呪怨 ビデオオリジナル版2 | ぐれむりんの気ままなブログ

ぐれむりんの気ままなブログ

勝手気ままな★備忘録★レビュー

前回の続きです、はい、呪怨ビデオオリジナル版2のお話し。

今年、いよいよファイナルを迎えた呪怨シリーズの原点作品ですね。




前編となる「呪怨オリジナルビデオ版」がネット通販サイトなどでのきなみ高評価なのに対し、この呪怨2の評価は低いです……。

その理由は……76分という短い映画の中の前半30分が呪怨1と同じだから!!!


しかもお値段が4500円!

4500円も出して映画の内容の半分がかぶってるって……そら評価も下がります。


オープニングは前編の第1話、小林先生の話がダイジェストで流れます。

そして、ダイジェストの後、呪怨1のラスト2話「伽椰子」「響子」が収録されています。

「伽椰子」はまるっと同じ内容です。

「響子」は前半は同じ内容だけど、追加のシーンがかなり収録されています。

で、時間的に、観始めて最初の30分が呪怨1と同じ内容だった……です、はい。


まあ、僕はね…このオリジナルビデオ版は劇場版を観た後に購入しました。

劇場版公開記念でDVD化された作品です。

そもそもビデオ版の頃はほとんど売れなくて、販売元の東映は映画化の権利を他社に譲ったってくらいの作品だったみたい。

口コミで怖いって評判の作品も売れなきゃビジネスにはならないんだね。


その昔、デビュー前のビートルズに「この時代にギターバンドは流行らないから」って理由でデビューを断ったレコード会社の話を思い出しますね。後のヒットを考えると…先見の明って大事なんだね。


さて、ここからは完全ネタバレ!!!


呪怨2はまるっと呪怨1の続きです。

僕的には2本に分けずに重複シーンを除けて1本にしてほしかった。

1本に編集してブルーレイ化希望!!!


まあ、とにかく映像の粗さが目立ちます。

これはDVD発売当時も感じてました。

「ああ、やっぱりビデオ用の低予算作品だな~」って思ってました。

もしも改めて呪怨ビデオ版を観ようって人は……地デジになる前から映像が粗いって思ってた作品なので、そうとう粗いのを踏まえて観てくださいね。


物語は大きく分けて、3つのお話で進みます。

今回もオムニバス形式の短編ですね。

※呪怨1のダイジェストと「伽椰子」は除いて解説します。


呪怨1や劇場版と明らかに違う部分。

それは時間軸のズレがほとんど無いってことです。

話はストレートに迷うことなく進んでいきます。

その分、過去の事件と現在の状況が入り混じって展開していきます。


先ず、不動産屋の兄が「事故物件」でなかなか売れない空き家(表札は村上)に霊感の強い妹「響子」を連れて行くお話し。


スタート直後から実に細かい演出が光ります。


響子が玄関に入って上を見上げると、伽椰子の部屋の窓(すりガラス)にボンヤリと白い人影が一瞬だけ映ります。

「おいおい、いきなりかよ……」ってお兄さんの台詞。

そして下駄箱に置かれた郵便物の山。

村上家宛のもの……そして佐伯剛雄宛のもの。

いや、実際は佐伯剛雄宛の郵便物の方が多い感じ。

これは生前、狂気に走る前の佐伯剛雄(34)が実は社交的な人格者だったことを現しているのかも?


響子は家の中で伽椰子の姿を目撃!何気に気味の悪い演出!

って言うか……流石は幽霊の出し惜しみをしないお化け屋敷映画ですね。

家の中で清酒を飲んで(吐き出してしまうくらい味が不味くなってます)霊の強さを再確認。

「この家を借りたいって人には絶対に飲んでもらって反応を見て!」

どうやらこの清酒が不味く感じる人には「この家」は危険らしい。

いやいや……入ったら死ぬ家ですから!


で、その後…すぐに新しい入居者が決まります……「北田さん夫婦」です。

ここまでは、呪怨1の最終話とまったく同じ内容です。


で、新しいシーンが追加!!!


