱の時でもメロディを唄える器用な歌姫だと言わています。

 

さて、ここでひとつ。

デスメタルに関する都市伝説

 

デスメタルは一度ハマると、次から次へと「さらに破壊的なサウンド」を求めてしまい、後戻りできなくなる……。

 

んなバカな?

と、思ったのですが……。

アーチ・エネミーでデスボイスへの耐性を獲得した僕は、次第に、もっと破壊的(だと思う)なサウンドを求めるようになっていました。

恐るべし、デスメタル都市伝説っ!

 

そして、次に聴いたのが……

 

②オールド・スクール

デスメタルが誕生した30年前当時のデスメタル・サウンドを「オールド・スクール」と呼ぶそうです。これは、後に登場する「新しいスタイル」のデスメタルと区別するための呼び名だそうです。

 

「カンニバル・コープス」です。

デビューから30年以上活動する老舗デスメタル・バンドです。

一度も解散することなく、現在も第一線で活動する現役バンドです。

デスメタルの王道と呼ばれるバンドです。

 

デビューから現在まで、その音楽性を変えることなく「これぞデスメタル」という音を鳴らし続けているバンド…と、言われています。

アーチ・エネミーのようなメロディアスな要素はありません……。

これぞデスメタルです。

 

デスメタルの特徴。

①低音で叫ぶデスボイスのボーカル。

②ブラスト・ビートと呼ばれる高速ドラム奏法。

③ダウン・チューニング(通常より音を低く調整)したギターとベース。

④複雑なリズム展開と曲構成。

⑤演奏時間は3~5分と短め目の曲が多い。

⑥歌詞のテーマは死・殺人・苦痛・性的倒錯など。

 

カンニバル・コープスのCDも、ほぼ全作、中古で購入しました。

いや、逆に言うと、ほぼ全作中古で購入できそうだったのでカンニバル・コープスを聴いた、というのが正しいです。

 

初めて聴いた時の感想。

①曲の区別がつかない。

②ギターの音が聴き取り難い。

③90年代の作品は音がショボイ。

④カーステレオで聴くと何を演奏してるかまるで聴こえない。

 

上記の特徴や感想を踏まえた上で

デスメタルっ!

むちゃくちゃカッコいいっ!

 

特に、ドラムスの演奏の凄さに驚愕しました。

デスメタルを聴くまで「ロック・バンドの主役はギターでしょ」と思っていた僕にとっては目からウロコの驚きの事態です。

 

デスメタルを聴いて、ドラムスの演奏の凄さを知り、以降はドラムスの演奏ばかりに意識が行くようになりました。

ブラスト・ビートを聴き慣れてしまうと、他のジャンルのドラムの音が物足りなく感じてしまうくらい、ドラムスの演奏は超ド級です。

 

③テクニカル・デスメタル

カンニバル・コープスでデスメタルのカッコ良さにハマった僕は、すぐさま、次のジャンルに手を出してしまいます。

ドラムスが凄いデスメタル・バンドです。

 

あの、ロード・ワーム氏がボーカルを務めるバンド「クリプトプシー」です。※ロードワーム氏は初期の作品2枚でバンドを脱退します。

通常のPVと、ドラムの演奏のみをピックアップした2種類の動画です。

ちなみに、ボーカルはロード・ワーム氏ではなく現ボーカルのマット・マキャギー氏です。

 

デスメタルの進化。

80年代後半~90年代前半に誕生したデスメタルの特徴は、スラッシュメタルを更に過激にしたサウンドでした。

 

当時、グランジ/オルタナの台頭で、ロックはスピードよりも重さ(ヘヴィネス)を重視したサウンドへと移行していました。

スラッシュメタルの代表バンドだった「メタリカ」や「メガデス」も、スピードを捨てて重さを取るという曲作りにシフトして行きます。

 

高速スピードの演奏では、重い音を出すのに限界があったようです。

 

デスメタルは、速さと重さを両立させたジャンルです。

デスボイス(低音の汚声)とダウンチューニングしたギター&ベース(重低音)、高速でマシンガンのようにバスドラ(低音)とスネアを叩き続けるブラスト・ビート。

 

「オールド・スクール」と呼ばれる初期のデスメタルは、スラッシュメタルを重低音にして更に過激に演奏するスタイルでした。

 