先ずは、不動産屋の兄「達也」の息子がアパートの部屋でテレビを観るシーン。

ここで初めて、このアパートが小林先生の住んでた205号室だと気が付きます。

テレビの映像が乱れるのと同時に……画面全体にノイズが入ります。

実はこれ、この後のストーリーの伏線だって気がします。

で、響子さんが北田家へ向かうと…、北田家の旦那とすれ違います(新しいシーン)。

家の中には北田家の奥さま(美人!!!)。

でも不気味な眼で響子を睨んでる……。


響子さんは会社の同僚にお願いして(新聞社勤務か?)あの家で起きた事件の新聞のコピーを入手します。

「……って言うか、この事件はヤバイですよ」って同僚。

新聞記事にのコピーに目を通して愕然とする響子さん……。


実は、僕も細かな演出に愕然とします。


今回、新聞記事に何が書いてあるのか、一時停止して内容を確認しました。


村上一家の変死事件。

村上カンナさん15歳がアゴの無い状態で死亡してるのを家を訪ねた同級生が発見。

母親の典子さん(だったはず)42歳も内臓を引き出された状態で死亡。廊下は血の海……。

息子の強志くんは行方不明。


小学校教師、小林俊介さん28歳の変死体が発見される。

その家に住む佐伯剛雄さん34歳が路上で変死体。

佐伯伽椰子さん28歳の遺体が……


残念なのは、小学校教師が変死体で発見!って記事の内容が村上家の事件と同じ文章でした……ミスプリント!!!


愕然とした響子さんは新聞記事を兄の不動産屋へ持って行き(兄は不在)そのまま兄のアパートに向かいます。

その理由は……戻って来た兄が読む記事で明らかになるんですが、要は…兄の住んでるアパートの205号室で白昼堂々、小学校教師、小林さんの妻で妊娠中の女性が腹を裂かれて殺害されるという事件があったことを伝える内容。205号室!!!


アパートの部屋に入った響子さん…「なに…この部屋!」って、怖すぎます。

玄関の下駄箱の戸の裏にお札が貼られてあるのを発見!

自失状態でテレビの砂嵐をみつめる甥っ子に「こんなとこにいたら殺されちゃうわ!」って怖すぎます!

突然、隣の部屋のオバサンが慌ててやってきて「部屋から女性の悲鳴と赤ん坊の泣き声が聴こえたけど、大丈夫?」って、怖すぎます!

ハッと気が付くと、テレビの置いてある部屋で……佐伯剛雄が妊婦を惨殺する過去のシーンが再現されてます。

そして佐伯剛雄が響子の存在に気付いて…振り返って…響子さん…気絶。


続いては、北田家を襲う恐怖と不動産屋の達也さん、妹の響子さん、鈴木家(不動産屋の父母)に降りかかる恐怖。


北田家に差し出し人不明の郵便物が届きます。

中に入ってたのは「俊雄くんの描いた絵(呪怨1で小林先生が持って来た絵)と伽椰子の日記」でした。

これを受け取った奥さん(美人)が豹変。

朝食のコーヒーと目玉焼きに文句を言う甘えん坊旦那の後頭部をフライパンで一撃!!!

その後、何事も無かったように食事をする奥さま……。

※これはハリウッド版呪怨にも使われてましたね。

一方、何かに憑りつかれ精神崩壊の響子さんは実家(鈴木家)に帰ってます。

どうやら、父親には子どもの頃に霊能力があったようで、「医者にみせても意味は無え!」って事情を察している様子。

「お前(達也)はその家を何とかしろ!じゃねえと、お前も連れていかれるぞ!」って父親。

北田家へ向かおうとする達也に電話……。

「社長…先ほどからずっと響子さんがお待ちですが、どうしましょう?」

え?ええ?えええ?

どうやら、響子さんは霊体になっちゃってるみたい???

響子さんの本体の中に居るのは……???


へえ~!って感心するのは、説明台詞がまったく登場しないことだね。

達也さんにかかってきた電話、誰から何の用件なのか、最初は一切説明が無くてね。

「うん、うん、ああそれと、帰りに北田さんの家に寄って帰るから、少し遅くなるから…」その台詞だけ。

そこで初めて場面が切り替わって、不動産屋の受付(美人)さんからだって分かるんだね。


北田家へ向かうと、美人の奥さんがお出迎えなんだけど……上がってお茶を出された辺りから様子が変&不気味&不気味&不気味……。

部屋の中には俊雄くんの絵が飾ってて「息子が描いたんです…」って。

伽椰子の日記を「それ、あたしの日記です」って。


ただね……ここまで行っちゃうと、ホラーを通り越してギャグになり始めてます。

ホラーとギャグは紙一重だって、監督の清水崇氏も言ってました。

呪怨を撮影してて、やりすぎホラーシーンで思わず笑っちゃうって。


そうなんです!実は呪怨2はほとんど怖くないのです。


鈴木家では、響子さんの様子を見てた母親が精神崩壊で死亡。

父親は俊雄くんと伽椰子に襲われ死亡。

生き残ったのは、達也の息子だけ。


同時刻(だと思う)、伽椰子になった北田家の奥さんに襲われ達也が行方不明……。


村上家の事件を追う刑事さんと達也の息子に降りかかる恐怖っていうか……ほとんどギャグ。


呪怨1で登場した刑事さん……どうやらひとり、退職されてるみたい。

部下だった神谷刑事と若い刑事が、達也の息子を監視しながら会話してます。


村上家の事件に首をつっこむのは……ヤバイ気がするって。

村上一家の事件と、その前に起きた佐伯一家の事件。

それに係わった周囲の人間が全員、死亡か行方不明になってるって。

※村上家の生き残りだった父親も失踪したらしい。

鈴木(不動産屋)の住んでたアパートは、妊婦が惨殺された部屋だって……。

唯一の生存者は……あの少年だけになった。


ここまできて、やっと「あの家に係わると全員死ぬ」ってのが明確になりました。


で、退職した刑事さんを部下が訪ねるんだけど、どうやら精神崩壊してるみたいで会えませんでした。

帰り際に、ふと隙間から庭を見ると……精神崩壊の刑事が座ってて、自分たちの方を見て「ぎゃーーー!」って叫んでパニックになっちゃいます。


ここでスゴイって思うことが!!!


取り乱す元刑事さんを見て、部下の2人が「……行こう」って立ち去った背後の家の窓に伽椰子の顔!!!

うん、多分、伽椰子の顔だって思うよ。

何の説明も無いけど、顔っぽいのが映ってる。

3回くらい巻き戻しして観たけど、どう観ても白塗り伽椰子の顔に見える。

元刑事さんは部下じゃなく、伽椰子の存在に悲鳴を上げたってことになるのかな。

その後、元刑事さんは天井に写った巨大伽椰子で奥さまもろとも(?)無事に死亡???


ほとんどギャグ的映像だけど、画が粗いおかげで助かってます。

※呪怨~終わりの始まり~のトリンドルちゃんパートの巨大顔シーンは画が綺麗すぎてギャグだった。


部下の刑事さんは……上司(元刑事)と一緒に捜査してた刑事さんに悲劇が!

上司(元刑事)が撮った北田家の奥さんの写真、あの家に来る前と別人みたいだって。

「佐伯伽椰子に似てると思わないか?」って。うん、確かに!

「笑われてもいい、俺はこの事件から下りる」って、資料室に入っちゃいます。


残される若い刑事さん。

そこへ婦警さんがやってきます。

「面会の方がいらっしゃってますが……」

「面会???」

婦警さんは…ふと、若い刑事の持ってるスクラップブックを見て……

「ああ、面会の方、この女性です。お知り合いですか?」

はい、写真は……佐伯伽椰子です。


もはやギャグです。


伽椰子が資料室に入っていきました。

「ぎゃー!!!」って神谷刑事が飛び出してきて、その後、神谷刑事が座ったベンチの下から伽椰子の顔がニュッて!!!


もはやギャグです、はい。


そう言えば神谷刑事って、その後、劇場版で精神崩壊して退職してた気がします。うろ覚えですが。

今度、劇場版も観直す必要がありそうですね。


達也さんの息子に関しては……

学校に伽椰子が乗り込んできます。

しかも一人じゃなく、何人も……。


ギャグを通り越して…興ざめです。


白いワンピース…しかもスカートの裾が短いのに四つん這いになって……ちょっとセクシー伽椰子。

見えそうで見えないチラリズム伽椰子が炸裂!

って、もはや恐怖が微塵も無い演出に余裕ぶっこいて観てられます。


無事に達也の息子も伽椰子に連れていかれちゃいました。


いや、もしかすると……来てたのは伽椰子じゃなく、響子だったのかも?

最後に愛おしそうに膝枕してたのは……鈴木家の時の伏線???


ってことは、警察署に面会に来たのも伽椰子じゃなく、北田家の奥さんだったのかも?

学校に現れた複数の伽椰子は、いままで「あの家」に係わった女性たちなのかも?


説明はございません……確か。

DVDには副音声で清水崇氏の対話も入ってるので見てみますか……。


そして…最後に次回の劇場版に持ち越されるお話し。

これは「あの家」の外観と、そこに忍び込んだ女子高生の声だけで構成されています。


「こんなところにお酒がある~!」

「…うわっ!マズっ!これお酒じゃないよ…」

「……え?今の何の音???」


うん、確かに劇場版で家に入った女子高生の恐怖エピソード(マジ怖って感じた)ありました。


それにしても、やっぱりというか…

細かな伏線や説明のないストーリー展開(そこに気が付くと感動する)が素晴らしい映画ですね。


次回は気合を入れて劇場版1を観てみましょう。

って、前にケーブルTVで夜中に放送してた時…怖すぎてみれなかった…恐怖の映画なので、気合が必要なのですが……。