そんな「オールド・スクール」の演奏を、更に過激に複雑に演奏するスタイルが登場します。「ニュー・スクール」と呼ばれるデスメタルです。

その過激な演奏から、「ブルータル(野蛮で荒々しい)・デスメタル」と呼ばれたジャンルです。

 

残念ながら……

僕は、90年代の「ブルータル・デスメタル」の作品は持っていません。

…と、言うか、現在はCDが入手困難なバンドがほとんどです。

※僕の住む田舎の地方都市では尚更です。

 

そして、「ブルータル・デスメタル」と同様に語られるのが、「テクニカル・デスメタル」というジャンルです。

※ここら辺の違いは、百科事典聴きではイマイチ分かりにくいです。

読んで字の如く、テクニカル(技巧的)な演奏をするデスメタルです。

 

ちょっと待って下さいっ!

テクニカルな演奏ですか?

そもそも、80年代に登場したスラッシュメタル自体、超テクニカルな演奏が売りのジャンルでした。

その超テクニカルなスラッシュメタルを過激にしたデスメタルの演奏は、当然、超テクニカルです。

その、超テクニカルなデスメタルの演奏を更にテクニカルにしたのが「テクニカル・デスメタル」です。

 

言ってしまえば、「スーパーサイヤ人」の状態でフュージョンした「ゴテンクス」が「スーパーサイヤ人3」になったような感じです。

 

初めて「クリプトプシー」を聴いた時の感想は、何を演奏しているのか分からないし、展開が複雑すぎて曲を覚えられない、でした。

※この楽曲は、クリプトプシーの楽曲の中でも「最近は曲として聴けるレベルのモノが増えた」と言われ始めた時期の曲です。

 

最初にも書きましたが、もし、初めて聴いたデスメタルが「クリプトプシー」だったら、僕はデスメタルにはハマってなかったと思います。

 

テクニカル・デスメタルは、あまりにも人間離れした演奏&楽曲が多過ぎて、曲を聴くという感じではなく、超人的な演奏を聴くって感じで聴くのが正しい聴き方かもしれません……。

 

クリプトプシーのCD(全作中古で一気買いです)を購入して2年近くなりますが、初期の作品はいまだに曲の区別がつかないものが多いですもの……。

 

テクニカル・デスメタル(ブルータル・デスメタル)は他にも「オリジン」「ナイル」も購入しましたが、先にクリプトプシーを聴いてたおかげか、そこまで難解な曲展開には感じなかったです。

※ちなみにこの2バンドも、中古でCDが全作売ってたので聴いてるバンドです。

 

「オリジン」は、「ブルータル・デスメタル」と紹介されてる場合があったり「テクニカル・デスメタル」と紹介されてる場合があったりして、「ブルデス」と「テクデス」の違いって何? と、僕を悩ませることになったバンドだったりします。

 

「ナイル」に関しては、他のデスメタル・バンドとは違い「テクニカル・デスメタル+エジプト音楽」という明確なコンセプトが有る為か、楽曲自体がかなりドラマティックな構成になっていて、テクニカルだけど分かりやすい曲が多いと感じます。

 

ただね、上に貼った3曲を聴いてもらうと分かるんだけど、デスメタル未体験の方には「全部同じじゃね?」って感じる曲ばかりだと思うので、もし、聴いてみようかなって思う場合は、どれか一つのバンドを聴くだけでお腹いっぱいになっちゃうと思います。

 

これが、百科事典聴きというヤツです。

①メロディック・デスメタル

②オールド・スクール

③テクニカル・デスメタル

僕はこの順番でデスメタルにハマりました。

 

先ずは、比較的、聴きやすいバンドから聴き始め、次第に本格的なバンドを聴いていく。

そして、気に入ったバンドがあれば、そのバンドの作品を集める。

 

これができるのが、百科事典聴きの良いトコロです。

 

……で、

最終的に、僕はオールド・スクールのカンニバル・コープスが一番イイなって思いました。

 

カンニバル・コープスの特徴は、

①メロデスほどキャッチーじゃなくテクデスほど難解じゃない。

②2000年代の作品は音に厚みが増している。

③デビュー以来、音楽性に変化が無い。

④聴き慣れると、キャッチーな(?)ギター・リフに気が付く。

⑤聴き慣れると、口ずさめるくらいに歌メロがある。

 

まあ、結局、音に厚みが増した最近の「オールド・スタイル」デスメタルが一番聴きやすいってことでしょうか。

 

デスメタルに興味のある方は是非、聴いてみてくださいね。